本日のお題は文句なし「なでしこジャパン」の北朝鮮戦であります。
先週夜の一戦目、あろうことか寝過ごして見損なうという大失態でありました。0-0で、一点を失っても不思議が無い劣勢であった、と伝えられています。
パリオリンピックのアジア地区サッカー最終予選、勝った方が五輪に参加できるというシビアな対戦がワールドランク8位と9位という拮抗した「日本-北朝鮮」の2戦、でその2試合の得点が多い方が予選通過であります。あのワールドカップ優勝以来、我がなでしこジャパンはずっと国際的にはトップクラスに近い位置づけであり、Wカップと五輪は「出場が必須」と期待されてきました。
もし昨夕の試合で敗れる事にでもなればこの20年の栄光が失われ「日本女子サッカー」の将来にも暗い影を落とすことになりかねないのです。現在のなでしこは、ワタシの最も好きな選手猶本光、遠藤純、宮沢ひなたという中盤から攻撃の選手の主軸三人が怪我で出場出来ない、という緊急事態の中であります。従って、昨夕の試合も負けるかもしれない、という不安の方が先に立ってくるのでした。
夕方5時には入浴して身を清め、髭を剃り鼻毛まできちんと切って身支度をしてテレビの前に座る、それ以外に応援の術はありませんでした。
でテレビ中継がNHKで始まりました。キャプテンの熊谷紗希選手は、平静を装っていましたが、鬼の形相でありました。緊張感が半端なく、開始前の記念撮影の作り笑顔は、完全にひきつっているように見えました。
前半戦の試合の入りで北朝鮮が猛攻を仕掛けてきましたが、割合落ち着いた対応で10分ほど見ていると、なでしこのボール回しがきちんと流れていて「今日はいけるんでは」と感じました。北朝鮮の方が意識が強くてバタついている感じでした。
そして最も心配されていた左サイド(猶本・宮沢・遠藤が本来いるべきポジション)に「抜擢」されたのが北川 ひかるちゃん、美人で素晴らしい笑顔の持ち主のDFでした。これが大当たり!幾度も左サイドを駆け上がり、同僚の田中美南選手などに絶妙なパスやクロスを供給していました。
そうして待望の先取点も、北川選手のセットプレーが起点になりました。田中選手が頭ですらして、相手キーパーがはじいたこぼれ球に飛び込んだ高橋はな選手が足で合わせたファインゴール!!!!。勝ったも同然とは言えません。たった1点です。しかし、これでPK戦になるまで、2点をとられなければいい、ととても有利に戦えることになりました。そのまま前半戦終了です。
ふと気づくと手元のスマホのLINEにメッセージが届いていました。九州の兄からでした。「やったね、サッカー」それだけ。あぁー兄も当然ながら観戦していたのです。彼は中学時代、サッカー部でGKをやっていたサッカー好きですもん、当たり前ですね。日本で恐らく二人に一人はこの試合を観ていたに違いありません。勿論北朝鮮でも、そして北の将軍様も。
さらに、後半、中島選手の最前線への上りから右サイドの相手選手の股抜きでかわして、センタリング、これをバチッと頭でゴールへ叩き込んだのが、期待の若手藤野あおば 、ようやく仕事をしました。これで、2点差、残り十数分で3点取られるなどまずあり得ないことなので、勝ちが見えてきたのです。相手チームの監督の顔は真っ青・げろげろ状態でした。
ところがその5分後にまさかの失点をして、1点差になった時は、うーわ、これはやばいかもと日本人の誰もが感じたでしょう。
時間は前後しますが、相手選手のヒールによるトリッキーなシュートがゴールライン上に転がって行った、その瞬間ヤバッと思いました。そこに横っ飛びで伸びてきたキーパー山下の右手、ゴールラインにボールが真上に乗っかったあたりではじき出しました。微妙ではありますがゴールラインから完全にゴールポストエリアに入ったら1点、「1ミリ」と言われるほどきわどくは無かったと思いました。
しかし今回の審判は、ボールのそばにいつも居て、よく見ていました。激しいコンタクトにいちいちファウルとして試合を止めることも少なく、毅然としてゆるぎない笛を吹いて居ました。こうした国際試合には欠かせない優秀な審判として選ばれてきたのでしょう。
最後のロスタイム5分がえらく長く感じられました。終了のホイッスルが鳴った時、ワタシも大声で万歳を叫び、頭の上で拍手いたしましたよ。熊谷と監督がやはり一番うれしく、ほっとしたでしょう。ワタシにしたら、MVPは北川選手とキーパーの山下選手お二方に差し上げたいですね。
汚いプレーが少なく、緊張感がずっと続いた好ゲームでした。妙なもみ合い・過剰に痛がるようなオーバーアクションも無し。後ろの方で無意味にパスを回したり、無用なバックパスもほとんどありませんでしたね。
北朝鮮のサッカー関係者と女子選手に「将軍様」から怒りや障りが無い事を願うばかりです。なでしこの皆さん、本当にありがとう。これでまた楽しみが増えました。けがで出られなかった3選手にも是非本戦には間に合うようになってほしいものですね。