名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【音楽アルバム紹介】Pink Moon(1972) - Nick Drake

2024-11-25 15:22:08 | ・1970年代(洋楽)
イギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイクの3rdアルバムにして最後の作品。

ジャンル:フォーク
オススメ度:★★★★★👑(一切の装飾が排除された楽曲と剥き出しの感情が聴くものを揺さぶる名盤)

ニック・ドレイクはビルマ生まれのイギリスのシンガーソングライター。アコースティックギターとピアノを使用した美しいフォークロックが特徴。
1stアルバム、2ndアルバムのどちらも批評家からの評価は高かったが商業的には成功せず、この自分の音楽がリスナーに届かないという失望が彼を追い詰めることになります。

この頃から彼は精神科医にかかり抗うつ剤を飲むようになります。そんな状況ながら作曲は続け、エンジニアのジョン・ウッドの支援のもとレコーディングを終了させます。このレコーディングをデモテープかと思ったジョンがどのようにアレンジして欲しいかニックに問うと、"アレンジはいらない。装飾はいらない"と答えこのアルバムが誕生することになります。

楽曲はアコースティックギター/ピアノとニックの歌だけという非常にシンプルなもの。しかし、うつ病に苦しんだ彼の苦悩や憂鬱が歌と詩に現れており、それが美しく流麗なギターと合わさってなんとも言えない切なさ、儚さ、悲しみを醸し出しています。そして不遇の天才が秘めていた鬼気迫る感情を感じ取る事ができます。

ピンクムーン発表後、ニックは精神病院に入院します。退院することはできたものの、曲が書けないことに苦しみ続けます。
そして1974年11月25日、抗うつ剤の過剰摂取で死去しています。26歳という若さでした。

【トラックリスト】
1. Pink Moon
2. Place to Be
3. Road
4. Which Will
5. Horn
6. Things Behind the Sun
1. Know
2. Parasite
3. Free Ride
4. Harvest Breed
5. From the Morning

Pink Moon


【和訳】
そこには書かれていた
ピンク色の月が近づいていると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
ああ、ピンク色の月が

そこに書かれていたんだ
ピンク色の月が昇ると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
そう、ピンク色の月が



【音楽アルバム紹介】Eureka(1999) - Jim O'Rourke

2024-11-10 16:16:38 | ・1990年代(洋楽)
アメリカのシンガーソングライター、ジム・オルークの1999年のアルバム。

ジャンル:オルタナティブ・ロック/ポスト・ロック
オススメ度:★★★★★

ジム・オルークはノイズ、ジャズ、ポスト・ロック、アンビエントなど幅広い音楽性を持つ人物ですが、本作『Eureka』においては彼のフォーキーでポップな一面が現れています。

楽曲はこれまでの前衛性は鳴りを潜め、ひたすら美しく優しい旋律が奏でられて行きます。しかし、ただポップてメロウなだけではなく電子音を活用したり幾重にも音が重ねられていたりして非常に幻想的。

ハイライトはオープニングを飾る「Prelude To 110 Or 220 / Women Of The World」、70年代を彷彿させる「Ghost Ship In A Storm」、彼の音響センスが輝く「Movie On The Way Down」、ジャズ/フュージョン調の「Please Pateonze Our Sponsors」、アルバムタイトル曲となった「Eureka」です。

ジム・オルークは親日家であり、日本のアーティストと深い関わりを持つことも有名。チャットモンチーのレコーディングエンジニアをしたり、くるりのアルバム『図鑑』の中の4曲をプロデュースしています。また、若松孝二氏の映画『実録・連合赤軍』を担当し、このアルバムは日本の漫画家友沢ミミヨのイラストを採用していることも有名です。

【トラックリスト】
1. Prelude To 110 Or 220 / Women Of The World
2. Ghost Ship In A Storm
3. Movie On The Way Down
4. Through The Night Slowly
5. Please Pateonze Our Sponsors
6. Something Big
7. Eureka
8. Happy Holidays
9. Little Island Walking (Bonus Track)

Eureka


【和訳】
モシモシ、聞こえる?
そっちの空は晴れているかい?
雨の中でも風は僕に届いている

また、電話だ
僕の一日の四分の一はこればっかりで
まるで代わり映えがしない
僕の小銭はすぐなくなってしまって
君はお尻を床につけて
考え続けてる
君のシャツに新しいシワができ
背中には汗の跡なんて残らない
必要なものなんてないさ
仕事の口はあるんだ
君の緩みきったものをシャンとさせる
種を撒いたって
水をやる人間がいなきゃ木まで育たないのさ



【音楽アルバム紹介】大音楽(1990) - 思い出波止場

2024-11-03 13:04:16 | ・1990年代(邦楽)
山本精一が中心となって結成されたバンド、思い出波止場の1stアルバム。

ジャンル:オルタナティブ・ロック/実験音楽
オススメ度:★★★★★

思い出波止場は実験音楽バンドとして知られるグループであり、本作はハードコアパンク/サイケデリック・ロックをベースとして民族音楽やプログレといった要素を織り交ぜた独特の世界を構成しています。

タイトルの『大音楽』はスケールの大きな音楽といった意味であり、何か大きなもの、大きな次元、大きな音(音量ではなく)をイメージして作成したと山本精一は語っています。

ハイライトは実験的なスペースロック「Surfin' U.F.O」と「Egg Head」、プログレ風の「C.T.I」、幻想的な「Marine Snow」、ゴリゴリのサイケロック「宮」、8分に及ぶアヴァンギャルドロック「首ひろい」です。

余談ですが山本精一氏は世界的に評価を得ている『ボアダムス』、人力トランスバンド『ROVO』でも活躍しており、日本のオルタナティブ・ロック/実験音楽を牽引する人物です。

【トラックリスト】
1. Astro Volcano Breakdown
2. Surfin' U.F.O
3. Egg Head
4. Mother
5. 墜落行進曲
6. C.T.I
7. Nuba-Ⅱ
8. Marine Snow
9. 宮
10. Nuba-Ⅰ
11. 首ひろい
12. A Scab Forms Crone


Surfin' U.F.O