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名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【飛行船襲来】Led Zeppelin(1969) - Led Zeppelin

2025-04-12 14:38:07 | ・1960年代(洋楽)
イギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリンの記念すべき1stアルバム。

ジャンル:ハード・ロック/ブルース・ロック
オススメ度:★★★★★

レッド・ツェッペリンのメンバーは以下の通り。
ロバート・プラント(ボーカル)
ジミー・ペイジ(ギター)
ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース、キーボード)
ジョン・ボーナム(ドラムス)

ヤードバーズにただ一人残ったジミー・ペイジがスカンジナビアツアーの契約を果たすために、ベテランのジョン・ポール・ジョーンズと当時無名のロバート・プラントとジョン・ボーナムをメンバーに加えてスタート。

本作はわずか36時間という短時間でレコーディングされ、ペイジとマネージャーが費用を負担したことからレコード会社の干渉を受けず自由に作成されました。
それにより、ブルースを基調としつつもハードなサウンドが鳴り響く革新的なロックを生み出すことに成功。また、ペイジの実験精神が発揮されトラック4の「Dazed and Confused」は特徴的なエコーがかけられているなど、その好例となっています。

当時は純粋なブルース主義が強く、ツェッペリンのサウンドは批評家に酷評されたものの、現在でも愛され続け、後世に与えた影響が多大であることから、当時の評価は時代的な背景が大きかったと言えるでしょう。

ハイライトはオープニングを飾る「Good Times Bad Times」、ペイジのルーツであるブルースが色濃く反映されたマディ・ウォーターズのカバー「You Shook Me」、"幻惑されて"という有名な邦題が付いた名曲「Dazed and Confused」、シンプルでインパクトの強い「Communication Breakdown」、約8分半に及ぶ組曲風の「How Many More Times」です。

アルバムジャケットの飛行船はツェッペリン飛行船ヒンデンブルク号の爆発事故の写真を点描したものとなっています。今の常識だったら事故現場をアルバムジャケットにすることは不謹慎ですが、このツェッペリン飛行船がバンドの象徴となり、いくつかのアルバムジャケットに登場することになります。

【トラックリスト】
1 Good Times Bad Times
2 Babe I'm Gonna Leave You
3 You Shook Me
4 Dazed and Confused
5 Your Time Is Gonna Come
6 Black Mountain Side
7 Communication Breakdown
8 I Can't Quit You Baby
9 How Many More Times

Good Times Bad Times



Dazed and Confused



【クリムゾン・キングの宮殿】In The Court Of The Crimson King(1969) - King Crimson

2024-12-28 15:23:52 | ・1960年代(洋楽)
イギリスのプログレバンド、キング・クリムゾンの記念すべき1stアルバム。

ジャンル:プログレッシブ・ロック/ジャズ・ロック
オススメ度:★★★★★👑(プログレッシブ・ロックを代表する名盤)

キング・クリムゾンはロバート・フィリップを主宰として活動するバンドであり、求める音楽に合わせて次々とメンバーを入れ替えていることが特徴。そのため音楽性も多様となっています。

本作はプログレ期を代表するアルバムであり、従来のロックにジャズやクラシック要素を取り入れた複雑で奥深いサウンドに仕上がっています。

プログレッシブ・ロックの幕開けを告げる「21st Century Schizoid Man」、フルートの音色が心地よい「I Talk To The Wind」、"Confusion will be my epitaph(混乱こそ我が墓碑銘となるだろう)"の一節が有名な「Epitaph」、本作中で最も甘くメロウな名曲「Moonchild」、アルバムの最後を締めくくる壮大な「The Court of the Crimson King」と一曲でも欠けたらこの名作は成り立たないと思わせるレベルです。

総評として知的・美麗であり、かつ刺激的な本作はロック史に残る永遠の名盤です。

【トラックリスト】
1. 21st Century Schizoid Man (including "Mirrors")
2. I Talk To The Wind
3. Epitaph (including "March for No Reason" and "Tomorrow and Tomorrow")
4. Moonchild (including "The Dream" and "The Illusion")
5. The Court of the Crimson King (including "The Return of the Fire Witch" and "The Dance of the Puppets")

21st Century Schizoid Man
戦争を続ける政治家などの権力者を皮肉るような歌詞となっており、ディストーションがかかったヴォーカルが非常に効果的。イントロの特徴的なフレーズは一度聴いたら忘れられません。


【和訳】
猫の足、鉄の爪
脳神経外科医はさらに叫ぶ
パラノイア(偏執狂)の危険な扉にて
21世紀の精神異常者

血塗られた拷問台、有刺鉄線
政治家の葬儀のための火葬場
ナパーム弾の炎で無実の人々が犯される
21世紀の精神異常者

死の種、無知な男の強欲
詩人は飢えて、子供たちは血を流す
彼が本当に必要なものは何一つ得られない
21世紀の精神異常者


【音楽アルバム紹介】John Wesley Harding(1967) - Bob Dylan

2024-08-10 20:38:37 | ・1960年代(洋楽)
アメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディランの8枚目のオリジナルアルバム。

ジャンル:ロック/フォーク・ロック
オススメ度:★★★★★

ディランがモーターサイクル事故で重傷を負って以来、約1年半ぶりに発表したアルバム。
『Highway 61 Revisited』や『Blonde on Blonde』と比べると、ギターとハーモニカが主体の落ち着いた作風に仕上がっています。

歌詞には貧者、聖職者、道化師、浮浪者、移民など自由の効かない暮らしをしている者が頻繁に登場し、療養中のディランの心情が反映されていると思われる箇所が多数。

ハイライトはタイトル曲「John Wesley Harding」、明るい曲調とは裏腹に奴隷の女性が登場する「As I Went Out One Morning」、ハーモニカが悲しく鳴り響く「I Dreamed I Saw St. Augustine」、本作の最ハイライトとなる人気曲「All Along the Watchtower」、ストーリー調で進む「The Ballad of Frankie Lee and Judas Priest」、浮浪者と裁判官のやり取りが歌詞となっている「Drifter's Escape」、地主に懇願する民の訴えが題材の「Dear Landlord」など。
トラック11と12はそれまでと打って変わって個人的なラブソングであり、次作『Nashville Skyline』を予感させる曲となっています。

アルバムタイトルの『ジョン・ウェズリー・ハーディング』とは実在の凶悪殺人犯「J.W.ハーディン」から取ったとされています。また、アメリカ史上最低と評される第29代大統領「ウォーレン・G・ハーディング」から取ったという見方も存在し、殺人犯と大統領をごちゃ混ぜにして暗喩的に政府を批判しているという考察も存在します。
この考察に従うとタイトル曲の「John Wesley Harding」中の歌詞"ジョン・ウェズリー・ハーディングは貧しい物の友人"、"電報は彼の名前で響き渡ったが、彼は何の罪にも問われなかった"という歌詞も全く別の意味に見えてきます。

総評として穏やかな曲調とは裏腹に物騒なタイトル、弱者目線で描かれた不穏な歌詞などディランの作品の中でも意味深な作品の一つであり、死ぬ前には絶対に聴いておきたい名盤です。

【トラックリスト】
1. John Wesley Harding
2. As I Went Out One Morning
3. I Dreamed I Saw St. Augustine
4. All Along the Watchtower
5. The Ballad of Frankie Lee and Judas Priest
6. Drifter's Escape
7. Dear Landlord
8. I Am a Lonesome Hobo
9. I Pity the Poor Immigrant
10. The Wicked Messenger
11. Down Along the Cove
12. I'll Be Your Baby Tonight

All Along the Watchtower
邦題で「見張り塔からずっと」というタイトルが付いているディランの人気曲。


【和訳】
「ここから抜け出す方法があるはずだ」
道化師は盗人に言った
「ここはひどく混乱していて
休む暇もない
経営者はおれのワインを飲み
農民はおれの土地を耕す
その価値を知ってる奴なんていつだってひとりもいない」

「そんなに興奮しなくてもいいさ」
盗人は親切に言った
「ここにいる多くの奴らは
人生なんてジョークだと思っている
でもおれとお前はそんな考えは卒業したし
これはおれたちの運命じゃない
デタラメなことを話すのはよそう、夜も更けてきた」

見張り塔からずっと、王子たちは見ていた
女たちと裸足の召使い達が行ったり来たりしているところを

遠くのほうでヤマネコが唸り、
二人の馬乗りが近づいてきたとき、風が唸り声をあげ始めた


【余談】
「All Along the Watchtower」はジミ・ヘンドリックスによるカヴァーが有名であり、ライブではこれに近い形で演奏されることもあるほど。

"All Along the Watchtower"at the Concert for the Rock & Roll Hall of Fame in 1995



【音楽アルバム紹介】Astral Weeks(1968) - Van Morrison

2024-08-06 13:02:15 | ・1960年代(洋楽)
アイルランドのシンガーソングライター、ヴァン・モリソンの2ndアルバム。
非常に美しく、神秘的な輝きを放つ傑作。

ジャンル:フォーク・ロック
オススメ度:★★★★★👑(極めて芸術性の高い作品)

『アストラル・ウィークス』が発表されたとき、ヴァン・モリソンは23歳でした。彼が在籍していたロックバンド『ゼム』は解散しており、バート・バーンズが設立したバングにヴァンは所属することになります。しかし、バート・バーンズの死によりヴァンはワーナー・ブラザースに移籍して本作のレコーディングを開始することになります。

ジャズ畑で育った腕利きのミュージシャンとフルート/ソプラノサックス奏者のジョン・ベインを迎い入れレコーディングされた本作はたった2日間で録音されました。

ヴァンが奏でるアコースティックギターとヴォーカルにぴったり呼応するかのように即興的に演奏され、ジャズ的な要素を併せ持つ唯一無二の作風に仕上がっています。
また歌詞も内省的なものが多く、ゼムの解散、バート・バーンズの死、ワーナーへの移籍などが重なった結果、不安を感じつつもどこか達観したような雰囲気も持っており、『アストラル・ウィークス』のサウンドに見事にマッチしています。

全曲名曲ですがオープニングを飾る名曲「Astral Weeks」、ヴァンのギターと歌を堪能できる「Sweet Thing」、彼の心情を吐露したような「Ballerina」、アルバムの最後を飾る切ない「Slim Slow Slider」なとは必聴。

ちなみにヴァン・モリソン本人は後年『アストラル・ウィークス』について次のように語っています。
"ロックという音楽から抜け出したかった。だからロックとは異なるフィーリングを持った歌がたくさん入ったアルバムを作りたいと思った。完成したアルバムはロックから離れることができたが、評論家やリスナーは「これぞロック・アルバムだ」と騒ぎ立てた。僕はロックから離れたかったのにね。"

総評として神秘的で美しく、聴くものの感情を揺さぶる本作は間違いなくロック史に残る大名盤であると言えます。

【トラックリスト】
1. Astral Weeks
2. Beside You
3. Sweet Thing
4. Cyprus Avenue
5. The Way Young Lovers Do
6. Madame George
7. Ballerina
8. Slim Slow Slider


Astral Weeks



【和訳】
もし僕が後流に飛び込んでみたなら
君の夢の高架橋の間を
動かない鋼鉄の車輪がひび割れている場所
裏道の行き止まりとなる溝に

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる

海のずっと向こう側から
僕が車輪を動かし始めたら
腕を後ろにまわし立ちながら
ドアを押したなら

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる

ほらね君は
貪欲そうに見つめて立ったまま
レッドベリーに話しかけている
壁に掛けられた写真を見せて
廊下で囁いたり
そして僕を指差す
ほらね君は、そう君は
太陽の光の中に立っていて
腕を後ろにまわして
目の前で
ほら君は
君の男を世話している
彼が洗濯した服を着て
彼が用意した小さな赤い靴を履いて
彼が洗濯した服を着ているなんて僕はわかるさ
小さな赤い靴を履いていることも
僕を指差している
そうさ、君の悲しい拘束に耐えながら
僕は最善を尽くしている
君の正面に立ちなから
僕は持ちこたえている

もし僕が後流に飛び込んでみたなら
君の夢の高架橋の間を
動かない鋼鉄の車輪がひび割れている場所
裏道の行き止まりとなる溝に

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる
生まれ変わる、生まれ変わる

別の世界で
別の世界で、別の時代で
故郷は遥か高く
見知らぬ人しかいないこの世界で
僕はこの世界で余所者
故郷は遥か高く
遥か遠い別の地で
天国に昇る

別の時代に、別の場所で
別の時代に、別の場所で
天国に昇る
別の時代と別の場所で
別の時代と別の場所で
そして別の顔で


【音楽アルバム紹介】Kick Out the Jams(1969) - MC5

2024-06-13 18:28:59 | ・1960年代(洋楽)
アメリカデトロイト出身のロックバンド、MC5の1stアルバムでありライブアルバム。

MC5のメンバーは以下の通り。
ロブ・タイナー - ヴォーカル
ウェイン・クレイマー − リードギター
フレッド・ソニック・スミス - リズムギター
マイケル・デイヴィス - ベース
デニス・マシンガン・トンプソン - ドラム

MC5は歪んだ大音量のギターと過激なパフォーマンスが特徴のバンドであり、今日ではパンクの先駆者と評されているバンドです。

本作はMC5の1stアルバムでありライブアルバムにもなっている内容。破壊的なギターの音にハイテンションなヴォーカルが特徴ですが、Ramblin' RoseやKick Out the Jamsのようにフックが効いたギターリフも魅力です。

オープニングを飾る「Ramblin' Rose」、Mother F*ckerで始まる「Kick Out the Jams」、トラック2からそのまま続く「Come Together」、パンクロックな「Rocket Reducer No. 62 (Rama Lama Fa Fa Fa)」などがハイライトです。

ちなみにタイトルのKick Out the Jamsとはステージ上で演奏(ジャム)しているバンドに対して、「さっさと演奏をやめろ(ジャムを蹴り出す)」と習慣的に言っていたことが由来となっています。

ストゥージズと並びプロトパンクの重要なバンドとして語られることが多いですが、大音量で聴いて純粋に音の洪水を楽しむのも一興です。

【トラックリスト】
1. Ramblin' Rose
2. Kick Out the Jams
3. Come Together
4. Rocket Reducer No. 62 (Rama Lama Fa Fa Fa)
5. Borderline
6. Motor City Is Burning
7. I Want You Right Now
8. Starship


Kick Out the Jams(1970Live)