名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【英雄夢語り】"Heroes"(1977) - David Bowie

2025-02-05 12:28:53 | ・1970年代(洋楽)
イギリスのミュージシャン、デヴィッド・ボウイの11thアルバム。

ジャンル:ロック/アート・ロック
オススメ度:★★★★★

前作『Low』に続くベルリン3部作の2作目であり、前半はヴォーカルもの、後半がインストゥルメンタルという構成になっています。
『Low』に引き続きブライアン・イーノが録音に参加し、エレクトロニックなアプローチが取られていますが前作より情熱的でロック要素が強く出た作風となっています。

ハイライトはオープニングを飾る「Beauty and the Beast」、パワフルなイントロから始まる「Joe the Lion」、クラウトロックからインスピレーションを受けた「V-2 Schneider」、アルバムの最後を飾る「The Secret Life of Arabia」など。
トラック3の「"Heroes"」は特筆すべき楽曲であり、ベルリンの壁で落ち合う恋人達に着想を得て作られた楽曲となっています。ダイナミックでドラマティックな歌詞と曲構成により、デヴィッド・ボウイの最高傑作と呼ばれるほど人気の高い楽曲となっています。

【トラックリスト】
1. Beauty and the Beast
2. Joe the Lion
3. "Heroes"
4. Sons of the Silent Age
5. Blackout
6. V-2 Schneider
7. Sense of Doubt
8. Moss Garden
9. Neuköln
10. The Secret Life of Arabia

"Heroes"


【和訳】
僕は王になるだろう
そして君は女王になる
誰も奴らを追い払えないけれど
僕らは1日だけなら打ち負かせられる
僕らは1日だけならヒーローになれる

そして君は意地悪になれるし
僕は1日中酔っ払いになれる
だって僕らは恋人同士で、それは本当のことだから
僕らは恋人同士、それだけのことさ

僕らを繋ぎ止めるものは何もないけれど
1日だけなら時間を盗むことができる
僕らは永遠にヒーローになることができる

君はどう思う?

君が泳げたらいいのに
イルカが泳ぐように
僕らを繋ぎ止めるものは何もないけれど
奴らを打ち負かすことができる、永遠に
僕らは1日だけならヒーローになれる

僕は王になるだろう
そして君は女王になる
誰も奴らを追い払えないけれど
僕らは1日だけならヒーローになれる
1日だけなら僕らのままでいられる

覚えているんだ
壁の側に立って
僕らの頭上を銃弾が飛び交う
そして僕らは口づけをした、崩れていくものが何もないかのように
恥ずかしいのは、反対側にいる奴らのほう
僕らは打ち負かすことができる、永遠に
そう、僕らは1日だけならヒーローになれる

僕らはヒーローになれる
1日だけなら
僕らはヒーローになれる

僕らは何も持っていないし、誰も僕らを助けてはくれない
もし僕らが嘘をついているなら、そこにいない方がいいかもしれない
でも、僕らは1日だけなら安全でいられる


【月影の騎士】Selling England by the Pound(1973) - Genesis

2024-12-30 19:13:26 | ・1970年代(洋楽)
イギリスのプログレバンド、ジェネシスの5thアルバム。『月影の騎士』という邦題が付いていることでも有名な作品です。

ジャンル:プログレッシブ・ロック
オススメ度:★★★★★

ジェネシスはピーター・ガブリエルを中心として結成されたバンドであり、1970年にフィル・コリンズ(ドラム)とスティーブ・ハケット(ギター)が加入することによりプログレバンドとしての地位と名誉を獲得することになります。

作風は叙情的でストーリー性の強い楽曲が特徴であり、ジェネシスというバンドの最大の魅力。また、ライブにおけるピーター・ガブリエルの演劇的なパフォーマンスも人気の一つでした。

ハイライトはオープニングを飾る「Dancing with the Moonlit Knight」、シングルヒットした「Know What I Like (In Your Wardrobe)」、イントロのピアノが印象的な「Firth of Fifth」、アルバムB面のメインである「The Cinema Show」などです。

『Selling England by the Pound』はジェネシスの傑作と呼ばれる作品の中でもバランスが良くて聴きやすい作品です。
『Foxtrot』は20分超えの大曲「Supper's Ready」のインパクトが強すぎますし、彼らの最高傑作と呼ばれる『The Lamb Lies Down On Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)』はロック・オペラ要素が強く長大かつ難解であり、かなりとっつきにくい内容となっています。

【トラックリスト】
1. Dancing with the Moonlit Knight
2. Know What I Like (In Your Wardrobe)
3. Firth of Fifth
4. More Fool Me
5. The Battle of Epping Forest
6. After the Ordeal
7. The Cinema Show
8. Aisle of Plenty

Dancing with the Moonlit Knight


【和訳】
"私の祖国はどこにあるのだろうか"
ただ一人の牧神は愛する人の眼を見て言った
"それは私と共にあるの!"
曖昧な女王はそう叫んだ
彼女の売り物の為に、彼は賞与を交換した

"最新の新聞だ!"
群衆の中で一人が叫んだ
"老人が死んだ!"
彼が残したメモにはテムズ爺さんと署名されていた
どうやら溺れてしまったようだ
ポンドを使ってイングランドを売る

希望と栄光の国民たち
時は過ぎ去り、今こそあなたの時代だ

落ち着いて、座るんだ
ウィンピーの夢を噛み締めながら
音もなく食べる
ポンドでイングランドを消化する

若者は言う"食べるものでどんな人間か分かる"
いいものを食べることだ
老人は言う"着るものでどんな人間か分かる"
いいものを着なさい
自分の身をわきまえながら、気にしない
自家製のベルトが切れる

隊長は一晩中踊り交わす
ダンスに参加するんだ
私に続くんだ、聖杯の太陽が地に落ちるまで
私に続くんだ、手持ちの金が無くなってしまうまで
月影の騎士と踊るんだ
緑の盾の騎士たちは、踏み鳴らし叫ぶ

酒場の外には太った老婦人がいる
クレジットカードを並べて、幸運を占う
カードの山札は最初から不均等で
全てが手から離れ遊んでいる

隊長は一晩中踊り交わす
ダンスに参加するんだ
私に続くんだ、円卓会議が始まっている
あなたが演じる場面だ
さあ、始めよう あなたは木馬を演じ
私は道化師を演じよう
雄牛をからかい
うるさく歩き回る
私に続くのだ、世界の捻じれをもって
私に続くのだ、すっからんかんになるまで
月影の騎士と踊るんだ
緑の盾の騎士たちは、踏み鳴らし叫ぶ

※ウィンピー(Wimpy)とは南アフリカ共和国に本社を置くハンバーガーチェーン店であり、南アフリカ共和国やイギリスで店舗を展開する。


【音楽アルバム紹介】Pink Moon(1972) - Nick Drake

2024-11-25 15:22:08 | ・1970年代(洋楽)
イギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイクの3rdアルバムにして最後の作品。

ジャンル:フォーク
オススメ度:★★★★★👑(一切の装飾が排除された楽曲と剥き出しの感情が聴くものを揺さぶる名盤)

ニック・ドレイクはビルマ生まれのイギリスのシンガーソングライター。アコースティックギターとピアノを使用した美しいフォークロックが特徴。
1stアルバム、2ndアルバムのどちらも批評家からの評価は高かったが商業的には成功せず、この自分の音楽がリスナーに届かないという失望が彼を追い詰めることになります。

この頃から彼は精神科医にかかり抗うつ剤を飲むようになります。そんな状況ながら作曲は続け、エンジニアのジョン・ウッドの支援のもとレコーディングを終了させます。このレコーディングをデモテープかと思ったジョンがどのようにアレンジして欲しいかニックに問うと、"アレンジはいらない。装飾はいらない"と答えこのアルバムが誕生することになります。

楽曲はアコースティックギター/ピアノとニックの歌だけという非常にシンプルなもの。しかし、うつ病に苦しんだ彼の苦悩や憂鬱が歌と詩に現れており、それが美しく流麗なギターと合わさってなんとも言えない切なさ、儚さ、悲しみを醸し出しています。そして不遇の天才が秘めていた鬼気迫る感情を感じ取る事ができます。

ピンクムーン発表後、ニックは精神病院に入院します。退院することはできたものの、曲が書けないことに苦しみ続けます。
そして1974年11月25日、抗うつ剤の過剰摂取で死去しています。26歳という若さでした。

【トラックリスト】
1. Pink Moon
2. Place to Be
3. Road
4. Which Will
5. Horn
6. Things Behind the Sun
1. Know
2. Parasite
3. Free Ride
4. Harvest Breed
5. From the Morning

Pink Moon


【和訳】
そこには書かれていた
ピンク色の月が近づいていると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
ああ、ピンク色の月が

そこに書かれていたんだ
ピンク色の月が昇ると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
そう、ピンク色の月が



【音楽アルバム紹介】On the Beach(1974) - Neil Young

2024-08-09 16:18:00 | ・1970年代(洋楽)
カナダのシンガーソングライター、ニール・ヤングの5thアルバム。
有名な邦題『渚にて』と名付けられている作品。

ジャンル:ロック/ブルース・ロック
オススメ度:★★★★★

前作『Harvest』の大ヒットによってミュージックビジネスの中に放り込まれたニール・ヤング。
真面目で偏屈的なニール・ヤングは大勢の観客の前で歌うことが、まるで自分の歌がビジネスのようでありとても苦痛に感じていました。
この時期はニール・ヤングは小さなクラブで演奏することを望んでおり、お客さんの顔が見える場所でお客さんのために歌うことを望んでいました。特に大きなコンサートで音楽ビジネスを批判する歌を歌うことは、相当彼にとって苦痛であったと思います。

それでも大きなコンサートで歌い続けるうちに心情の変化があったのでしょう。ロックとビジネスの狭間で葛藤しつつも、自己の感情を隠さずに歌うことを受け入れ新しく踏み出そうとしている彼の姿を『On the Beach』で見ることができます。

全曲味わい深いですが"歩いて行け"と前向きに歌う「Walk On」、革命気分を批判する「Revolution Blues」、音楽業界を批判するカントリー調の「For the Turnstiles」、ニール・ヤングの孤独が歌われた「On the Beach」、シニカルだけど前向きな気持ちも歌われた「Motion Pictures」と「Ambulance Blues」などがハイライトです。

総評としてニール・ヤングの孤独や憂鬱を表現しつつも、自己の再生を込めて放った名盤であると言えます。

【トラックリスト】
1 Walk On
2 See the Sky About to Rain
3 Revolution Blues
4 For the Turnstiles
5 Vampire Blues
6 On the Beach
7 Motion Pictures
8 Ambulance Blues

On the Beach


【和訳】
世の中は回っているけど
俺は背を向けたくはないんだ
世の中は回っているけど
俺は背を向けたくはないんだ
昨日壁にかけた
写真が全部落ちている
世の中は回っているけど
俺は背を向けたくはないんだ

俺には大勢の人たち(観客)が必要だけど、毎日顔をあわせることはできないんだ
俺には大勢の人たち(観客)が必要だけど、毎日顔をあわせることはできないんだ
俺の悩みなんて無意味だけど
それでもどこかに行って去ってくれない
大勢の人たち(観客)が必要だけど、毎日顔をあわせることはできない

ラジオのインタビューに行ったけど
結局、マイクの前にひとりになってしまった
ラジオのインタビューに行ったけど
結局、マイクの前にひとりになってしまった
今、海岸で暮らしているけど
カモメは未だに手の届かないところにいる
ラジオのインタビューに行ったけど
結局、マイクの前にひとりになってしまった

町から出る
町から出ようと思う
町から出る
町から出ようと思う

友人と一緒に俺のバスの操縦桿に向かう
道なりに進む、どこで終わるか分からないけど
町から出る、町から出る
町から出ようと思う
なぜなら世の中は回っているから
そして俺は背を向けたくはないから

【音楽アルバム紹介】Parallel Lines(1978) - Blondie

2024-06-30 22:48:05 | ・1970年代(洋楽)
アメリカのロックバンド、ブロンディの3rdアルバム。

ブロンディはヴォーカルを務めるデボラ・ハリーが在籍するニューウェイヴを代表するバンドの一つ。

本作はグラムロックに造詣の深いマイク・チャップマンをプロデューサーに迎えて作成された作品。
マイクの見事な手腕により、ブロンディが狙っていたダンスミュージック+ロックンロールを更に押し進め、そこにキャッチーなポップサウンドを融合させることに成功。

デボラ・ハリーのハリウッド女優さながらのヴィジュアルとキュートなヴォーカルがグラム/ディスコ風のポップサウンドにマッチしており、イギリスで1位、本国アメリカでも6位となる大ヒットを記録することになります。
また、モダン風のジャケットも印象的でブロンディのイメージを決定づけることになりました。

大ヒットに導いた強力なシングル「Heart of Glass」がなんと言っても素晴らしいですが、「Hanging on the Telephone」、「Picture This」、「Will Anything Happen?」、「Sunday Girl」も魅力的であり、時折無性に聴きたくなる魔力を秘めています。

総評としてニューウェイヴの傑作としての側面も持ちつつ、良質なポップ・ロックアルバムとしても評価される本作は時代を超えて聴き継がれる名盤であると言えます。

【トラックリスト】
1. Hanging on the Telephone
2. One Way or Another
3. Picture This
4. Fade Away and Radiate
5. Pretty Baby
6. I Know but I Don't Know
7. 11:59
8. Will Anything Happen?
9. Sunday Girl
10. Heart of Glass
11. I'm Gonna Love You Too
12. Just Go Away


Hanging on the Telephone



Heart of Glass