昨夜は、夕刻5時から始まったドラフト選択会議、最後の巨人の12番目の育成選手指名までしっかりと見届けました。
今年のドラフトの最大の特徴は、コロナが大きくかかわったということに尽きます。年初からの感染拡大に呼応して、ほとんどの野球の試合が中止になり、練習すら制約されたのです。伸び盛りの高校野球の有力選手は、地方大会にも出られず春夏の甲子園でその成長や実力を見せることが出来ませんでした。
わずかに夏の交流大会各チーム1試合と、東京で行われたトライアウト(合同練習)でした。スカウトも試合が無ければその能力や調子を見極めることが出来ません。一方で選手たちの体が酷使されることも無くケガや投手の消耗も避けられたということは間違いありません。
一方で大学生社会人は、同様に試合は皆無になったものの、少なくとも高校生の頃からずっと野球関係者の間でチェックされ、以降大学や社会人の試合では数多くデータがあるので球団側も、高校生に比べてはるかに豊富な情報を得て、状態を把握できているということになります。
勢い、今回のドラフトの上位選手に大社の選手指名が集中したのは、編成会議でも説得性・信頼性が高いゆえの結果といえます。
今時のピッチャーは、自己最速の球速で、ある程度のランク付けされます。少なくとも150Km以上の球速が目安になりますね。大学に行って体力・筋力がつけばそのくらいのスピードを出すようになります。こんなもので投手の力を判断するようではまぁ素人ですかな。
打者を球速で抑えられるかと言えばNoであります。160Kmでも打たれ、140Kmそこそこでも勝つ投手は大勢います。要は常時速くて伸びのある速球が投げられ、コントロールが良く、変化球も高い水準の球種をいくつか投げられるということ等を総合した力なのです。
今年は各球団とも、実力の知れた即戦力にいくという安全策をとったと言えますね。大社の選手たちは、ワタシに言わせれば、高校生の時に選択を見送られた(篩にかからなかった)やや力の劣る選手が多いのです。あるいは、もし野球がうまくいかなくても保険として学歴を身に着ければいい、というような、ある意味どっちつかず、プロ一筋に高卒で飛び込む若者とは一線を画すようにすら思います。ワタシが高校生を取るべきだという論拠であります。
ともあれ、事前の予想通り一位指名は注目の早川君と佐藤君に集まり、くじ引きで、それぞれ楽天・阪神が獲得、そのほかの球団もほぼ順当な指名が出来ました。
ワタシ個人の感想では、山下・元謙太・来田と非常に将来性のある高校生を指名したオリックスが最も望ましい形であったように感じます。大社のトップクラスを獲得できた広島・楽天・阪神あたりは万々歳であろうと思いますね。
一方わが巨人は、予定通り佐藤輝明にはかすりもせず、前評判ではほとんど話題に上らなかった大学右腕「平内龍太」になりました。高校時代には指名漏れ、今春肘にメスを入れ目立たない東都の投手、しかもリリーフタイプというのは普通は1位指名しません。原さんは「菅野2世」とか持ち上げていましたが。大体◯◯2世と言われて大成した選手は少ないのです。
巨人では2014年からみても、ドラ1・2の大社6名の投手は、誰一人1年のローテーションを守れず、怪我も多く、素人が見てもレベルが低いコントロールの無い選手ばかりでした。この連鎖が今年も続いているように思えてなりません。
とはいえ、事前に競合するのが明らかで、外れ1位外のシュミレーションを周到に行っているはずなので、平内選手が1位指名にふさわしい、レベルが高い選手とは思いますが。
それで、2位がワタシのにらんだ通り「山崎伊織」でありましたな。やっと私の予想が当たった(笑)。大学生としてはピカイチだったのですが、ひじを痛め手術して間もない右腕、ギャンブル指名でしょうか。しかも渦中の東海大、下位でも指名できたように思います。
そして3位指名が中京大中京の中山礼都、やっと高校生だ!前評判も高い強打好守の内野手で、坂本の後継になり得る逸材であります。が、ここまでで、東海大相模の西川・履正社小深田・明石商来田などが残っていたのにどうなのか(残念)
その後は5位指名の秋広投手を除いてまた大社(´;ω;`)、まぁいいや、どうせドラフトで6,7人取れても一軍で活躍するのは2名くらいのもの。
もう一人、注目された田沢投手はとうとう育成ドラフトにも指名されませんでした。日本のドラフトにかからず、いきなりメジャーリーグに入った為、有望選手が日本の野球界を飛び越してアメリカに渡るのを抑止するべく「田澤ルール」が設けられました。メジャーを渡り歩いてクビになり、日本球界に入ろうとしましたが、いかんせん35歳、日本の球団側だって、やはり意地でも取りに行きませんでしたね。
それから、今年の巨人の選択で興味深いのが、2mの身長をもつ投手を秋広と育成阿部剣友の二人を指名したことです。大谷選手や阪神藤波、昨年の佐々木朗希と、2m近い長身選手が非常に速い球を投げるのが実証されているのです。また二刀流の可能性も現実味を帯びています。
あとは「坂本勇人」の同姓同名の高校生捕手獲得(笑)他、計12名の育成選手指名も好ましいものであります。
というわけで、支配下7名育成12名の指名というのは「数撃っちゃ当たる」という理にかなうものです。また、手術をしたのを承知で有望な選手二人を指名したリスクテイク、4年連続の外れ1位の競合を回避できたということなどを総合的に判断すれば、ワタシの採点は80点であります。
くじ外しはたいした減点ではありません。有望な高校生指名が少なかったこと、ワタシの母校「賀来中学校」出身の川瀬をパスしたことがマイナス査定でありますな。それでも、今までの目を覆うばかりの結果に比べれば、はるかにましなのです。
これで、既存の選手たちは穏やかでなくなりますね。ベテラン選手、中堅で2軍暮らし、育成枠から出られない若手、戦々恐々でありましょう。