
実家に向かう途中にある小さなお稲荷さん。なんとなく個人のお社なのかなあと思っていてあまりそばに寄ることはしなかったのだけれど、今朝は素通りせずにお詣り。あっ!初詣になっちゃった!
元日から登山家三浦さんのトレーニングのような大荷物を担いで歩いた。っていうか、闇市帰りのおばちゃんだ。
お餅、数の子、栗きんとん、デンバーの伯母ちゃんが送ってくれた豚の一本足ハムの塊、緑色のグレープフルーツ、オロブロンコ、お煎餅等々お母さんの好きなものを詰め込んだリュックを担いで今朝9時過ぎに家に着いた。
弟Aくんはまだぐーすか寝ていて、もう一人の弟Yは胃腸炎なのか食べると吐きたくなるとかで自宅で寝正月。可哀想に嫁と娘二人は名古屋へ行って留守。
老健には2時過ぎに迎えに行くと伝えてあるので、お雑煮の仕度をしながらお母さん宛の書類の確認やら何やら。アルバムが身目に入ったので開くと25年くらい前のもの。
わたしが結婚前に家族で出掛けた時の写真、結納の写真、ミルキーが生まれた日の写真があって。あれれ?結婚式の写真は?
お母さんは今に比べると丸々と太っていて、金総書記のようだった。もっとかわいいけどね。
昨年、一昨年は重箱お節を買ったのだけれど、Aくんにもう要らないと言われたので、重箱お節は買わずにお母さんが食べたがるものだけを買ってきた。
毎年紅白なますは買わずに作っていたので、てっきりお母さんの好物なのかと思っていたら死んだお父さんの好物だったらしい。お母さんは酸っぱいのは嫌いだったんだって。だから、うちのなますは甘めだったのか。
午後、お母さんを迎えに行くといつも賑やかな老健の食堂にいる人はまばら。年末年始で自宅に帰る人もいるけれど、時間が時間なので皆さんお昼寝中の人が多かった。お母さんも昼寝中。
人の顔を見るなり「なんだ?」
わたしが「お家帰らない?」と言うと面倒くさそうに「家?」と。
Aくんが「カニ食いに行こうよ」と言うと「行く行く!」だって。仕度が早いこと、早いこと。お母さんはカニが好きだ。
1泊2日分の薬と紙パンツとパッドを渡され、何かあってご自宅で無理なようだったら連絡をくださいと言ってくれ、そんなことはないと思ったけれど心強い。
施設の玄関を出るときに、施設利用者の車椅子の女性二人がスタッフに記念撮影をしてもらっていて、ついでにお母さんも撮ってくれたのでわたしも撮った。

「遺影だな」と言うので、「イェーイ!だよ」と言うと高島忠夫のように「イェーイ!」と言ってくれた。ノリがいい。
「遺影はね、撮ってるからいつでも大丈夫だよ」と付け加えると酷い娘だと言われたが
「お母さん、備えあれば憂いなし。お父さんのとき大変だったでしょ!」
わたしは口減らずだ。