69『自然と人間の歴史・世界篇』ギリシアの哲人たち(タレスなど)
タレス(タレース、紀元前624年頃~紀元前546年頃)は、 古代ギリシアの哲学者、科学者。イオニア地方で生まれたらしく、こにこ発祥したミレトス学派の始祖であるという。哲学的な言葉も色々あるものの、本質は科学者なのではないだろうか。
功績としては、やはり幾何学でもさまざまな定理を発見したことだろう。例えば、こうある
「一つの内角と、それをはさむ二つの辺の長さがそれぞれ等しい三角形はたがいに合同どある。」
「一つの辺の長さと、その両はしにある内角とがそれぞれ等しい二つの三角形はたがいに合同である。」
彼がこの定理を発見する前にも、エジプトの現場では、直線を引くのに、縄を使って引っ張り合い、測量をしていた。その延長であろうか、「たがいに直角に交わる直線を引くのに、その三つの辺の長さがそれぞれ三、四、五の割合の三角形をつくればよいといううまい方法を、経験的に知っていました」(矢野健太郎「数学への招待」新潮文庫、1977)という位のレベルの高さであったとのこと。
タレスは、このエジプト人たちの知識から出発したに違いあるまい。彼らが経験的に拾い集めた数学上の真理を、結び合わせ、なぜそうなるかを考え、誰もが納得できる定理として示した。その探求に、おのが精力を注いだのであろう。
それからは、これを使って実際に役立てていく。例えば、それを使って、立ち位置を岸にとって、沖に見える船までの距離を測るとか、山越しに向こうに僅かに見える地点までの距離を割り出すとか。有名な話では、これらの定理を使って、ピラミッドの高さを測ってみせたともいわれる(一説には、影を使って相似の原理から測ったのではないか。しかも、棒の長さと影の長さがまったく同じになる時間を待つ方法ではなかったのではないか、という)。
かわったところで有名なのは、古代ギリシアの都市ハリカルナッソスの歴史家ヘロドトスの「ヒストリア(歴史)」という著書がある。その中に、紀元前6世紀に行われた戦争中に、もう少しいうと、紀元前585年5月28日に起きた皆既日食により、昼が夜に変わり、双方の兵士たちが戦いをやめたということであり、驚くことにそのことを予言した人物がいた。それがタレスであったということが記されているらしい。はたして、どんな理由からそう予言したのかは分からないが、少なくとも、天文学の研究も行っていたのではないか。
(続く)
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899『自然と人間の歴史・世界篇』南部アフリカの現況
このあたりで、南部アフリカの経済状況(人口と名目GDPは世界銀行調べ、2016年)について、ごく大まかに紹介しておこう。GDPは、国内総生産の略で、1年間に生産(付加価値として)された財とサービスの合計をいう。
モーリシャスの人口(2016年)は126万人、国内総生産(GDP、2016年)は122億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は9631ドル。
マダガスカルの人口(2016年)は2489万人、国内総生産(GDP、2016年)は100億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は402ドル。
コモロの人口(2016年)は80万人、国内総生産(GDP、2016年)は6億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は775ドル。
モザンビークの人口(2016年)は2883万人、国内総生産(GDP、2016年)は110億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は382ドル。
マラウィの人口(2016年)は1809万人、国内総生産(GDP、2016年)は54億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は300ドル。
ナミビアの人口(2016年)は248万人、国内総生産(GDP、2016年)は248億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は4415ドル。
アンゴラの人口(2016年)は2881万人、国内総生産(GDP、2016年)は953億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は3309ドル。
南アフリカの人口(2016年)は5591万人、国内総生産(GDP、2016年)は2955億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は5285ドル。
ボツワナの人口(2016年)は225万人、国内総生産(GDP、2016年)は156億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は6924ドル。
レソトの人口(2016年)は220万人、国内総生産(GDP、2016年)は23億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は1040ドル。
ザンビアの人口(2016年)は1659万人、国内総生産(GDP、2016年)は211億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は1270ドル。
スワジランドの人口(2016年)は134万人、国内総生産(GDP、2016年、は37億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は2770ドル。
ジンバブエの人口(2016年)は1615万人、国内総生産(GDP、2016年、は166億ドル、一人当たりのGDP(2016年)は1029ドル。
参考までに、2016年の名目GDPの世界ランキングを掲げておく。これには、IMF、世界銀行、国連などによるものがそれぞれ用いられているが、以下ではIMFのものを紹介しよう。これによると、1位はアメリカで18,624.45(名目GDP、2016年、単位は10億USドル)。2位は中国で11,232.11。3位は日本で4,936.54。4位はドイツで3,479.23。5位はイギリスで2,629.19。6位はフランス2,466.47。7位はインド2,263.79。8位はイタリアで1,850.74。9位はブラジルで1,798.62。10位はカナダで1,529.76。(中略)27位はナイジェリアで405.44。(中略)40位は南アフリカで294.90。(元々の出典は、IMF - World Economic Outlook Databases(2017年10月版)、引用は「世界経済のネタ帳」(インターネット閲覧による)
また、2016年の購買力平価(PPP)で換算した名目GDPの世界ランキングを掲げておく。こちらの指標では、物価水準がそれなりに考慮されていて、人々の生活実感にもより近いと考えられる。名目額は、いわば「見掛けの競争力」のようなものであり、そういうことから考えると、やがてこの購買力平価の方に引き寄せられていくものとみられよう。
これには、IMF、世界銀行、国連などによるものがそれぞれ用いられているが、以下ではIMFのものを紹介しよう。これによると、1位は中国21,286.18(名目GDPのPPP評価、2016年、単位は10億USドル)。2位はアメリカで18,624.45。3位はインドで8,700.62。4位は日本で5,233.34。5位はドイツで3,996.60。6位はロシアで3,862.25。7位はブラジルで3,140.51。8位はインドネシアで3,031.30。9位はイギリスで2,784.83。10位はフランスで2,735.14。(中略)23位はナイジェリアで1,090.10。(中略)30位は南アフリカで739.23。(元々の出典は、IMF - World Economic Outlook Databases(2017年10月版)、引用は「世界経済のネタ帳」(インターネット閲覧による)
(続く)
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