ハイライトはオープニングを飾る「Dancing with the Moonlit Knight」、シングルヒットした「Know What I Like (In Your Wardrobe)」、イントロのピアノが印象的な「Firth of Fifth」、アルバムB面のメインである「The Cinema Show」などです。
『Selling England by the Pound』はジェネシスの傑作と呼ばれる作品の中でもバランスが良くて聴きやすい作品です。
『Foxtrot』は20分超えの大曲「Supper's Ready」のインパクトが強すぎますし、彼らの最高傑作と呼ばれる『The Lamb Lies Down On Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)』はロック・オペラ要素が強く長大かつ難解であり、かなりとっつきにくい内容となっています。
それでも大きなコンサートで歌い続けるうちに心情の変化があったのでしょう。ロックとビジネスの狭間で葛藤しつつも、自己の感情を隠さずに歌うことを受け入れ新しく踏み出そうとしている彼の姿を『On the Beach』で見ることができます。
全曲味わい深いですが"歩いて行け"と前向きに歌う「Walk On」、革命気分を批判する「Revolution Blues」、音楽業界を批判するカントリー調の「For the Turnstiles」、ニール・ヤングの孤独が歌われた「On the Beach」、シニカルだけど前向きな気持ちも歌われた「Motion Pictures」と「Ambulance Blues」などがハイライトです。