♦️11『世界と人間の歴史・世界篇』月と地球1

2018-03-09 22:13:50 | Weblog

11『世界と人間の歴史・世界篇』月と地球1

 私たちの地球は、一日に1回自転しながら、この太陽の周りを平均で秒速約30キロメートルで公転している。それは、円軌道ではなく楕円軌道に乗っかっている。17世紀のヨハネス・ケプラーにより発見された。なおここに「平均で」というのは、地球と太陽の間の距離が一番近づくのを近日点といい、ほぼ1億4700万キロメートル、そこでの公転速度は秒速約30.3キロメートルであるのに対し、反対側の一番遠くなるところを遠日点といい、そこでの公転の速さは毎秒29.3キロメートルとやや遅くなっている。
 地球と太陽の距離は、およそ1億5千万キロメートルある。太陽からの光は、およそ500秒をかけて地球にやってくる。光は一秒の間に真空中を約30万キロメートルだけ進む。つまり、私たちが見ている太陽は、その都度が500秒の前の姿なのである。
 そもそも、原始の星間物質の中には、水や炭酸ガスなどの揮発性成分が含まれていて、それが幾つも現れ、互いにぶつかり合いながら、だんだんと規模が大きくなっていった、その一つがのが地球なのであると。その過程で、微惑星や隕石が原始の地球にぶつかると、地球の脱ガス大気による温室効果で射出率が低くなっていることから、地球表面は光熱でどろどろのマグマが全球を覆っていたのではないか。なお、射出率(しょしゅつりつ)というのは、二酸化炭素などによる温室効果の大きさを表す指標であって、温室効果が大きいほど射出率が小さくなる。
 地球の誕生から暫くたってからの、地球を取り巻く大気の状態はどうであったのだろうか。それについて、いろいろ諸説はあろうが、京極一樹さんは、地球誕生から約1億年の地球大気の状況について、こう述べておられる。
 「窒素と二酸化炭素ばかりでのない、地表気圧が60気圧の厚い「原始大気」ができ、その雲は雨を降らせ、やがてシアン化水素(HCN、青酸ガス)の溶けた海ができました。」(京極一樹著・加藤恒彦監修「こんなにわかってきた宇宙の姿」技術評論社、2009)
 やがて、約40億年前の地球になる。その頃、太陽系内からの微惑星や隕石の衝突は下火になっていく。そのエネルギーで全球灼熱になっていたのが、地球表面で溶けていたマグマが固まり始める。
 月は、いつ頃誕生し、そして地球に寄り添うようになったのだろうか。その月は、現在、地球の周りを楕円軌道を描いて回っている。自転の速さは変わらないものの、公転の方は、地球と月との距離が時々刻々変化していることから、早くなったり、遅くなったりしている。この現象は「秤動」と呼ばれる。
 この月の誕生を巡っては、1975年にウィリアム・ハートマンとドナルド・デービスが新説を唱えた。これは、「ジャイアント・インパクト説(巨大衝突説)」と呼ばれる。この説によると、約45億5000万年前、太陽系の中には多くの原始惑星(現在は地球など7つ)が回っていた。その中に「テイア」(仮の名)と呼ばれる、今の加勢くらいの大きさの惑星があった。テイアは、原始地球の半分ほどの大きさで、その軌道は地球の軌道と交わっていた。地球とテイアは時速何千キロものスピードで斜めに衝突した。テイアは完全に崩壊し、地球も一部を失った。原始の地球にとっては、全面衝突でなかったことが幸いした。
 テイアとの衝突によって地球から表面の一部が剥がれたのだが、その時宇宙に飛び散った岩石は、互いの引力で引き合う。やがて出来た「月の種」を中心に一つに集まっていき、地球を回る衛星となった。月は地球の岩石の残骸からつくられたとするこの説は、発表された当初は「そんな馬鹿な」といって人々は信じなかった。
 ところが、1969年(昭和44年)、アポロ11号宇宙船が持ち帰った月の岩石に高温に熱せられた痕跡が認められると、その説に鞍替えする学者が増え、今ではこれが月誕生の通説(有力)となっている。とはいえ、1972年に月に着陸したアポロ17号が、その着陸点「タウルス・リットロウ」(Taurus-Littrow) 渓谷で月の土壌を採取し、地球に持ち帰っていた。その試料の解析が進み、「粒が急激に冷やされると、ガラスとなります。そのようにしてできた火山ガラスの中に水が含まれている」」(○(なみ)木則行氏の「スーパームーン、月の不思議」NHK教育テレビ、2016年11月11日放映の「視点・論点」より)ということになった。こうして月の中に微量の水が含まれていることが判明すると、今度は、このジャイアント・インパクト説(巨大衝突説)に「重大な」疑問を抱く向きも出て来ているとされる。これによると、月の誕生はまたもや謎の中に包まれようとしているのかもしれない。
 ところで現在、月は地球の周りを公転しているが、その距離は時々刻々変化している。原始の月は、地球の今よりずっと近くにあったとされる。ならば、その頃の地球から空を見上げたとしたら、空の大半を占める巨大な月が見えたことだろう。また、月の引力は地球の潮の干満をもたらし、地球の生命の源となる豊富な海を創り出した。ジャイアント・インパクト直後の地球の自転周期は5~6時間程度であったと考えられている。それからというものは、月が地球にもたらす潮汐力によって、地球の海水と海底との間に摩擦が生じる。このブレーキ作用の影響で自転周期は今日までだんだんと長くなって来ており、今でも「数千~数万年で一秒」程のわずかながら一回転の長さは増しつつある。その月は、地球の大きさの約4分の1、約80分の1の重さ(地球の重力を反映した力)である。このため、地球の自転速度は徐々に遅くなり、その周期は今の24時間になった。そこで「もし地球と月を合体させると仮定すると、地球の一日は4.1時間で回転することになります」(○(なみ)木則行氏の「スーパームーン、月の不思議」NHK教育テレビ、2016年11月11日放映の「視点・論点」より)とも言われる。
 それから、月の表面のクレーターができたのは、約44億年前のジャイアント・インパクトによる月形成直後ばかりではなかった。約40億~38億年前にも激しい衝突のあったことが、最近の研究で分かって来ている。これらのことと地球との関係如何について、清川昌一氏は、こう述べておられる。
 「木星や土星も太陽系の進化にともなってその公転軌道が少しずつ変化している。土星の公転軌道は外側に、木星の公転軌道は内側に変わっていく。40億~38億年前、木星の公転周期と土星の公転周期が1:2の共鳴関係になったとき、小惑星帯にある小惑星の軌道が不安定になり、大量の小惑星が月に衝突するようになった。
 地球表面は活発なプレート運動のために、38億年よりも前の地層はほとんど残っていない。しかし地球も後期重爆撃から逃れることはできなかったはずである。(中略)
 地球は、40数億年前には海洋があったことが推定されているが、大衝突が起これば衝突による熱で地球の全海水は蒸発して、水蒸気の濃い大気をもつようになる。数百年後には水蒸気が冷えて、再び海洋が出現するということが繰り返された。また、できたばかりの地殻も繰り返し破壊・溶融していただろう。このように過酷すぎる環境であったために、生命の誕生は後期重爆撃の終わる38億年前まで待たなければならなかった。」(白尾元理・写真、清川昌一・解説「地球全史ー写真が語る46億年の奇跡」岩波初書店、2012)
 あれやこれやで、地球上に生命が誕生したのは、月という衛星が生まれたおかげなのだという説も、多くの専門家から指摘されているところだ。ここでも、私たちが当たり前のように過ごしている時間と空間の枠組みは、はじめからその状態に備わってたわけではないことがわかってきている。その後、月と地球の距離が現在のものになったとはいえ、潮の満ち引き(潮汐)は、もちろん月の引力によって海面が引っ張られてのことであるし、私たちこの地球上で生きる者の生活のありようは、月の存在と深い関わりを持っている。ひとたびできてからの月は、地球の子供というより、兄弟というにふさわしい処もあるのだ。
 月は、その重心地球側(地球から見て表側)に偏っているために、地球からは同じ面しか見ることは出来ない、という神秘的なところも残しているのであるが、私たちの地球がこの先も存続していくためには、なくてはならない存在だとされている(以上は、「地球ドラマチック、月と衛星の神秘」2014年9月14日、NHKのEテレで放映、左巻健男編著「面白くて眠れなくなる地学」PHP研究所などからまとめさせていただいた)。

(続く)

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♦️5『世界と人間の歴史・世界篇』太陽

2018-03-09 22:12:02 | Weblog

5『世界と人間の歴史・世界篇』太陽

 私たちの銀河系も、そうした銀河の一つの中に含まれている。その中心(そこには古い年齢の恒星が集中していると推測される)から相当離れた、私たちが「オリオンの腕」と呼んでいるところで、こんにち私たちが太陽系と呼んでいるものができていった。その形成のメカニズムは、私たちの銀河系の他の銀河、そして私たちの銀河系内で行われて来た星々の形成の模様と、基本的に変わりはないと考えられている。
 では、私たちの太陽は、どんな星なのだろうか。銀河系と呼ばれる小宇宙に属する一つの恒星にして、地球から1億5000万キロメートル、光の速さでいうと10光分のところにある。そ位置と大きさの目安としては、出発点を地球とすると、地球から10億キロ、つまり10の12乗キロメートル離れると、木星の軌道が視界に現れてくる。木星は、私たちの地球のおよそ1000倍の質量がある。さらに100億キロメートルになると、太陽系の全体がすっぽりと入ってくる。さて、1000億キロ、つまり10の14乗キロメートルになると、ここでもまだ太陽が見える。太陽は、恒星だから自分で燃えて光って見える。そして10の21乗キロメートル。つまり約10万光年で美しい渦巻き銀河の構造が見えてくる。私たちの太陽系は、銀河の中心から約2万7~8千光年、およそ2京7~8千兆キロメートルの「オリオンの腕」と呼ばれるところにあって、もはや渦の中にのみ込まれている。これが私たちの住む銀河系なのだとされている。
 次に、私たちの太陽とはどんな星なのであろうか。現在の太陽の温度は約1500万度である。これ程の高温となっているのは、現在の太陽核で核反応が行われているからだ。
極めて高温であるため、陽子と電子とは分離している。いいかえると、原子は電子を失って、原子核のみの丸裸状態になっている。
 さて、宇宙の最初には、水素原子核がつくられた。その時の水素原子核は陽子そのものなので、ここでの水素は陽子が誕生した瞬間にできたことになる。陽子より前にできた電子が陽子と合わさると、逆β(ベータ)崩壊という反応を起こして中性子となる。
 次には、①この中性子と陽子とが1つずつ結びついて、重水素の原子核になる。このとき陽電子(プラスの電気を持った電子)とニュートリノという素粒子を放出する。陽電子は電子と衝突するとγ(ガンマ)線のエネルギーになる。
 ②その重水素の原子核(陽子1つと中性子1つで構成)へ水素の原子核が核融合してヘリウムの同位元素(同位体)としてのヘリウム3(陽子2つと中性子1つで構成)となる。このときエネルギーのγ(ガンマ)線を放出する。
 ③かかるヘリウムの同位元素としてのヘリウム3の2つが核融合して、ヘリウム4が1つできる。このとき水素の原子核を2つ放出する。
 ④これまでの核融合反応を通じて、太陽活動は水素の原子核を6個使い、最後に水素の原子核が2個放出された。すなわち、太陽の中心部では、つごう4個の水素原子核が融合して、1個のヘリウム原子核になる核融合反応が行われたことになる。これら一連の反応のことを水素核融合反応と呼ぶ。
 なお、これに関連して、村山斉氏は、アインシュタインの質量のエネルギーへの変換式(E=m×(かける)Cの2乗)を、こう説明しておられる。
 「太陽核では、水素の原子核(陽子)が四つくっつくことで、ヘリウムの原子核がつくられます(このとき陽子は、ニュートリノと陽電子(電子の反物質で電荷がプラス)を出して中性子に変わります。ニュートリノと反物質はこれから出るくるのです)。ところが、ヘリウム原子の質量と陽子四つ分の質量は同じではありません。くっついた後の方が、0.7%ほど軽くなっています。重さ25グラムのお団子を四つくっつけて秤(はかり)に載せると99.3グラムになっているようなものですが、この失われた0.7%の質量がエネルギーに変換されて、太陽の熱を生み出しているわけです。」(村山斉「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」集英社、2009)
 以上まとめると、4個の水素原子核H→1個のヘリウム原子核He+2個の陽電子e +エネルギー+ニュートリノとなる。
 つまり、4個の水素の原子量1.008X4=4.032。ただし、1個のヘリウムの原子量は4.003。 
 ここで陽電子の質量は原子量に比較して極めて小さく、無視できるから、4.032-4.003=0.029となる。
 このように核融合反応が行なわれると原子量が少なくなり、物質がエネルギーに換わる。そのことにより、一般的に語られる場合においては、「同じ質量で比較した場合、水素と酸素の化学反応(燃焼)にくらべて1000万倍以上とのエネルギーが発生する」(野田篤司・船木一幸著、中島秀紀協力「となりの恒星をめざせー太陽系を飛びだし、50年で恒星間を航行できる探査機を実現できるか?」:雑誌「ニュートン」2013年1月号、(株)ニュートンプレス)という。

(続く)

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♦️18の2の2『自然と人間の歴史・世界篇』年代測定と遺伝子解析の発展

2018-03-09 09:35:20 | Weblog
18の2の2『自然と人間の歴史・世界篇』年代測定と遺伝子解析の発展

 さて、自然界に存在する炭素(C)という元素の中には、「放射性同位体としてのC12やC13、C14といった仲間(これを「同位体」と総称しよう)がある。数字の14は、その炭素の陽子と中性子の合計数(これを「質量数」という)をいう。この14などの質量数は元素記号の左上に書かれたりする。
 自然界の多くの炭素は、安定したC12として存在しているとのこと。12の内訳は、陽子6個と中性子6個なのだが、しかし、中性子の数が異なるC13やC14も存在しているとのこと。前に陽子の数が同じで、中性子の数が異なるものを同位体と述べたが、このC14は、安定的なC12と異なり不安定な状態で、放射線を出す性質を持っている。すなわち、放射能を帯びた、放射性同位体として存在している。
 さて、これらのうちC(炭素)14を用いて物質年代を特定するものに「放射性炭素C14年代測定法」がある。これの原理を極々簡単にいうと、こうなる。
 まずは、C14は大気中でCO2(二酸化炭素)となり、光合成により植物に蓄積されていく。また、大気中のC14と他の同位体(C12やC13)との比率は、植物が生きている間はほぼ一定を保っている。
 ところが、その植物が枯れるとかして死ぬと、その植物内でのC14が増えることがなくなり、それからはC14成分が崩壊により減るだけとなる。この理屈は動物の場合も同様で、植物を食べる草食動物、草食動物を食べる肉食動物についても、彼らが生きている間のC14と他の同位体との比率はほぼ一定を保っているのだが、その生物が死ぬと体内のC14が減っていく。
 そこで、観察者は、植物の死体や動物の死体から出るβ(ベータ)線を測定したり、C14と他の同位体との比率を調べたりして、どのくらいの年数が経過したのかがわかるのだという。
 ちなみに、かくも便利に使えるC14の半減期は、約5730年もするというから驚きだ。ここに半減期とは、放射性物質(放射性同位体)は放射線を出して安定したもの(放射性物質でなくなる)になる、その際放射性物質が半分になる期間のことをいう。例えば、はじめにC14が1000個あったとしよう。最初の半減期の約5730年後には、これが500個に減る。次の半減期の今から約1万1460年後には250個、さらにその次の半減期が経つと125個になってしまう。はじめのうちは多く減っていくのだが、後になるほど減る量は少なくなっていく
 もう一つ、ここにいうC14は、β線(ベータ線)という放射線を出す(この現象を「β崩壊」(ベータ崩壊)という)のだが、このβ線はエネルギーをもった電子のことで、原子核の中から飛び出てくる。原子核の周りにある電子とは別ものの電子であることに留意されたい(ただし、ここでは、かなり簡略化した説明になっている。実際は崩壊には種類があり、電子以外も飛び出るという)。
 このβ崩壊では、原子核の中の一つの中性子から電子が飛び出て、その中性子は陽子となる。というのは、元のC14は陽子6個と中性子8個があわさってのものだ。それがβ崩壊が起こると、中性子1個からβ線(電子)が出て行き、陽子へと変わる。つまり、原子核の中性子が1つ減り、陽子が1つ増え、原子核は陽子7個、中性子7個となる。これは、陽子の数が変わっているので、炭素とは異なる元素になったということ、具体的には
陽子7個、原子番号7は窒素(N)となる、つまり、C14がβ崩壊すると、N14になり変わるのである。ただし、陽子と中性子の合計である質量数は同じなのであって、実際の質量も、減った電子はわずかな質量なので無視して扱うこととされる。
 もう一つ、生物の痕跡を拾うものとして、DNA(デオキシリボ核酸)解析などの生物学的な知見があり、これの適用などにより、いわゆる生物学的情報が得られるという。というのも、DNAは、水、タンパク質、脂質、糖質などとともに、生物の身体を構成している。
 ここに人(ヒト)の遺伝子は、二本鎖のDNAから成り立っている。ちょうど、紐(ヒモ)が二本の糸で絡み合うことでできている。沢山の横棒で梯子(はしご)のように繋がっている。これらの紐には糖とリン酸が交互に並び、それかの一つひとつが共有結合という強い結合で結ばれている。この結合は、2つの原子が「電子を共有」し合うことによって成り立っている。もう少しいうと、お互いの余っている不対電子(2個ペアになってない電子)を共有して繋がりを強めている訳だ。
 そして、人(ヒト)の遺伝子が乗っかっている染色体も、二本鎖のDNAから成り立っている。巨大な染色体DNAの上にある人(ヒト)の遺伝子には、遺伝情報が組み込まれている。遺伝子がもっている遺伝情報は、人(ヒト)を構成するいろんなタンパク質を構成しているアミノ酸の配列を決める。使われるアミノ酸は20もの種類が知られる。その配列としてあるのがA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)と呼ばれる塩基であり、前に述べた各々の糖の部分にこれらの塩基が結合している。これらは、紐に対してほぼ直角に、梯子の中の方を向いている。言い換えると、前に述べた紐のうち一本をある向きに辿ると、A、T、G、Cによる文字列ができている。
 これこそが遺伝子情報を担う暗号であり、生物は、これらの4つの塩基のさまざまな組み合わせ(配列の仕方)となって、高分子の化合物を構成している。つまり、A、T、G、Cの各々の組み合わせとは、生物の設計図にほかならない。実際のところ、こうした情報がタンパク質という別種の、やはり鎖状の高分子のアミノ酸配列へと翻訳、合成され、それぞれの生物を形づくるものとして発現するのである。

(続く)

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