植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

違いのわかる男

2019年02月28日 | 植物

 昨日、「PH測定器」をAmazonから取り寄せました。アメリカではAmazon専用貨物機が墜落、お気の毒様です。ジャガイモ畑やブルーベリーの土壌のPHが気になっていたのと、ぼかし肥料の発酵の加減(温度)が知りたかったからです。7,8年前に、菜園を始めるときにPH測定器を大枚はたいて買ったはいいが、すっかり存在すら忘れていて、家探ししても見つからず、再度買う羽目になりました。近くのホームセンターではこの「シンワ測定 デジタル土壌酸度計」が5千円位、メーカー希望小売価格は6千円弱、Amazonでは2,600円、、、なんで、こうも値段が違うのか、ものの値段は不可解ですね。使ってみて、ちょっと不満が、PH値の表示が5刻みということ。65の目盛が上がると次は70に、これでは土壌のPH値がどちらに近いかわからんではないか。

 コーヒーの搾りかすを使ったぼかし肥料ですが、順調に推移しているようではあります。途中までの経過は、①仕込んで3日間位はほとんど変化なし(乾燥気味か、と水を足す。気温が低いかなと屋内に移す)②朝、手を突っ込むとほんわかと温かくなっており、思わず「オー、やったぜ」と叫ぶ③切り返すともうもうと湯気が立ちメガネが曇る、だいたい60℃くらいか④(今ココ➡)肥料の温度が40℃くらいに落ち着いてきて、結構臭くなる(おそらく混ぜ込んだ鶏糞が、二次発酵している)。とはいえ、発酵と腐敗は紙一重。いまのところこのボカシ肥料もどきが、どちらなのかワタシにはその違いがよく分かりません。約10日間経過しましたが、その後、いつが出来上がりになるのかも分かりません。自分では、そのうちに匂いが収まり、温度が気温並みに下がってくる、みたいなことを想像しています。コーヒーのボカシ肥料、好気性発酵はどちらも初体験なので、PHや温度測定は必要ですね。その肥料の効果を検証するために、同じ種類の植物を同じ環境で、肥料だけを変えて栽培してみようと思います。うまくいけば、商品化しますか。商品名は、当然「違いの分かる男のゴールドブレンド」ですな。

 園芸に関わらず、道具はすごく大事な要素です。園芸を始めて、まず買ったのが柄の短い木柄丸ショベル(今だ現役)です。自分の体力を考えると、建設現場で使うスコップやシャベルは大きすぎました。根を取ったり、小石交じりの土おこしには最適で、この3千円弱のシャベルは、心強いパートナーですね。ワタシの菜園、兼果樹園、兼バラ園は、もともとが駐車場(その前は工場とか病院の敷地だったようです)、40年以上車に踏み固められた敷地は、元からある砂礫に加え、建築物の解体後の廃材も粉砕して埋設されていたため、とてもそのままでは園芸に使えなかったのですね。世間では「ガラ」が埋まっていると言いますね。ご先祖様が残した駐車場に、小さな2階建てのテナントビルを建てた折、開発の許可条件であった緑地を開墾したわけです。おっさん一人、シャベル1丁で、この難事業に立ち向かったその2千日間は、そのうちに怒涛の連載をいたします。

 乞うご期待
 
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アーモンドは、なかなか素敵な植物ですぞ

2019年02月27日 | 植物
 ワタシの「ローズガーデン」では、およそ50本のバラを育てております。先日今年初めての殺虫剤散布を行いました。バラを栽培している方は、ん、早いのでは、と思われるかもしれませんが、新芽が芽吹く時期に裸木でも構わず薬剤散布しておくと、梅雨ごろまでによく発生する黒星病が、かなり防げます。バラに病気はつきもの、葉っぱが黄色くなって、はらはら落ちても、そんなに気にはしません。もともと生命力に溢れ、落葉すればすぐに新芽が伸びてきます。とは言え、うどん粉病ほかの病気や害虫対策を怠ると、花付きにも重大な影響を及ぼすので、そうなる前に予防は欠かせません。そういえば、「かなガーデン」では、しょっちゅう薬を散布しているとみえて、よく葉が真っ白になっているのを見かけます。入場料を取るからには、バラを病気や虫食いにしておくわけにはまいらぬ、ということです。こちらでは、入園料はトップシーズンで大人800円、バラは約千本あるといいます。当植物園ではバラが50本としてかなガーデンの1/20、計算すると料金は40円、うーん、見料はとれませんな。

 バラ科というと、今花盛りのボケ、梅もその仲間、日本人が開花を心待ちにする桜も当然バラ科ですね。シモツケ、モモ、イチゴ、リンゴ、ビワ、アーモンド、ザイフリボク(ジューンベリー)、ナナカマド、ヤマブキなど挙げるときりがありません。これらは、ほぼ全部栽培してますよ。なーんでか。それはね、食用になる実をつけるものが多いから。

 昨日、アーモンドが咲き始めました。アーモンドに限らずバラ科には塩害に弱い種類が多いです。昨年2度の強い台風で、海水が巻き上げられワタシの果樹園にも降り注ぎました。翌朝散水して洗っても、だいたいは手遅れで、すももやアーモンドはあらかた葉を落としました。ブドウ、シマトネリコ、モミジなんかも一夜にして茶色に変色しましたな。そのせいで暖冬もあって、晩秋から真冬にかけて桜他バラ科の植物がちらほら開花したのですね。それどころかアーモンドに至っては2個結実しました。
 アーモンドは成長も早く、1M足らずだった苗は、2年後にもう3M近くなりました。花は一度にはに咲かず、数週間かけてぽつぽつ咲くのですが、それはそれは可憐にして清楚な小花です。花もちも良く、庭木におすすめですね。自家結実性があり、昨年は30個ほど収穫しました。まだ幼木に近いので、実はさほど大きくなりません。これの種を割って食べるのですが、市販されてるものに比べるとだいぶ薄っぺらでした。ローストしても生食でもオッケー。生でいただくと、梅干しの種の中に入ってる白い核(仁、といいます)に似た味がします。手間はかかりますが、今年いくつ収穫できるかと思うと、ワクワクしますな
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田舎の香水

2019年02月26日 | 植物
 今から思うと、ワタシらが幼少のころ(昭和30年代)、まだ戦前、戦後の名残がありました。防空壕があちこちに放置されて空薬莢が落ちてたり。空地もいたるところにあって、土管が積まれてる、という昔のサザエさんの漫画に出てくる風景でした。学校の帰りは、畑や雑草地を突っ切っていくのですが、ひばりが高くさえずり、月見草だかセイタカアワダチソウだかの枯れ草を刀に見立ててチャンバラもやりました。空地ではめんこ、三角ベースの草野球、そして戦争ごっこは男の子の遊びとしては最もポピュラーでしたね。のらくろの漫画はみんなの愛読書でした。小刀(肥後守)も小学生にとって必須アイテム。鉛筆削りから手作りおもちゃまでこれ一本が役に立ち、大人が「危ない」なんて取り上げることもなかったなー。今じゃ考えられません。考えられないといえば、当時最も危険なゾーンは、肥溜め。野壺なぞとも言いますな。このありかを知らないと「野壺にはまる」という、甚だ不名誉かつ被害甚大な事故になるのです。まだ、農家も一般市民も貧しく、手作り野菜は当たり前、ヤギや鶏だって飼ってました。農業知識や肥料も戦前と大差なく、人糞含めた動物のフンが肥料の大半を占めていた時代です。人糞を撒いた畑の作物には寄生虫が含まれ、これを口にする人間に寄生、そして排泄すると卵も一緒なので、また寄生虫が増えるという無限ループ。子供のころ虫下しの薬を散々飲まされました。肥桶(こえたご)を天秤で前後に担いで歩く農家さんに、子供たちは鼻をつまんで逃げ出したものです。これを。昔の人は「田舎の香水」と呼んでいました。決して、その行為を貶め、忌み嫌うことがないおおらかな気持ちの表れではないでしょうか。
 それで、今度はお庭の香水。園芸を始めたきっかけは、カミさんのバラ栽培のお手伝いでした。庭造りも、建物の脇にある緑地を活用して、ホームセンターで売ってるバラをそこらに適当に植えるから始まりました。そのうち欲というか体裁よくしようなんて気になるのですが、その頃にはすでにバラや樹々が育ち始めて、無秩序無思想の状態です。そんな中でも、一貫して理想としてきたマイガーデンの姿は、四季のいつでも何かしら花が咲いていること、素敵な花の香りを楽しむ、ということです。庭を散策する(ほどは広くない)時、かがんで草を抜くとき、ほっと一息でお茶する時、どこからともなく花の芳香が漂ってくるように取り入れる植物を選んできました。バラも強香、芳香種を探して、当地では最もバラの充実した「花菜ガーデン」に何度も足を運び、ネットでも香りのいい花を調べては取り寄せるを繰り返しました。自然のアロマを求める旅とでもいいますかな。その花の香りの話はとてもブログの1回や2回では語り尽くせません。すこしづつ紹介することにしますか。 で、今朝は、待ちに待った「沈丁花」がいよいよ本格的に咲き始めました。ワタシは、狭小ガーデンにつき、球根類は別にして、原則1品種1苗(鉢)にしています。群生させて一面同じ植物が咲きそろうのが、見ごたえあるのは当然なのですが、そうするとほかの植物が育てられないし、将来広がり過ぎるのを心配せざるを得ません。しかし特に素敵な香りをもたらしてくれるものに限り、数本植えています。それが「沈丁花」「バイカウツギ」「ロウバイ」「クチナシ」ですね。これからしばらくは、沈丁花のそばに行くたびに、爽やかにして甘美ともいえる妙なる香りが嗅げると思うと、ゾクゾクしますな
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春雨じゃ、草を抜こう

2019年02月25日 | 植物
 2月もあとわずか、未明から弱い雨が降って、木々や土が湿っております。どんな散水やスプリンクラーも自然の雨には敵わない。すべてに公平で地面に落ちてきて、隅々まで植物を潤します。で、雨が上がれば雑草が急に伸びますので草取りです。昔から雨が降ったら畑に入るな、と申します。土が固くなるのでしょう。一方で降雨の後は、草が抜きやすいのも道理。そういえば、皇居の中では、雑草と呼ばないそうで、草取りも原則不可。どんな草でも名前があり、区別は出来ないというわけです。出入りの植木職人さんによれば、枯葉一枚持ち出してもいけないそうな。それにつけても、天皇陛下皇后さまには、長きにわたり大変でしたでしょうね。余計なお世話ですが、もう5年位前に退位してのんびりと暮らしていただきたかったかな。
 草むしりというのは、体に不調でもない限り、まったく苦になりません。植物、とりわけ野菜を育てるのに、雑草は禁物ですし、見た目もよろしくない。誰かに指示されてやるものや対価を貰って作業すると、えてして気が重く苦痛に感じたりもします。ですが、自分でやりたい(やる必要ありと判断する)と、どんなことでも躊躇いなくとりかかれるものです。そもそも土いじりは、ワタシたち日本人にとって、DNAレベルで心地よくなるように組み込まれている、と確信しますね。遠い太古に私たちのご先祖様が、大陸から日本列島に辿り着いた時から、進化論の示す通り、農耕民族としての進化が始まったわけです。
 その頃の会話はざっと以下のようなものでしょう。
「あー、ご隠居さん、てーへんだ。また裏の与太郎の野郎、畑仕事もしねーで、川遊びに行きやがった。あれじゃあ、嫁の来てはねーな。」
「権兵衛さん、お前さんみたいに朝の暗いうちから野良に出て日がな一日働いているから、子供5人食わせていける。与太郎の家の年寄りはロクに食うものもないし、あのまんまじゃ跡取りも無く家系が絶えても仕方ないなあ」
「そうなんだ、あいつね、こないだもおいらに、俺は百姓仕事は性に合わねえ、汗水たらして土まみれなんて真っ平だ、なんてぬかしやがって。」
 
ということで、日本人が、農耕を長い間主たる産業にして栄え、農耕を厭わないことが日本人の特性の一つとなったわけですね。漁業も然り。残念ながらワタシは、釣りは致しません。釣り糸を垂れてあなた任せで食いつくまで、じっと水面を見つめるなんてことが性に合わないのか。殺生もあまりしたくないです。
 草を毟る時は「無念無想」にはなりません。あれこれ他のことを考えつつ、というのがちょうどよろしい。何よりも、人と口をきかずに、作業に没頭できるというのが実は、多くの園芸を趣味とする人たちの隠れた目的だったりするのです。世間のあらかたが、毎日誰かに指図されたり命令されたり何かに自身の行動を束縛されたりする人生を送ります。年取って年金暮らしや田舎のスローライフになって初めて、様々な呪縛から解き放たれるのです。今、世界で誰一人ワタシの一日に介入する人物はいません。気を遣うのはカミさんとわんこのスミレだけ。
 さて、そろそろ草取りに戻りますかな
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ネーミングはやはり大切です

2019年02月24日 | 植物
 ガンコウラン(岩高蘭)を一鉢買いました。高山植物の仲間で、今はツツジ科に編入されている、とありますね。どうみても蘭の仲間には見えず、エリカ属やコニファーに近いです。過湿と夏の暑さに弱いでしょう。匍匐性が強く大きくならないので半日蔭の花壇なんかが良さそうですが、例によってとりあえず鉢植えにします。一年中沢山の鉢をあっちやコッチに移動させるのが面白いのです。蘭と名の付くものに弱いワタシとしては、見慣れない植物で「ラン」と名前がついていると反射的に買ってしまいます。そもそも植物は、外見的特徴を主体に分類されるのだそうです。葉脈の形状、花の特徴、根の張り方等々。ランはおおまかには、単子葉植物なのでまっすぐで平行な葉脈、花にリップがある、ひげ根がない、などの要件を満たすことで定義されるのですが、命名は別物。発見者が、好き勝手に名づけるのが一般的ですから「ラン」だと思えば蘭と名付けちゃう。君子蘭やオリズルラン、ヤブランなどはみんな蘭ではありません。ワタシは、ランだと信じて相当余計な買い物をしましたよ。ランは英語でオーキッド、これはどうもギリシア語で睾丸を意味する「orchis」から来ているそうです。洋ランによく見かける株本の根茎(バルブ)が似ているからだそう。日本語では「ふぐり」、何の罪もない「イヌノフグリ」がかわいそうな気がしますな。そういえば、今盛りの花の一つが「ボケ」、これも無いでしょう。別名「放春花」も微妙な感じです。これだけ存在感があり一般的に愛好される植物なのですから、も少し気の利いた名前を付けてあげて下さい。
 このブログの名前である「槐」はエンジュと呼びまして、マメ科の落葉高木樹です。ちなみに数あるワタシの栽培植物には含まれません。槐は、その字から魔除けにいいとか、木材として高級とかで珍重され、「延寿」と当て字されて縁起がいい樹木と、特に中国では人気があります。ですが、、、、「マメ科」なのです!。ミモザアカシア、藤、ネムノキ、エニシダ等々、これらは生育が早く、あっという間に根も幹も伸びていきます。中国あたりの広大な土地の中ではどうともないですが、ワタシらの狭小ガーデンではとても育てられるものではありません。ミモザアカシアを地植えしたら、一年で2M以上の高さになり、花をいっぱいつけたにはいいのですが、木下に無数の新芽が吹きました。落ちた種子がどんどん発芽したわけです。2季咲の藤(矮小種)も用心して鉢に植えたところ、鉢底を突き抜けて。、根が地面にもぐるは、ツルは周りの鉢植えに絡みつくはで、惜しみ惜しみ処分しました。エニシダも同様、横にも上にも成長して大木化します。かろうじて「オジギソウ、キングサリ、四季咲きネムノキ、アカシア」を鉢で育ててます。マメ科の樹木は黄花が多いですね。気が付くとワタシの庭には黄色い花がたくさんあります。その訳はまた別の機会に。
 そういうわけで槐は、育てる代わりに、ブログに漢字を入れることにしました。実はわたくし、書道の趣味もありまして、3年前から本格的に教室に通って練習に励んでいるのです。書を始めると「篆刻」を学ぶことになります。作品に押されているあのハンコですな。それで骨董市で、硯などの書道用品を見つけると買ったりしているときに、この槐の文字を刻んだ篆刻を見つけたのですね。松は私の名前からとって「槐松亭」安直なネーミングではありましたが、ネット上で同名のものがヒットしないので、悪くはないでしょう。
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