植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

素人園芸家の言い訳

2020年05月08日 | 植物
ブドウの花蕾が上がってくると、最も重要な作業が参ります。
蕾の剪定、間引き、そして「ジベレリン処理」であります。

 ワタシのぶどう棚のメインは、今年で6年目となるシャインマスカットです。デパートの地下の特選品コーナーに並ぶと、一房3千円は下らない高級ぶどうですね。趣味のブドウづくりでは、あんな大粒でピカピカのブドウは作れません。いや、正確に言うと、そういうブドウを作れると思っていたのですが、過去3年ではとても及びもつきませんでした。小粒で、甘みもバラツキがあり、黒糖病で粒に黒い斑点がつきました。

 理由は沢山あります。生産農家さんは大きなハウス栽培で雨がかからないように栽培します。これでかなりの病気が防げるのです。勿論温度調整も出来ますし、コガネムシの襲来も防げます。しかし、趣味でやっているので、たかがブドウづくりに何十万円も使ってハウスを建てるわけにはいきません。売られてるのを食べた方がはるかに美味しく安上がりです。

 まったくの露地露店栽培ですと、雨に混じった病源菌・ウィルスが蔓延し、葉もブドウそのものにも大きなダメージを及ぼします。台風で潮風に当たると葉が茶色に変色します。コガネムシは、6月になれば大挙して飛来し、葉を貪ります。どんな果樹でも、生育や果実の肥大の決め手は、太陽光から生まれる光合成ですから、葉っぱが傷んだり失われたりすれば結果は明らかです。葉を守ることが最大の課題であり、美味しい果実が得られるか否かのポイントなのです。

 これまで、ワタシがとった対策は、2,3回の殺虫剤散布と、週一回程度の殺菌剤散布でした。コガネムシには、幼虫の根の食害を防ぐために「ダイアジノン粒剤」を不定期に株元に撒き、あとは毎朝ひたすら捕殺・駆除でした。今年は、これに加えて防虫ネットをかぶせてみようと思います。ブドウの棚の上下に目の細かいネットで覆うという作戦です。これは、ブドウに袋掛けをしてからのことなので、あと一か月位後の作業ではありますが。

 そして、大事な作業が、これからの摘蕾・整粒とジベレリン処理なのです。
その目的は①一房20~25粒に抑える。②全体の収量数を減らす。③無種化(種なしにする)④粒の肥大化を促す、ということです。
 株全体の大きさから、収穫する量を制限すれば、一房ごとに行きわたる栄養が増して大きくなるので、ツル一枝ごとに一つ残しで花蕾のついた茎ごと切り取ります。(これが欲との戦いで、どうしても沢山生らそうとして失敗するのです)。昨年は結局30袋位になりましたが、多すぎたのですね。今年は20個に限定したいと思っています。
 それから、摘蕾です。ブドウの花は10㎝くらいの長さに枝状に蕾がつきます。これを先端の4㎝だけ残してあとは綺麗にカットします。これで大体25粒ほどになりますね。作業が済んだものにはカラークリップを付けて目印にします。

 これで準備完了、開花を待ちます。プロの方は冬の剪定時に規則正しく整然と長さもあわせてツルの先を揃えるので、ほぼ同時に開花するので一度の作業で済むと聞きます。ワタシらにはそんな芸当は出来ません。開花したらジベレリン液に浸潤させます。専用のカップに浸けたら、指ではじいて水滴を飛ばします。液が偏ると奇形果になったり反ったりします。この処理で種なしになります。
 この後、数週間後きちんと粒が大きくなってきたものだけに、もう一度ジベレリン処理をします。「フルメット」というホルモン剤を併用することもあります。これは、肥大化の目的です。このとき、うまく生育しなかった幼果も切除します。
 これで、雨がかからないように丁寧に袋掛けすれば一安心です。

 それで、ジベレリンの使い残しを探しましたら、昨年9月に使用期限切れ!アチャー😵。これが、食品や飲み物なら、構わず頂くところなのですが、薬品だけはそうはいきません。ジベレリン自体は安全性が高い信頼の農薬ですが、効果が失われていたらブドウにとってもワタシにとっても無駄働き・徒労に終わるのです。やむなく千円で買ってまいりました。開花のタイミングさえ逃さなければうまくいくと思います。

 これだけやっても、昨年までの出来はまったく不満足でした。開花以降の水遣り・施肥を少し考えた方がいいかもしれもせん。まぁ、素人の道楽でやってるので、どうということはありません。

 ということでシャインマスカット作りは、なかなかの手間なのですよ。デパートで売られているシャインマスカットが高価なのも頷けますな。

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