日曜日の午後、汐留にある日仏文化会館の小さな会場に40人程の聴衆を集めて開催されたリサイタルである。集まったのは日頃からこの二人を熱心に聴いているという感じの聴衆で、演奏者達による曲目解説を挟みながら和やかに進められた。とは言え選曲は本格的なもので、決して”休日午後のサロンコンサート”などというものではない。スターターは珍しいヨアヒム・ラフの作品で、「6つの小品」からMarchia, Cavatina, Tarantellaの三曲。これは緩急緩でまるでソナタのように聞けた。そして続いてブラームスのバイオリン・ソナタNo.1「雨の歌」。伸々と大らかに歌う鈴木のバイオリンを福原がしっかりと支え、その呼応が音楽を更なる高みに押し上げてゆくような中々の熱演で、もうここまでで終わってしまっても良いような、何とも充実感溢れる演奏だった。ここで15分の休憩だったが、余りもの熱演でもう少し時間が欲しいということになって、少し遅れて開始された後半だが、配布されたプログラムではフランクのバイオリン・ソナタということになっていたが、耳慣れない曲で始まった。これはフランクがこのソナタを捧げたイザイが作曲した「子供の夢」というう美しい佳作。なかなか洒落たことをするなと感心した。そしてフランクのソナタでも美しいアマティの響きとそれに絡む心のこもったピアノが息の合った熱い音楽を紡いだ。この時期ちょっと反則のブラーボも混じった大きな拍手に、シューマンの「献呈」のアンコールでお開きとなった。
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