皐月賞 蛯名正義
ダービー 横山典弘
安田記念 柴田善臣
生え抜きの関東ベテラン騎手がこの春のG1を取りました。今日の善臣騎手の騎乗はファンの私も唸りました。あんな位置取りで大丈夫なのかとヒヤヒヤしながら見ていました。明らかに前に行った方が良い馬場状態でしたし、本音を言えばもっと前目に付けたかった筈。しかし善臣騎手は慌てずに馬とのコンタクトに集中します。断トツの1番人気、しかもG1ですから道中のマークもきつかったでしょう。最後の直線も包まれて厳しいものでしたが、しっかりとゴールで差し切りました。仕掛けのタイミングが完璧だったと思います。
ルーベンスメモリー以来私は善臣騎手のファンですが、今日の勝利を見ていぶし銀と言うには勿体無さすぎる技術に再度熱くなったのでした。このままジャスタウェイは善臣騎手で行くべきです。
今日の勝利は馬の力も勿論ですが善臣騎手の腕の勝利です。
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iPhoneから送信
6月10日追記
<独占手記>
良かった。本当に良かったです。世界一の馬に泥をつけずに済んだこともそうだけど、今回は関係者の皆さんのために、何とか結果を出したいと思っていたんです。声をかけてくれたジャスタウェイの関係者と、乗り替わりに理解を示してくれたサダムパテックの関係者のために。
今回のような直前の乗り替わりは自分の騎手生活30年でも初めてのこと。基本的に不義理は嫌なので、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。けれど日本を代表する馬がベストのレースをするためには騎乗経験のある騎手にという関係者の気持ちがあって、最終的には自分から西園先生に電話をしました。理解を示してくれた先生、オーナー、関係者の皆さん。今回の件で動いてくれた全ての人に「ありがとうございます」と言いたい気持ちです。
申し訳ないと思う一方で、騎手として、強い馬の依頼をもらえたことは光栄でした。若くて元気のいいやつがたくさんいるのに、47歳の自分に声をかけてくれる。これほどうれしいことはないです。今日は以前に比べて精神面がどしっとして「なるほど、これが世界一の馬か」と思いました。乗ったことのある馬だし、不思議と緊張はありませんでした。2度3度脚を取られて普通の馬ならあきらめるところをあきらめなかった。気持ちが強い馬です。最後はゴーグルが汚れてゴール板が見えなかったので勝ったかどうか怪しかったけど(笑い)、リズム良く走ればきっと大丈夫と思っていました。
それにしても競馬学校で一緒に遊んだ同期の須貝君が調教師で、自分が乗ったアイリッシュダンスの孫なのか。自分もずいぶん長いことやっていますね(笑い)。でも、こういった縁こそが競馬の良さだと思う。勝った時の喜びが2倍、3倍にもなるよね。こういう気持ち良さがあるから、今も騎手を続けています。いくつになっても馬に乗るのが楽しい。これからも若いやつに負けないように頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。(JRA騎手・柴田善臣)
ダービー 横山典弘
安田記念 柴田善臣
生え抜きの関東ベテラン騎手がこの春のG1を取りました。今日の善臣騎手の騎乗はファンの私も唸りました。あんな位置取りで大丈夫なのかとヒヤヒヤしながら見ていました。明らかに前に行った方が良い馬場状態でしたし、本音を言えばもっと前目に付けたかった筈。しかし善臣騎手は慌てずに馬とのコンタクトに集中します。断トツの1番人気、しかもG1ですから道中のマークもきつかったでしょう。最後の直線も包まれて厳しいものでしたが、しっかりとゴールで差し切りました。仕掛けのタイミングが完璧だったと思います。
ルーベンスメモリー以来私は善臣騎手のファンですが、今日の勝利を見ていぶし銀と言うには勿体無さすぎる技術に再度熱くなったのでした。このままジャスタウェイは善臣騎手で行くべきです。
今日の勝利は馬の力も勿論ですが善臣騎手の腕の勝利です。

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6月10日追記
<独占手記>
良かった。本当に良かったです。世界一の馬に泥をつけずに済んだこともそうだけど、今回は関係者の皆さんのために、何とか結果を出したいと思っていたんです。声をかけてくれたジャスタウェイの関係者と、乗り替わりに理解を示してくれたサダムパテックの関係者のために。
今回のような直前の乗り替わりは自分の騎手生活30年でも初めてのこと。基本的に不義理は嫌なので、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。けれど日本を代表する馬がベストのレースをするためには騎乗経験のある騎手にという関係者の気持ちがあって、最終的には自分から西園先生に電話をしました。理解を示してくれた先生、オーナー、関係者の皆さん。今回の件で動いてくれた全ての人に「ありがとうございます」と言いたい気持ちです。
申し訳ないと思う一方で、騎手として、強い馬の依頼をもらえたことは光栄でした。若くて元気のいいやつがたくさんいるのに、47歳の自分に声をかけてくれる。これほどうれしいことはないです。今日は以前に比べて精神面がどしっとして「なるほど、これが世界一の馬か」と思いました。乗ったことのある馬だし、不思議と緊張はありませんでした。2度3度脚を取られて普通の馬ならあきらめるところをあきらめなかった。気持ちが強い馬です。最後はゴーグルが汚れてゴール板が見えなかったので勝ったかどうか怪しかったけど(笑い)、リズム良く走ればきっと大丈夫と思っていました。
それにしても競馬学校で一緒に遊んだ同期の須貝君が調教師で、自分が乗ったアイリッシュダンスの孫なのか。自分もずいぶん長いことやっていますね(笑い)。でも、こういった縁こそが競馬の良さだと思う。勝った時の喜びが2倍、3倍にもなるよね。こういう気持ち良さがあるから、今も騎手を続けています。いくつになっても馬に乗るのが楽しい。これからも若いやつに負けないように頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。(JRA騎手・柴田善臣)