散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

ひまわり

2021年03月08日 | ☆たまに娯楽

公開された1970年は、ベトナム戦争が隣国カンボジアへと拡大していった年でした。
第二次世界大戦後の冷戦下において、米国とソ連の代理戦争が東南アジアで繰り広げられ、戦争の持つ残虐な事件がいくつも頻発し報道されていた時期です。
この映画は、ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品、名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演のイタリア映画です。
日本の場合もそうですが「戦争勝つぞ!」という雰囲気の中、モテ男の出征兵士とナポリ娘が短期間で戦争が終結すると思い、あの手この手で出征猶予の時を稼ぎます。
しかし、それがバレて「敵前逃亡」扱いとなり、アフリカ戦線ではなく、ロシア戦線へとモテ男は送られてしまいます。
終戦となり、復員兵が列車に乗って帰って来る風景は、舞鶴港で船から降りてくる夫や息子の姿を探す日本の妻や母の姿とオーバーラップします。

日本では部隊全滅と記録されれば、天皇の赤子としての「戦死」ですから、戸籍に記載しましたが、イタリアでは「行方不明」と処理していたことがわかります。
「行ってもムダ」といわれても、納得しない妻は、広大なロシアへと夫を探しに行きます。
ドイツの命令により、イタリア兵はロシアで戦い、そのほとんどが敗走する中で酷寒の地に倒れたことと、捕虜となったロシア人、それも農民であるにもかかわらず老若男女を問わず殺されて埋葬されていることを知ります。

やっと手がかりを得て、夫のいる家へ行くと、家庭を持って暮らしていることを目の当たりにし、肌身離さず持っていた写真を捨てて、ひと目見ただけで列車に飛び乗り帰っていくのでした。
映画の中で、原発や鉄筋コンクリートの集合住宅など、復興めざましいソ連が背景に描かれています。

時が経ち、今度は夫が会いに行きますが、すでに妻は別の人と所帯を持ち、夫と同じアントニオという名の男の子がいるのでした。

なぜ、映画のプロローグとエンディングに、一面に広がるひまわり畑を映しているのか、そして、プロローグは明るいひまわり畑、エンディングは夕陽に染まるひまわり畑になっているのか、劇中で語られる言葉にそのヒントがあります。
GYAO!で、3月22日23:59まで無料配信中(ここをクリック!)です。
主題曲は、ヘンリー・マンシーニ。
昔の映画って、シェルブールの雨傘(ここをクリック!)など、みな印象的ですよね。
生まれた子どもに初恋の人の名前を付ける方がよくいるようですが、気をつけてくださいね。

以前書いた「ひまわり」のこと。


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