(1986年)ビートたけしらによるフライデー襲撃事件
写真週刊誌『フライデー』による過剰な取材に激怒したビートたけしが、たけし軍団を連れて版元の講談社を訪れ、同誌編集員らに暴行を働き、現行犯逮捕された事件。
約半年間の謹慎の後、執行猶予の判決が確定すると同時に、たけしを含む軍団全員が芸能界に復帰した。
一部番組やCMが打ち切りになったものの、代役を立て放送を続けた『元気が出るテレビ』等を観ていると、マスコミは追放なんてさらさら考えてないな、と当時から感じていた。
確実に数字が取れる大物を失いたくないのと、『フライデー』に我が身を照らし合わせ、普段自らが行っている取材姿勢を反省した面も多少あったのかも知れない。
この事件に対し、世間ではたけしに同情する声が多数を占め、もし芸能界から追放しようものなら、批判の矛先が自分達マスコミに向けられる可能性すらあった。
復帰を許したのは、倫理観というより実務的理由によるところが大きいと正直思う。
一方出版界では、事件を契機に、この世の春を謳歌していた写真週刊誌の勢いにブレーキがかかり、全体に部数を落とし、廃刊の浮き目に遭う雑誌も現れた。
そんな中、当事者である『フライデー』は今も発行され続けているというのは何とも皮肉だ。