今年も残りわずかとなりました。
しばらく、ブログの更新をサボってしまいましたが、ここに来て
2A3シングルパワーアンプと、12AX7プリアンプが転がり込んで来
ました。しかしどちらも難有りで、復活させる為に色々と奮闘
しましたので、紹介してみようと思います。
その前に・・・
実はこの難有りの12AX7プリアンプのお陰で、プリアンプを自作
することができましたので、そちらを先に紹介します。
上段左側が今回製作したプリアンプです。コンパクトに作ってみました。
難有りプリアンプは、そのまま入力ボリュームのついて居ない
パワーアンプに接続すると、凄まじいシャーノイズが出て、
ほんの少しボリュームを回しただけで、大音量になってしまう物でした。
しかもボリュームつまみなど触れたりすると、マイクロフォニック
ノイズもガンガンです。筐体を指でこすってみると摺動音もしっかり
聞こえます。
このプリアンプには12AX7が6本使用されております。
SRPP2段によるCR型のフォノイコライザーに4本、残りの2本は
SRPPによるラインアンプと言った構成のアンプです。
各部の電圧等からラインアンプとしては、増幅率が高すぎるのでは
と思われました。それで、抵抗値と電圧、初段カソードのバイパス
コンデンサ(これはゲインには直接は関係ありません)を見直して、
最終出力から初段グリッドに少し帰還をかけたところ見違えるほど
静かなアンプになりました。スピーカに耳を近づけてもシャーという
ノイズは全く聞こえません。
さて、音はというと左右の広がりが有って、立体感がありとても
クリアで解像度も良くて、今まで使っていたA3032とは全く比べ物に
ならない素晴らしい音のするプリアンプになりました。
さらに、この回路なら12AU7でも動作できると思い、12AU7に交換して
みました、すると12AX7の荒っぽさが消えてなめらかな音になり、
現在は12AU7の互換球5963を取り付けて使用しております。
それがきっかけで、オリジナルプリアンプを作ってみたくなりました。
まずは、回路図を書いてみました。今回はフォノイコは搭載しません。
入力3系統、出力2系統の仕様で設計しました。
続いて部品表を作り、部品の収集です。幸いほとんどの部品は手元に
有ったので、ロータリースイッチと、ケース、ラグ板、ボリュームつまみ
を購入したくらいで全部揃いました。尚、今回使用したトランス類は
真空管アンプ等のオーディオ用ではなく、安価な機器組み込み用の
200V→100Vタイプを逆に使い200Vを得ています。またヒーター用の
トランスも機器組み込み用の12Vのトランスを使用しています。
どちらも、一個1500円前後です。
TU-875などのキットと違い、ケースの穴あけからスタートです。
まず、上に載せるトランス類を置いてみて、それからネジ位置等を
測定して、図面にしました。プリンターで出力して、それをケースに
貼り付けて、ポンチで印を付けて、その後ドリルで穴あけと言う
手順で行いました。
続いて、ラグ板4枚を使って、B電源の整流、平滑部回路、ヒーター
電源の整流、平滑回路、LR一枚つづラインアンプ部を製作。
それができたら、それらをケースへ組み込み配線します。
まずは、トランスとスイッチ、パイロットランプ等の配線。
続いてトランスと電源部の配線、続いてヒーター電源を真空管
ソケットへ、B電源もソケットへ、それからラインアンプ部の配線と
して完成です。
所要時間やく6時間ほどで完成です。
(色々とほかにも用事が有り、1日2時間くらいで3日かかりました)
電源を入れて、各部の電圧を測定、設計通りでした。
(※真空管を外した状態では、設計値より高くなります)
それから、いよいよアンプに繋いでみました。しばらくすると若干ジーと音が
出てきました。それはおいといて、CDを再生してみると、すごーーーい
ちゃんと音出てるし。しかもあのアンプとほとんど同じ音になって
凄い感動ものでした。そうなると、もう少し静かになってくれないと
困ります。そのジーノイズ。よくよく回路を見てみるとヒーター回路
がアースに落としてありません。ここで大きな失敗(幸い電圧がかろうじて
低い為に故障に至らずすみました)をしてしまいました。
本機はSRPPだと云う事を忘れて、そのままヒーターをアースして
しまいました。確かにジーノイズは消えてとても静かなアンプに
なりました。音もちゃんと出ます。
何が大きな失敗かと言うと、SRPPでは上段のプレートに230V印加
した場合上段のカソードには約115Vかかってしまいます。12AU7の
ヒーターカソード間の耐圧は100V-DCなので絶縁破壊を起こしかね
ません。通常はヒーターバイアスを掛けるのが一般的みたいです。
B電源からヒーターバイアス電圧(約50V)を分圧して取り出し、
ヒーター電源の0V側に接続することにより、ヒーター-カソード間
の電圧を約60Vにしました。これなら定格内なので安心です。
スピーカにしっかり耳をつけると、かすかにハムが出ています。
トランスと真空管が近いので、その誘導かとも思いましたが
試しにB電源のリプルフィルターをもう一段増設してみました。
見事に全くハムが聞こえなくなりました。
ボリューム全開にしても全くシャーともブーンとも言いません。
それでいて、CD等再生すると、臨場感、立体感広がりすべてに
おいて、今まで使っていたA3032とは比べ物にならない音が出てきます。
別の表現をするとA3032の音を横に縦に伸ばし、カーテンを取り外した
と言うとおわかり頂けますでしょうか?
回路がシンプルなだけに、解像度も上がっているのかなとも思います。
しかし、それでいて長時間聞いていても全く疲れません。
自分で作ったものから、こんな素晴らしい音が出るなど全く想像
つきませんでした。友人にも聞いてもらいましたが、友人も
ただただ驚くばかりでした。ちなみに、改修した12AX7プリアンプは
その友人宅で活躍しております。
次は、フォノイコライザーに挑戦しようと思っています。
※今回製作したプリアンプの回路図、内部写真等今のところ公開の
予定はございません。悪しからず<m(__)m>
しばらく、ブログの更新をサボってしまいましたが、ここに来て
2A3シングルパワーアンプと、12AX7プリアンプが転がり込んで来
ました。しかしどちらも難有りで、復活させる為に色々と奮闘
しましたので、紹介してみようと思います。
その前に・・・
実はこの難有りの12AX7プリアンプのお陰で、プリアンプを自作
することができましたので、そちらを先に紹介します。
上段左側が今回製作したプリアンプです。コンパクトに作ってみました。
難有りプリアンプは、そのまま入力ボリュームのついて居ない
パワーアンプに接続すると、凄まじいシャーノイズが出て、
ほんの少しボリュームを回しただけで、大音量になってしまう物でした。
しかもボリュームつまみなど触れたりすると、マイクロフォニック
ノイズもガンガンです。筐体を指でこすってみると摺動音もしっかり
聞こえます。
このプリアンプには12AX7が6本使用されております。
SRPP2段によるCR型のフォノイコライザーに4本、残りの2本は
SRPPによるラインアンプと言った構成のアンプです。
各部の電圧等からラインアンプとしては、増幅率が高すぎるのでは
と思われました。それで、抵抗値と電圧、初段カソードのバイパス
コンデンサ(これはゲインには直接は関係ありません)を見直して、
最終出力から初段グリッドに少し帰還をかけたところ見違えるほど
静かなアンプになりました。スピーカに耳を近づけてもシャーという
ノイズは全く聞こえません。
さて、音はというと左右の広がりが有って、立体感がありとても
クリアで解像度も良くて、今まで使っていたA3032とは全く比べ物に
ならない素晴らしい音のするプリアンプになりました。
さらに、この回路なら12AU7でも動作できると思い、12AU7に交換して
みました、すると12AX7の荒っぽさが消えてなめらかな音になり、
現在は12AU7の互換球5963を取り付けて使用しております。
それがきっかけで、オリジナルプリアンプを作ってみたくなりました。
まずは、回路図を書いてみました。今回はフォノイコは搭載しません。
入力3系統、出力2系統の仕様で設計しました。
続いて部品表を作り、部品の収集です。幸いほとんどの部品は手元に
有ったので、ロータリースイッチと、ケース、ラグ板、ボリュームつまみ
を購入したくらいで全部揃いました。尚、今回使用したトランス類は
真空管アンプ等のオーディオ用ではなく、安価な機器組み込み用の
200V→100Vタイプを逆に使い200Vを得ています。またヒーター用の
トランスも機器組み込み用の12Vのトランスを使用しています。
どちらも、一個1500円前後です。
TU-875などのキットと違い、ケースの穴あけからスタートです。
まず、上に載せるトランス類を置いてみて、それからネジ位置等を
測定して、図面にしました。プリンターで出力して、それをケースに
貼り付けて、ポンチで印を付けて、その後ドリルで穴あけと言う
手順で行いました。
続いて、ラグ板4枚を使って、B電源の整流、平滑部回路、ヒーター
電源の整流、平滑回路、LR一枚つづラインアンプ部を製作。
それができたら、それらをケースへ組み込み配線します。
まずは、トランスとスイッチ、パイロットランプ等の配線。
続いてトランスと電源部の配線、続いてヒーター電源を真空管
ソケットへ、B電源もソケットへ、それからラインアンプ部の配線と
して完成です。
所要時間やく6時間ほどで完成です。
(色々とほかにも用事が有り、1日2時間くらいで3日かかりました)
電源を入れて、各部の電圧を測定、設計通りでした。
(※真空管を外した状態では、設計値より高くなります)
それから、いよいよアンプに繋いでみました。しばらくすると若干ジーと音が
出てきました。それはおいといて、CDを再生してみると、すごーーーい
ちゃんと音出てるし。しかもあのアンプとほとんど同じ音になって
凄い感動ものでした。そうなると、もう少し静かになってくれないと
困ります。そのジーノイズ。よくよく回路を見てみるとヒーター回路
がアースに落としてありません。ここで大きな失敗(幸い電圧がかろうじて
低い為に故障に至らずすみました)をしてしまいました。
本機はSRPPだと云う事を忘れて、そのままヒーターをアースして
しまいました。確かにジーノイズは消えてとても静かなアンプに
なりました。音もちゃんと出ます。
何が大きな失敗かと言うと、SRPPでは上段のプレートに230V印加
した場合上段のカソードには約115Vかかってしまいます。12AU7の
ヒーターカソード間の耐圧は100V-DCなので絶縁破壊を起こしかね
ません。通常はヒーターバイアスを掛けるのが一般的みたいです。
B電源からヒーターバイアス電圧(約50V)を分圧して取り出し、
ヒーター電源の0V側に接続することにより、ヒーター-カソード間
の電圧を約60Vにしました。これなら定格内なので安心です。
スピーカにしっかり耳をつけると、かすかにハムが出ています。
トランスと真空管が近いので、その誘導かとも思いましたが
試しにB電源のリプルフィルターをもう一段増設してみました。
見事に全くハムが聞こえなくなりました。
ボリューム全開にしても全くシャーともブーンとも言いません。
それでいて、CD等再生すると、臨場感、立体感広がりすべてに
おいて、今まで使っていたA3032とは比べ物にならない音が出てきます。
別の表現をするとA3032の音を横に縦に伸ばし、カーテンを取り外した
と言うとおわかり頂けますでしょうか?
回路がシンプルなだけに、解像度も上がっているのかなとも思います。
しかし、それでいて長時間聞いていても全く疲れません。
自分で作ったものから、こんな素晴らしい音が出るなど全く想像
つきませんでした。友人にも聞いてもらいましたが、友人も
ただただ驚くばかりでした。ちなみに、改修した12AX7プリアンプは
その友人宅で活躍しております。
次は、フォノイコライザーに挑戦しようと思っています。
※今回製作したプリアンプの回路図、内部写真等今のところ公開の
予定はございません。悪しからず<m(__)m>