名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【自由で新しいロック宣言】Remain in Light(1980) - Talking Heads

2025-02-20 21:41:32 | ・1980年代(洋楽)
デヴィッド・バーン率いるアメリカのロックバンド、トーキング・ヘッズの4thアルバム。ブライアン・イーノがプロデュースに携わっています。

ジャンル:ニューウェイヴ
オススメ度:★★★★★👑(ロックの表現を広げた名盤)

本作はアフロビートからの影響を受け、ポリリズムとファンクをロックと融合させた革新的な作品として扱われることが多い作品となっています。
繰り返されるリズムにロック的なアプローチが合わさって得体のしれない高揚感を感じることができます。

ハイライトはオープニングを飾るBorn Under Punches (The Heat Goes on)、バックでひたすら同じリズムが繰り返される「Crosseyed and Painless」、やたら性急なリズムとヴォーカルが繰り返される「The Great Curve」、エレクトロサウンドが印象的な名曲「Once in a Lifetime」、妖しいリズムにスポークンワードが合わさっような「Seen and Not Seen」、アルバムの最後を飾るダークなニューヨークパンク「The Overload」など。

ロックにファンクやアフロビートを取り入れた作品ですが、『Remain in Light』のサウンドの実態は極めて多角的でありサイケデリック、アヴァンギャルド、エレクトロ、ダンスロック、ポスト・パンクなど様々な要素が組み合わさっています。

総評として当時主流であったプログレ、ハード・ロック、パンクロックなどの思想からロックを解き放ち、ロックを新たなステージに到達させた重要な作品と言えます。

【トラックリスト】
1. Born Under Punches (The Heat Goes on)
2. Crosseyed and Painless
3. The Great Curve
4. Once in a Lifetime
5. House in Motion
6. Seen and Not Seen
7. Listening Wind
8. The Overload

Born Under Punches (The Heat Goes on)



Once in a Lifetime
タイトルは一度きりの人生という意味であり、人生を水が流れに沿って流れてゆく様子に例えた歌詞となっています。


【和訳】
あなたは気づくかもしれない、自分がショットガンハウスに住んでいることに
あなたは気づくかもしれない、自分が世界の一部であることを
あなたは気づくかもしれない、自分が大型車のハンドルを握っていることに
あなたは気づくかもしれない、素晴らしい家と美しい妻を持っていることに
そしてあなたは自分に尋ねる、「えっと、どうやって此処に来たんだろう?」

月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
お金が無くなってしまったら、また青色に
人生は一度きり、地下を水が流れている

あなたは自分に問いかけるかもしれない、「どうやって働けばいいんだっけ」
あなたは自分に問いかけるかもしれない、「あの大きな自動車はどこにあるんだろう?」
あなたは自分に言い聞かせるかもしれない、「この美しい家は自分のものではない」
あなたは自分に言い聞かせるかもしれない、「この美しい女は自分の妻でない」

月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
お金が無くなってしまったら、また青の中に
人生は一度きり、地下を水が流れている

これまでと同じ、これまでと同じ

水が溶け出し、取り除かれていく
海底には水がある
水の下でも水が運ばれている
海底から水を取り除く
水が溶け出し、取り除かれていく

月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
再び青の中へ、静かな水の中へ
岩や石の下には地下水がある
月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
お金が無くなってしまったら、また青の中に
人生は一度きり、地下を水が流れている

あなたは自分に尋ねるかもしれない、「あの素晴らしい家は何だろう?」
あなたは自分に尋ねるかもしれない、「あの高速道路はどこにつながっているのだろう?」
あなたは自分に問いかけるかもしれない、「自分は正しいのか、間違っているのか」
あなたは自分に言うかもしれない、「神様、自分は何をしてたんだ?」

月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
再び青の中へ、静かな水の中へ
月日が流れてゆく、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく、地下を水が流れている
お金が無くなってしまったら、また青の中に
人生は一度きり、地下を水が流れている

これまでと同じ、これまでと同じ
これまでと同じ、自分の手がどこにあったか見るんだ
時間は遅れることはない、時間が追いかけてくることはない
これまでと同じ、これまでと同じ
これまでと同じ、これまでと同じ
これまでと同じ、これまでと同じ
竜巻がくる、竜巻がくる
今までと同じ、これまでと同じ
今までと同じ、これまでと同じ
一度きりの人生、水の流れに身を任せよう
月日が流れてゆく




【音楽アルバム紹介】Dare(1981) - The Human League

2024-06-29 07:28:43 | ・1980年代(洋楽)
イギリスのニューウェイヴバンド、ヒューマン・リーグの3rdアルバム。

ヒューマン・リーグはシンセサイザーとシーケンサーを活用したシンセポップを代表するバンドの一つ。
この作品は創設メンバーであるイアン・クレイグ・マーシュとマーティン・ウェアの二人が脱退した後、残されたヴォーカルのフィリップ・オーキーが主体となって作成された作品。

フィリップが主体となったことにより、これまでの実験的な作風から"歌"を押し出した大衆的な作風にシフト。また、当時高校生だったジョアンヌ・キャトラルとスーザン・アン・サリーをメンバーに加え男女混合ヴォーカルの編成として再スタートすることになります。

結果的にこの編成が商業的に成功し、『Dare』は全英チャート1位を獲得。また、シングルの「Don't You Want Me(邦題:愛の残り火)」は全米でもチャート1位を獲得し、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの先駆けとなることになります。

ハイライトはオープニングを飾る「The Things That Dreams Are Made Of」、メロディが耳に残る「Open Your Heart」、打ち込みのドラムが印象的な「Seconds」、ディスコ風な「Love Action (I Believe in Love)」、バンドを代表する曲「Don't You Want Me」などです。

音楽も多様性を増した現在ではややチープなサウンドに聴こえますが、その独自のポップ性とグラムロック風のフィリップのヴォーカルは時代を超えても輝きを失ってはいないと言えます。

【トラックリスト】
1. The Things That Dreams Are Made Of
2. Open Your Heart
3. The Sound of the Crowd
4. Darkness
5. Do or Die
6. Get Carter
7. I Am the Law
8. Seconds
9. Love Action (I Believe in Love)
10. Don't You Want Me


Don't You Want Me


【音楽アルバム紹介】Moving Pictures(1981) - Rush

2024-06-27 00:13:54 | ・1980年代(洋楽)
カナダのロックバンド、ラッシュの8thアルバム。
ラッシュはハードロックやプログレをベースとしたポップでパワフルなサウンドが特徴のバンド。

ラッシュのメンバーは以下の通り。
・ゲディー・リー - ベース、キーボード、ヴォーカル、ペダルベース
・アレックス・ライフソン - ギター
・ニール・パート - ドラムス、パーカッション

これまで「2112」や「Cygnus X-1」などコンセプトに基づいた大作主義でしたが、本作では軽めにまとめられています。
これはラジオで流すために短い曲として纏める必要があったという経緯があります。

楽曲・演奏ともに前作より洗練されており、全米3位、400万枚売り上げるなど大ヒットを記録。
ポップだけどテクニカルなイメージを確立することになった重要な作品といえます。

以降、ラッシュはシンセサイザーの積極的な利用やヒップホップを取り入れるなど時代に合わせて音楽性を変化させていき、安定した人気を獲得することになります。

オススメはシングル曲の「Tom Sawyer」と「Limelight」、爽快感のある「Red Barchetta」、彼らの演奏を堪能できるインスト曲「YYZ」、「Witch Hunt (Part III of Fear)」など。

プログレとハードロックの良いとこどりといった感じであり、テンション高めで最後まで駆け抜けていくのでとても満足度の高い作品。
そしてポップな曲調とは裏腹に工夫された複雑な曲構成と高い演奏力も魅力であり、まさに一石二鳥の名盤です。

【トラックリスト】
1. Tom Sawyer
2. Red Barchetta
3. YYZ
4. Limelight
5. The Camera Eye
6. Witch Hunt (Part III of Fear)
7. Vital Signs


Limelight



【音楽アルバム紹介】Murmur(1983) - R.E.M.

2024-04-28 11:50:22 | ・1980年代(洋楽)
アメリカのロックバンドR.E.M.の記念すべき1stアルバム。

R.E.M.のメンバーは以下の通り。
マイケル・スタイプ(Vo)
ピーター・バック(Gt)
マイク・ミルズ(Ba)
ビル・ベリー(Dr)

ビル・ベリーが1997年に脱退するまでこのメンバーで活動を続け、『Out Of Time』や『Automatic For The People』など数多くの作品を生み出すことになります。

R.E.M.の意味はRapid Eye Movement(レム睡眠時の眼球運動)と言われていますが、バンドはそれを否定しており半ば記号的な意味合いとなっています。

マイケル、ピーターともにヴェルヴェット・アンダーグラウンドやパティ・スミス、テレビジョンなどのニューヨークパンクに強い影響を受けています。
サウンドは60〜70年代のロックをベースとしつつ、ニューヨークパンクの洗礼を受けたような社会的で知的な歌詞が特徴。
本作はアーシーな雰囲気を纒いつつサイケでポップな作風となっており、形容しがたい不思議なサウンドとなっています。

オープニングを飾るシングル曲「Radio Free Europe」、神秘的な「Pilgrimage」、印象的なベースで始まる「Laughing」、"誰もが世界の重さを背負える訳では無い"と歌う「Talk About the Passion」、逆回転ギターとピアノのメロディーが組み合わさった「Perfect Circle」、勢いのある「Catapult」、歌詞がほとんど聞き取れない「9–9」など味わい深い曲が多数。

本作はマイケル・ジャクソンの『スリラー』、ポリスの『シンクロニシティ』、U2の『ウォー』を抑えて、ローリング・ストーン誌の1983年のベスト・アルバムに輝いており、評論家から高い評価を得た作品です。

ちなみにMurmurとは木の葉のざわめきや、人が囁やく声などを意味しています。

【トラックリスト】
1. Radio Free Europe
2. Pilgrimage
3. Laughing
4. Talk About the Passion
5. Moral Kiosk
6. Perfect Circle
7. Catapult
8. Sitting Still
9. 9–9
10. Shaking Through
11. We Walk
12. West of the Fields

Radio Free Europe


【和訳】
君の側にはラジオがあって
簡単に一日を素敵なものにしてくれる
それを壁の上に置きなよ
悪いのは国のせいじゃない
ラジオステーションは君の棚の上

僕を世の中から引き離してくれ
近寄って来る取引が僕たちを馬鹿げた方向に導こうとする
君が引くまで押してくる
狂気なんかなんでもないさ
レーダーが僕たちが行く場所を示してくれる

移動中、皆に呼びかける
移動中、皆に呼びかける
ラジオフリーヨーロッパ

そのサウンドはメディアに反抗している
均衡を押し進める代わりに
それを君の腕に押し込め
狂気なんて全くありがたいものじゃない
ラジオステーションは君の棚の上

移動中、皆に呼びかける
移動中、皆に呼びかける
ラジオフリーヨーロッパ

進む道は
自分自身で決めろ
メディアは性急すぎる

僕を世の中から引き離してくれ
僕たちを裏切り、滑稽な方向に導く
すぐにボリュームを上げろ
どこに行こうか

移動中、皆に呼びかける
移動中、皆に呼びかける
ラジオフリーヨーロッパ


【ハード・ロックの特異点】Appetite for Destruction(1987) - Guns N' Roses

2024-04-03 23:24:03 | ・1980年代(洋楽)
アメリカのハードロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズのデビューアルバム。

ガンズ・アンド・ローゼズはアクセル・ローズとイジー・ストラドリンを中心に結成されたAXLというバンドが始まり。バンドはその後『ハリウッド・ローズ』と改名するも、1985年にハリウッド・ローズは解散してしまいます。
その後、L.A.ガンズのトレイシー・ガンズと意気投合して、アクセル、イジー、トレイシーの3名にロブ・ガードナー、オーレ・ビーチの2名を加え、二つのバンド名を合体させた『ガンズ・アンド・ローゼズ』が結成されることになります。しかし、このメンバーは長続きせずトレイシー、ロブ、オーレの3名が離脱して、代わりにベーシストのダフ・マッケイガン、ギタリストのスラッシュ、ドラマーのスティーヴン・アドラーが加入し黄金期のラインナップが完成することになります


サウンドの方は『破壊衝動』のタイトル通りエネルギッシュでスリリング。ハード・ロックの美学を持ちながらも、パンクやヘヴィメタルのような攻撃性も併せ持っていて唯一無二の傑作となっています。

アクセル・ローズの幅広い音程によるパワフルなヴォーカル、スラッシュのエモーショナルなギタープレイが魅力的なほか、作曲面ではイジー・ストラドリンによる貢献も大きく「Paradise City」、「Sweet Child o' Mine」は彼の作曲です。

1stながらとても完成されていて非の打ち所が無い作品。ロックの伝統をしっかりと踏襲しつつ、ハード・ロックの新たな可能性を切り開いた名盤です。

余談ですがこのアルバムのオリジナルジャケットはロバート・ウィリアムズなる画家が78年に描いたポップアートであり、その絵のタイトルが『アペタイト・フォー・デストラクション』でした。しかし、このジャケットは刺激が強くショッキングな内容であったため回収されたという逸話があります。ちなみにリマスターされたDeluxe Editionでその発禁ジャケが再現されています。

【トラックリスト】
1. Welcome to the Jungle
2. It's So Easy
3. Nightrain
4. Out ta Get Me
5. Mr. Brownstone
6. Paradise City
7. My Michelle
8. Think About You
9. Sweet Child o' Mine
10. You're Crazy
11. Anything Goes
12. Rocket Queen


Welcome to the Jungle



Sweet Child o' Mine



【和訳】
彼女の笑顔は
俺に子供の頃を思い出させる
すべてが新鮮で青い空が広がっていたころ

今でも彼女の顔を見ると
俺を特別な場所に連れて行ってくれる
ずっと見つめ続けていると、俺は泣き崩れてしまうだろう

ああ、俺の可愛い人
ああ、俺の愛する人よ

彼女の瞳は最も青い空のよう
そこに雨が降ったら
その目を見るだけで辛くなる

彼女の髪は暖かく安心できる場所を思い出させる
子供のころ隠れていた場所のような
雨と雷が静かに過ぎ去ってくれるように祈って欲しいんだ

ああ、俺の可愛い人
ああ、俺の愛する人よ

どこに行こう?
今からどこに行こうか?
どこに行こう?

可愛い人
俺の愛する人よ