◻️114『岡山の今昔』水島臨海工業地帯(石油コンビナート、21世紀)

2019-08-14 10:17:35 | Weblog

114『岡山の今昔』水島臨海工業地帯(石油コンビナート、21世紀)

 我が国の高度成長期をリードしていたのは、臨海部であった。その一つ、水島臨海工業地帯の有り様はこれまで、明と暗のうち、前者の華々しさが際立っていたものだが、21世紀の課題は何なのであろうか。地元紙が、こう状況を伝えている。
 「2003年、鉄鋼大手の川崎製鉄水島製鉄所はNKKとの経営統合でJFEスチール西日本製鉄所倉敷地区になった。2016年には、石油化学の三菱化学水島事業所(現三菱ケミカル岡山事業所)と旭化成ケミカルズ水島製造所(現旭化成水島製造所)が基幹設備のエチレンプラントを統合。共同運営会社を設立した。中でも象徴的だったのがJXTEエネルギー水島製油所だ。」(山陽新聞、2019年4月11日付け)
 その後で、かつてこの「2工場はともに水島コンビナートが誕生した1961年に操業。水島港を挟んでわずか1キロの距離で向かい合い、半世紀にわたってしのぎを削った」(同)とふりかえりつつも、「一体運営後は、海底トンネルのパイプラインをフル活用して原燃料を融通。軽油の脱硫装置など共通する設備も統廃合し、年数十億円のコスト削減効果を生み出した」(同)という。
 生き残りの中で編み出された策とはいえ、これまでの競争意識から一皮向けての、昨今、たぶんに清々しい話ではないか。

(続く)

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