ご存知の方も多いと思いますが、桂文楽(八代目)名人と言われた落語家です、
を偶然、ウェブで聴いてみた。
まるで心が洗われるような気持になりましたね。
よく、江戸っ子は、神田の生まれで云々などといいますが、桂文楽の洒脱な話しぶり・・・実はこの方は青森の生まれだったかと思います。それでも一生懸命に努力されたのでしょうね、実に気持ちの良いほどの東京落語の話し手として、名人の名をほしいままにされた方ですね。
実はぼくの父親は、落語が好きでしてねぇ、よくラジオで落語や、浪曲を聴いていましたね。当時、ぼくは高校生か、大学生の頃。ほとんど落語なんて関心もなければどこがいいんだろう等と思っていたに違いないのです。
ところが社会に出てから、ある時、兄に、寄席につれて行ってもらったのです。
ううむ、面白いなあ・・・と。直後から自分で寄席に行くようになりましたね。
ただし、文楽や志ん生の活躍した時代はとうに過ぎておったのですね。だから、生で、文楽や志ん生を聴いていないのです、ぼくは。
一時は、志ん生に嵌りました、人並みに・・・でも最近は、飽きてきたというのか、まあ、いい時期とそうでない時期があるように思ったり、この噺家の魅力って決してうまくはないけれど、お客さんを愉しませてくれるような、まあそれもプロという意味では凄いことでしょうが、とことん十数年聴いてきて、ちょっともういいやという気がしないでもない・・・非常に半可通ぶって相済まないのですが。
そこへいくと、文楽、やっぱり凄いんです。
たしか小学館から出ていた、CD全10枚セットだと思うのですが、家のどこかにあるはずですが、今日、偶然にネットで聞いてみて、やっぱりいいなあと
あらためて、名人桂文楽の凄さを、繰り返しになりますが8代目文楽のことを書いているのですからね、凄さを感じまして、いいなあとここに書いてみたくなった次第。
今日ぼくが聴いてうなったのは、「夢の酒」と、「松山鏡」、それにやっぱり「大仏餅」が良かったですねえ。
気になったのはせっかく素晴らしい落語をアップしているのに、観ている人がちょっと少ないなあと思たこと、でもコメントを寄せている方は、どなたも真の落語ファンらしく素晴らしいコメントを寄せていらっしゃいましたようで、やっぱり皆さん、いいところを書いているなあと・・・ぼくなど、本当にまだまだだと思いますが、でも好きなんだからしょうがないのですね。
若い方々が、落語のもっとも面白い今から4、50年前の落語を愉しまないでもったいないなあという感想を若干持ちましたがね。
数年前ある落語家さんが、「人間国宝」という褒章をいただいたらしいのですが、ぼくにはそんなことあまりどうでもよくって、やっぱり文楽でしょうねと言いたい気分なわけなんです。文楽という噺家さん、最後は高座で、言葉が出てこなくって、たしか…それを機に引退をされたのでしたでしょうか。引き際もお見事だったのですね、ですがもう少し聴きたかった。これ、本音です。
「黒門町」、名人の名をほしいままに活躍された、八代目桂文楽、今でもぼくの心の中には大きな位置を占める落語家ですね。
フォト・文 石郷岡まさお