イギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイクの3rdアルバムにして最後の作品。
ジャンル:フォーク
オススメ度:★★★★★👑(一切の装飾が排除された楽曲と剥き出しの感情が聴くものを揺さぶる名盤)
ニック・ドレイクはビルマ生まれのイギリスのシンガーソングライター。アコースティックギターとピアノを使用した美しいフォークロックが特徴。
1stアルバム、2ndアルバムのどちらも批評家からの評価は高かったが商業的には成功せず、この自分の音楽がリスナーに届かないという失望が彼を追い詰めることになります。
この頃から彼は精神科医にかかり抗うつ剤を飲むようになります。そんな状況ながら作曲は続け、エンジニアのジョン・ウッドの支援のもとレコーディングを終了させます。このレコーディングをデモテープかと思ったジョンがどのようにアレンジして欲しいかニックに問うと、"アレンジはいらない。装飾はいらない"と答えこのアルバムが誕生することになります。
楽曲はアコースティックギター/ピアノとニックの歌だけという非常にシンプルなもの。しかし、うつ病に苦しんだ彼の苦悩や憂鬱が歌と詩に現れており、それが美しく流麗なギターと合わさってなんとも言えない切なさ、儚さ、悲しみを醸し出しています。そして不遇の天才が秘めていた鬼気迫る感情を感じ取る事ができます。
ピンクムーン発表後、ニックは精神病院に入院します。退院することはできたものの、曲が書けないことに苦しみ続けます。
そして1974年11月25日、抗うつ剤の過剰摂取で死去しています。26歳という若さでした。
【トラックリスト】
1. Pink Moon
2. Place to Be
3. Road
4. Which Will
5. Horn
6. Things Behind the Sun
1. Know
2. Parasite
3. Free Ride
4. Harvest Breed
5. From the Morning
Pink Moon
【和訳】
そこには書かれていた
ピンク色の月が近づいていると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
ああ、ピンク色の月が
そこに書かれていたんだ
ピンク色の月が昇ると
皆、背を低くしている
ピンク色の月が君たちを残さず捕らえる
ピンク色の月
そう、ピンク色の月が