ビートルズの8枚目のオリジナルアルバム。
架空のバンドのショーをテーマにビートルズが作り上げたコンセプトアルバムです。
サイケデリックムーブメントを象徴する作品であり、アートワークも含めきわめて影響力の大きいアルバム。
ビートルズが本作をリリースすることにより、他のアーティストもこぞってトータルアルバムやコンセプトアルバムをリリースすることになります。
ちなみに架空のバンドのショーというのはポール・マッカートニーによる後付の設定であり、アルバム全編にわたってコンセプトが徹底されているわけではありません。
本作はバンドの紹介から始まり、アンコールのA Day In The Lifeで終わるという構成になっています。
【トラックリスト】
1.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
2.With A Little Help From My Friends
3.Lucy In The Sky With Diamonds
4.Getting Better
5.Fixing A Hole
6.She's Leaving Home
7.Being For The Benefit Of Mr. Kite!
8.Within You Without You
9.When I'm Sixty-Four
10.Lovely Rita
11.Good Morning Good Morning
12.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
13.A Day In The Life
A Day in the Life
タイトルは『人生の中のとある一日』という意味。
【歌詞】
今日、新聞を読んでいたら、とある記事があったんだ
成功したある幸運な男についての記事さ
その記事はむしろ悲しいものだったけど
僕は吹き出してしまったよ
写真も載っていたんだ
彼は運転中に意識がとんで
信号が赤に変わったのが気づかなかったんだ
野次馬が立ちつくし見つめていて
彼の顔に見覚えはあったけど
誰も彼が上院議員ということが分からなかったんだ
今日、映画を観たんだ
英国軍が戦争に勝ったところで
たくさんの観客は立ち去ってしまった
でも、僕はじっと見ていたんだ
本で読んだことがあるからね
僕は君をその気にさせたいのさ
目を覚ましたら、ベッドから落っこちた
クシを引っ張り出して髪をとかす
眠気まなこで階段を降り、紅茶を一杯飲む
時計を見ると、遅刻していたことに気がついた
コートを探して帽子を掴み
出発ちょうどにバスに乗り込む
急ぎ足で階段を昇り、一服やった
誰かが話しかけてきたけど、僕は夢の中
今日、新聞を読んでいたら、とある記事があったんだ
ランカシャー州のブラックバーンには4000個の穴があるんだって
その穴は小さいものらしいけど
彼らはすべて数えたんだ
それで、アルバート・ホールを埋めるにはどれだけの穴が必要か彼らは知ったんだ
僕は君をその気にさせたいのさ
【A Day In The Life解説】
この楽曲はポールが書いた中間部の曲を、ジョンの曲で挟み込む構成をとっています。
本楽曲はジョンがデイリーメール紙に掲載された二つの記事からインスピレーションを得て制作されることになります。
当初、中間部の間には24小節が空いていたのですが、仮としてマル・エヴァンズのカウントと目覚まし時計の音が挿入されることになります。
しかし、これがポールの曲と歌詞にマッチしていたことからそのまま使われることになります。
『総勢40名によるオーケストラを使用したレコーディング』
ジョンは「オーケストラに一番低い音から最高音までを出してもらうこと」、ポールは「即興で誰とも被らないように音を出してもらうこと」を提案してレコーディングすることになります。
この提案が「A Day In The Life」の迫力や高揚感を生み出すことに成功します。
複雑で野心的なこの楽曲はビートルズの最高傑作の一つして扱われることも多く、この楽曲がなければ「Sgt. Pepper's〜」は違った評価をされていたことでしょう。