名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【音楽アルバム紹介】日本人(1973) - ファーラウト

2024-05-04 18:23:11 | ・1970年代(邦楽)
日本のプログレバンド、ファーラウトの唯一のオリジナルアルバム。

ファーラウトは宮下フミオと頭脳警察の左右栄一を中心として結成されたバンド。本作はゲストに喜多嶋修と山中明(ジョー山中)をメンバーに加えて作成された作品です。
宮下フミオはその後、ファー・イースト・ファミリー・バンドを結成することなり、ファーラウトはファー・イーストの前身となったバンドであると言えます。

本作はレコードA面とB面でそれぞれ1曲づつという大作志向のアルバムとなっています。
サウンドは禅/瞑想といった東洋的なイメージにサイケデリック/プログレッシブロック/ハードロックが合わさったような曲調であり、静と動がハッキリしたゾクゾクするような内容となっています。

「Too Many People」の緊張感漂うヘヴィなギターリフは一度聴いたら忘れられないほど。そしてアルバムタイトルとなった「日本人」は東洋的なメロディで始まり、エモーショナルでブルージーなギターソロが展開された後、急に読経が始まりリスナーの度肝を抜いてきます。

総評として邦楽史上最強のサイケデリック/プログレッシブロックアルバムであり、今までの邦楽ロックに対するイメージが覆るレベルの大名盤です。ぜひお聴き下さい!

【トラックリスト】
1. Too Many People
2. 日本人


Too Many People



日本人


【音楽アルバム紹介】'73四人囃子(1978) - 四人囃子

2024-05-02 11:39:14 | ・1970年代(邦楽)
日本のプログレバンド、四人囃子のライブアルバム。
本作は1973年8月21日六本木俳優座でのデビュー前ライブを収録した内容となっています。

かの名盤『一触即発』が1974年のリリースなので、このアルバムはそれより以前の録音となっています。スタジオ録音とはまた違った良さがあり、臨場感のあるダイナミックなサウンドに仕上がっています。

全体的にスタジオ録音Ver.より演奏時間が長く、迫力があり高揚感を感じることのできる素晴らしい演奏となっています。特に『おまつり』、『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ』、『一触即発』の3曲は必聴。

『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ』はシングルVer.だと4分程度の曲ですが、このライブVer.は8分にも渡る演奏になっており、眼前にUFO(空飛ぶ円盤)が実際に現れてくるかのよう。

四人囃子の魅力はサイケな雰囲気を纏っているところにあり、演奏技術や楽曲の構成も見事ながらグルーヴ感を感じられるところにあると思います。プログレ好きなら必聴のアルバムとなっており、ぜひ聴いて欲しい作品の一つです。

【トラックリスト】
1. おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)
2. 中村君の作った曲
3. 泳ぐなネッシー
4. 空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
5. 一触即発


空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ




【音楽アルバム紹介】み空(1972) - 金延幸子

2024-03-10 18:32:47 | ・1970年代(邦楽)
日本のシンガーソングライター、金延幸子の1stアルバム。

金延幸子は元々フォークキャンプから生まれた音楽ユニット『フォークキャンパーズ』(中川五郎、藤村直樹、長野隆、西岡恭蔵ら)の一員として活動していました。

その後、中川イサト、瀬尾一三、松田幸一らとフォークグループ『愚』のメンバーとして活動するも、事務所の移転によりソロとしてデビュー。細野晴臣プロデュースのもと、『み空』をリリースします。

トラック5の「空はふきげん」のみ大瀧詠一作曲で、一部細野晴臣が編曲に携わっていますが、基本的に金延幸子がほとんど作詞・作曲をしています。ちなみに、曲中のアコースティックギターは全て彼女が演奏しています。

タイトル曲となった「み空」、パーカッションの音が心地よい「あなたから遠く」、神秘的な名曲「かげろう」と「はやぶさと私」、細野晴臣編曲の「時にまかせて」と「青い魚」、ラストを飾る名曲「春一番の風は激しく」など聴きどころ多数。

金延幸子の透き通った歌声と内省的な歌詞、奥深いフォーキーな楽曲により神秘的な美しさがあり、一切古臭さを感じさせないオーパーツとも呼べる名盤となっています。
当時の荒井由実などと並んで、日本の女性シンガーソングライターの草分け的存在と言えます。

【トラックリスト】
1. み空
2. あなたから遠くへ
3. かげろう
4. 時にまかせて
5. 空はふきげん
6. おまえのほしいのは何
7. 青い魚
8. 雪が降れば(ようこさんにささげる)
9. 道行き
10. はやぶさと私
11. 春一番の風は激しく


春一番の風は激しく



【音楽アルバム紹介】ほうろう(1975) - 小坂忠

2024-01-25 22:45:51 | ・1970年代(邦楽)
伝説のバンド、エイプリル・フールでヴォーカルをとっていた小坂忠の4thアルバム。

ティン・パン・アレーのメンバーが演奏に参加しており以下がその豪華なメンバー。

鈴木茂(ギター)
細野晴臣(ベース)
林立夫(ドラム)
松任谷正隆・鈴木晶子(キーボード)
吉田美奈子・山下達郎・大貫妙子(バックコーラス)
矢野誠(ストリングス&ホーン)

また、作曲/編曲に細野晴臣が携わっており氏による功績も大きいです。

ファンキーでロマンティックなサウンドと小坂忠の柔らかい歌声が魅力。非常に美声でありメロウな気分になってしまいます。

全曲良いのですが個人的に好きなのはタイトル曲「ほうろう」、小坂忠作曲の「機関車」、メロウな「ボン・ボヤージ波止場」、バックコーラスが印象的な「しらけちまうぜ」、はっぴいえんどのカヴァー「ふうらい坊」など。

1975年の作品ですが一切古臭さを感じさせずとてもクールでエモい。
日本のソウル/R&Bを語るうえで欠かすことのできない一枚です。

【トラックリスト】
1. ほうろう
2. 機関車
3. ボン・ボヤージ波止場
4. 氷雨月のスケッチ
5. ゆうがたラブ
6. しらけちまうぜ
7. 流星都市
8. つるべ糸
9. ふうらい坊


ほうろう



ふうらい坊
小坂忠の爽やかなヴォーカルにパワフルなバックコーラスがのり、元曲とはまた違った良さがあります。




【音楽アルバム紹介】新宿マッド(1970) - フード・ブレイン

2024-01-11 18:44:00 | ・1970年代(邦楽)
若松孝二が監督の映画『新宿マッド』のサントラ。全曲インストでサイケ、プログレ、ジャズをベースとしたインプロヴィゼイションを中心に構成されています。

フード・ブレインはギターにパワーハウスの陳信輝、ベースにゴールデンカップスの加部正義、キーボードにエイプリルフールの柳田ヒロ、ドラムにジャックスの角田ヒロからなるバンド。
本作をリリース後、加部正義の代わりに成毛シゲルグループに在籍していた石川恵樹がベースとして加入しアルバム『晩餐』をリリースします。

【トラックリスト】
1. M-6
2. M-8
3. M-3
4. M-9
5. M-4
6. M-1
7. M-2
8. M-5
9. M-7
10. M-7-2
11. M-10

いきなりサイケでハードなジャムセッションが繰り広げられ度肝を抜かれるのですが、後半はジャズセッションがメインとなります。

オススメは疾走感あふれる「M-6」、ヘヴィでブルージーなギターが特徴の「M-8」、各々のインプロヴィゼイションが炸裂する「M-9」、サイケとジャズの良いとこ取りな12分超えの楽曲「M-10」など。

混沌としていて癖が強めですが当時のアンダーグラウンドな空気を伝える重要な作品と言えます。
そしてメンバーが良いだけあり演奏が上手くて迫力があります。総時間70分超えでかなり聴き応えがある作品。

フード・ブレインはこのサントラとオリジナルアルバム「晩餐」の2枚だけを残し1970年に自然消滅。
陳信輝はソロアルバムをリリースした後、スピード・グルー&シンキを結成するなど各人活躍を続けていきます。


M-8