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名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【夜、暗殺者の夜】'77 LIVE(1991) - 裸のラリーズ

2025-04-05 23:51:31 | ・1990年代(邦楽)
日本のロックバンド、裸のラリーズのライブアルバム。1977年3月12日の東京都立川市でのライブ音源を収録した内容となっています。

ジャンル:ノイズ・ロック/サイケデリック・ロック
オススメ度:★★★★★👑(日本のアングラシーンを代表する名盤)

裸のラリーズはヴォーカル及びギターを務める水谷孝を中心として活動していたバンド。1967年から1997年代にかけてライブを中心に活動し、1980年には村八分の山口冨士夫が在籍していたことも有名。
インターネットが発達した現在はラリーズに関する情報が溢れていますが、当時は未知の部分が多く半ば伝説化していたバンドであり、1991年にリリースされた3枚の公式CDが高値で取引されていたことやブートレグが多数出回っていた歴史も持っています。

ラリーズは水谷のフィードバック奏法による大音量のノイズロックが特徴。本作でも圧倒的なノイズの洪水が展開されますが、決して無秩序ではなくブルースのような奥深さも併せ持っています。また、エコーがかかり何を歌っているか分からない水谷のヴォーカルも印象的。

裸のラリーズは日本のアングラロックシーンを代表するバンドであり、海外でも人気と評価が高いバンドとなっています。ラリーズを聴かずに邦楽ロックを語ることはできないので、この機会にぜひ聴いてみて下さいね。
幸いなことに2022年にCDが再発され、サブスクでも配信されています。

【トラックリスト】
1. Enter the Mirror
2. 夜、暗殺者の夜
3. 氷の炎
4. 記憶は遠い
5. 夜より深く
6. 夜の収穫者たち
7. The Last One _1977


夜、暗殺者の夜



【誕生そして人生について】誕生(1990) - 尾崎豊

2025-01-03 19:44:56 | ・1990年代(邦楽)
日本のシンガーソングライター、尾崎豊の5thアルバムにして、唯一の2枚組オリジナルアルバム。

ジャンル:ロック/ポップ・ロック
オススメ度:★★★★★👑(尾崎豊の傑作にして、生まれた意味・生きる意味について向き合った名盤)

本作は作詞・作曲だけではなく、プロデュースまで尾崎自ら実施したセルフプロデュースとなった作品です。また、初期3作のプロデューサーであった須藤晃を尾崎の強い希望によりディレクターに希望し、原点回帰と心機一転の両方を意識されて作成された作品となっています。
海外の著名なミュージシャンや安全地帯のギタリスト、武沢豊を起用したことにより、シティポップやジャズ要素が反映された華やかでゴージャスなサウンドになっていることも特徴。

2枚組20曲という大ボリュームになった理由として、2年という充電期間があったことや、尾崎自身の変化や成長による思いが楽曲に十分に発揮されたからという理由もあります。ゆえにこの20曲の中に"愛と孤独"、"喜びと悲しみ"、"信頼と不信感"などの温もりと攻撃性の両面が存在する内容となっています。

また、1989年に息子が誕生したときの喜びが楽曲にも反映されており、特に最後の楽曲「誕生」でそれが顕著となっています。このとき本作のリリース前に尾崎が語ったコメントに彼の人生観ともいえる当時の心境が反映されています。

結婚したことも、それから子供が生まれたことも、自分が仕事をしていく上で覚えた人間関係を含めて、大切なものとか醜いこととかを自分の中で消化して歌にしていきたいという気持ちです。たとえばひとつひとつの迷いに対して、きちんと答えを出したものを歌っていけたらいい。それはそんなに明確な答えでもないし、もしそれが人生のことを語り尽くしてしまうようなものになれば、もちろん最高だし。そこまで神がかったものになればそれは幸いだけど、まさしく人間の限界や能力の限界みたいなもの、そのあたりがひとつの課題になります。


ハイライトはオープニングを飾る「LOVE WAY」、アップテンポな「KISS」、シングル曲となった「黄昏ゆく街で」、過激な歌詞の「銃声の証明」、メロウな名曲「LONELY ROSE」、寂しさと愛について歌った「永遠の胸」、尾崎豊節全開の「COLD JAIL NIGHT」などです。
そしてアルバムタイトルとなった最後の楽曲「誕生 」は特筆すべき楽曲であり、尾崎豊の自伝的な歌詞になっています。9分50分超えの大曲であり、古村敏比古のサクソフォーンと尾崎豊のシャウトの後に展開されるピアノと尾崎の語りは非常に感動的。

多少ワンパターンで途中飽きたり、歌詞の情報量の多さに辟易する部分はあるものの、最後の名曲「誕生」を聴いたときの感動は凄まじく、尾崎豊の人生観を知るためにもぜひ聴いておきたい傑作となっています。

【トラックリスト】
1. LOVE WAY
2. KISS
3. 黄昏ゆく街で
4. ロザーナ
5. RED SHOES STORY
6. 銃声の証明
7. LONELY ROSE
8. 置き去りの愛
9. COOKIE
10. 永遠の胸FIRE
11. FIRE
12. レガリテート
13. 虹
14. 禁猟区
15. COLD JAIL NIGHT
16. 音のない部屋
17. 風の迷路
18. きっと忘れない
19. MARRIAGE
20. 誕生

誕生


【歌詞一部抜粋】
新しく生まれてくるものよ おまえは間違ってはいない
誰も一人にはなりたくないんだ それが人生だ 分かるか


【音楽アルバム紹介】Dirge(1990) - ミスターシリウス

2024-12-22 13:06:14 | ・1990年代(邦楽)
日本のプログレバンド、ミスターシリウスの2ndアルバム。

ジャンル:プログレッシブ・ロック
オススメ度:★★★★★👑(日本のプログレ最高峰の一枚)

『Dirge』作成時のメンバーは以下の通り。
宮武和広 - キーボード、フルート、アコースティックギター
永井博子(現、大木理紗) - ボーカル、コーラス
藤岡千尋 - ドラム、パーカッション
村岡秀彦 - ベース
釜木茂一 - エレクトリック・ギター

本作は日本のシンフォニックプログレを代表する一枚であり、壮大で美しいサウンド、プログレ然としたギター、大木理紗の歌声が魅力的な作品です。
大木博子は日本のプログレバンドPageantにも参加した人物であり、伸びやかな歌声は本作でも健在。

プログレらしく曲と曲の間隔がほとんど無く、アルバム通して一つの大曲として聴かせる構成になっています。次々と畳み掛けるダイナミックなサウンドと釜木茂一の鋭いギターは息を呑むほど素晴らしく、そこに宮武和広のフルートと大木理紗の歌声が合わさり邦楽のイメージから完全に超越したサウンドが展開されています。

全曲素晴らしいですが組曲「ナイルの虹」の中のデュアル・サイトで展開されるメロディは本作を象徴するフレーズであり、邦楽プログレ至高のサウンドとなっています。

総評として壮大で感動的な大傑作であり、日本のプログレを語るうえで欠かすことが出来ない金字塔です。

【トラックリスト】
1. ファンファーレ~流れる影
2. ラヴ・インコンプリート
3. ランド・ダージ
4. スーパー・ジョーカー
5. 挽歌~海
6. ナイルの虹
a)チェイス・オブ・インフィニティ
b)忘郷
c)デュアル・サイト
d)コロニー
e)ブリス・フォー・ア・デイ
f)光の果て
7. レクイエム (ニ短調)

スーパー・ジョーカー



ナイルの虹
a)チェイス・オブ・インフィニティ
b)忘郷
c)デュアル・サイト
d)コロニー
e)ブリス・フォー・ア・デイ
f)光の果て




【音楽アルバム紹介】大音楽(1990) - 思い出波止場

2024-11-03 13:04:16 | ・1990年代(邦楽)
山本精一が中心となって結成されたバンド、思い出波止場の1stアルバム。

ジャンル:オルタナティブ・ロック/実験音楽
オススメ度:★★★★★

思い出波止場は実験音楽バンドとして知られるグループであり、本作はハードコアパンク/サイケデリック・ロックをベースとして民族音楽やプログレといった要素を織り交ぜた独特の世界を構成しています。

タイトルの『大音楽』はスケールの大きな音楽といった意味であり、何か大きなもの、大きな次元、大きな音(音量ではなく)をイメージして作成したと山本精一は語っています。

ハイライトは実験的なスペースロック「Surfin' U.F.O」と「Egg Head」、プログレ風の「C.T.I」、幻想的な「Marine Snow」、ゴリゴリのサイケロック「宮」、8分に及ぶアヴァンギャルドロック「首ひろい」です。

余談ですが山本精一氏は世界的に評価を得ている『ボアダムス』、人力トランスバンド『ROVO』でも活躍しており、日本のオルタナティブ・ロック/実験音楽を牽引する人物です。

【トラックリスト】
1. Astro Volcano Breakdown
2. Surfin' U.F.O
3. Egg Head
4. Mother
5. 墜落行進曲
6. C.T.I
7. Nuba-Ⅱ
8. Marine Snow
9. 宮
10. Nuba-Ⅰ
11. 首ひろい
12. A Scab Forms Crone


Surfin' U.F.O


【音楽アルバム紹介】STICK OUT(1993) - THE BLUE HEARTS

2024-07-28 22:09:11 | ・1990年代(邦楽)
ザ・ブルーハーツの6枚目のアルバム。

ジャンル:ロック/パンク・ロック
オススメ度:★★★★★

ブルーハーツは甲本ヒロトと真島昌利を中心として結成されたロックバンド。キャッチーなパンク・ロックと文学性/メッセージ性の強い歌詞が特徴。

本作は1stで見せた勢いをそのままに、より思慮深くなった歌詞と洗練された楽曲が特徴となっています。
戦争批判、人生などがアルバムのテーマとなっていて、アルバム通してメッセージ性が強く統一感があります。また、曲順も完璧で一気に聴けてとても気持ちいいほか、「すてごま」からの「夢」、「旅人」の流れと「月の爆撃機」からの「1000のバイオリン」の流れが見事。

ブルーハーツらしく言葉の力が強く以下はその例。

すてごま
"君 ちょっと行ってくれないか すてごまになってくれないか"

俺は俺の死を死にたい
"豚の安心買うより 狼の不安を背負う"

44口径
"インフレも 公害も イザコザも 争い事も 二丁拳銃かたづける"

月の爆撃機
"いつでもまっすぐ歩けるか 湖にドボンかもしれないぜ 誰かに相談してみても 僕らの行く道は変わらない"

1000のバイオリン
"ヒマラヤほどの消しゴムひとつ 楽しいことをたくさんしたい"

人によってブルーハーツの最高傑作は分かれると思いますが、私はこのアルバムが一番のお気に入りです。

【トラックリスト】
1. すてごま
2. 夢
3. 旅人
4. 期待はずれの人
5. やるか逃げるか
6. テトラポットの上
7. 台風
8. インスピレーション
9. 俺は俺の死を死にたい
10. 44口径
11. うそつき
12. 月の爆撃機
13. 1000のバイオリン

1000のバイオリン