“夜の”が付いたとしても、昼間は営業していないので、まんま「パリ一(ぱりいち)」でもいい。
なんたって野毛なんだから、飲屋街の中で、営々と商っているトンカツ屋さんだ。
こことのお付き合いは、勤め始めてすぐ、先代の頃から・・・。
ある日、友人と連れだってパリ一で飲んでいたとき、
「最近、テレビに出てる渡辺真知子っているだろ、大学浪人中にさ、ひょんなことで、緑ヶ丘女子高校の文化祭に行ったんだよ。そこで、コピー曲じゃなくて、オリジナル曲を、あの伸びのある声で歌ってたんだけど、その才能と存在感のすごさは、なかなかと思ったんだよね。そしたら、ヤマハのポプコンに出てきて、賞を取って、デビューしたのには驚いた」
と話していたら、カウンターの右手にいたおじさんが、急にニヤニヤしだしたと思いきや、カバンから渡辺真知子のシングルレコードを取り出し、
「ぜひ、買ってくださいね」
と見せびらかして、店を出ていった。それも、ツケで。
怪訝な顔をしていたら、マスターが、
「あの人、常連のお客さんなんだけど、県立青少年センターの館長さんで、その
“渡辺真知子”のお父さんなんですよ」
だって、
そう!「迷い道」や「かもめの翔んだ日」を歌ったシンガーソングライター・渡辺真知子のお父さんなのだった。
以来、トンカツをつまみに、飲みに行くと、お互い決まった席で、会釈をするだけだったが、いつの間にか姿を見かけなくなってしまった。
ここでの、エピソードはこれぐらいにして、
今回の宴会は、仕事の関係で遅くなり、途中から・・・
その間、何が出ていたのかは、見出し写真でご想像を。
焼餃子(ジューシーで焼き加減もばっちり。絶対、萬里の餃子を意識している)
鯨のベーコン(ここの現マスターは、野毛くじら横丁の旗振り役)
カツとじ(怒られるかもしれないけど、やっとお父さんのトンカツに近づいたかな?)
馬刺(ここで宴会する連中は「スキーで宴会には、即、馬刺」という連想をする人たち)
キノコの炊き込みご飯(美味い!)
病気を患う前は、必ずここで飲んでいた。
阪神ファンの息子が継ぐといって、先代のお父さんと張り合うようになり、私自身の病気のせいもあるし、会社が移転したせいもあって、足が遠のいているうちに、店も建て替え、大道芸をしてから、町全体の常連客も変わっていった。
たまに行くのは、必ず、旧知の先輩方と宴会をするときのみ。
今回行ってみると、先代のお父さんのように、ニコニコッとする笑顔が似てきた。
私と同い年。いい親父さんになった。
Y校一の美人といわれた奥さんは、ダンナに振り回されて少々小じわが目立ちはするが、相変わらず美人だ。
そして、先代の奥さんは、まだまだ元気。
パリ一では、お母さんの漬けたお新香が一番美味い!
この店での、エピソードはいろいろあるけど、また今度、飲んだときに・・・。
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