ヴェルヴェット・アンダーグラウンドで活躍したルー・リードの15枚目のソロアルバム。
シンプルなロック/フォークロックにルー・リードの機知に富んだ歌詞と語るような歌唱がのる構成。
多くのレビューに書かれている通り本当に歌詞が良く、家庭内暴力やエイズ、利己主義による環境汚染などディープな社会問題についても取り扱っています。
全体的にアメリカ人の無関心を皮肉った歌詞が多く、アルバムタイトル『New York』は自身の目で見てきたニューヨークの人々から来ているのでしょう。
アルバムジャケットに"58分(14曲)を本を読むか映画を観るかのように聴いて欲しい"と書かれている通り、歌詞を追うことによる没入感を重視した作品です。
個人的に大好きなアルバムであり、ボブ・ディランなど詩的な作風が好きな方はハマること間違いなし。
【トラックリスト】
1. Romeo Had Juliette
2. Halloween Parade
3. Dirty Blvd.
4. Endless Cycle
5. There Is No Time
6. Last Great American Whale
7. Beginning of a Great Adventure
8. Busload of Faith
9. Sick of You
10. Hold On
11. Good Evening Mr. Waldheim
12. Xmas in February
13. Strawman
14. Dime Store Mystery
Endless Cycle
親子間の悪影響について歌った曲。両親の悪癖・気質は子供に受け継がれ、その子供にも受け継がれるといったきわどい歌詞です。
【和訳】
父親の偏屈は子供にも引き継がれ
彼を困らせ当惑させ続ける
彼の静脈に流れるドラッグは
鏡に映る顔にツバを吐きかけるだけだ
どうして彼に善悪の区別ができるというんだ
彼は自分の名前さえ思い出せないというのに
どうして彼にすべきことができるというんだ
彼はリーダーではなく、ただの手下なのに
母親の病気は娘にも引き継がれ
彼女は小さくて無力なまま
酒は銃の勢いで脳内を撃ち抜き
彼女は同じところをグルグル回ったまま
どうして彼女に善悪の区別ができるというんだ
彼女が部屋で仰向けになっているときに
どうして彼女にすべきことができるというんだ
彼女は臆病で厄介者なのに
男は結婚すると子供を服従させようとし
際限のない言い訳をする
悲しいことに女も似たようなもので
それが正しいと思いこんでいる
自分たちのパパやママがやったことよりマシ
彼らが苦しんだ子供時代よりマシだと
真実は彼らは苦しんでいるときのほうが幸せということ
事実、だからこそ彼らは結婚したんだ
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