実に意外だった。
日本テニス界で快挙を成し遂げた「大坂なおみ」の全米優勝の表彰式でセリーナが優勝できなかった事に対する大坂へのブーイング。アメリカの“勝者を讃える行為”は日本人のそれをはるかにしのぐ立派なものだとこれまで思っていたが、このテニスの表彰式は違っていた。
▼そういう意味で意外なものに思えた。それに優勝した大坂に「ごめんなさい」と謝らせたこと自体が異様。セリーナ・ウィリアムズの主審に対する抗議や、それを甘受した観客や大会関係者を酷評し「全米テニスが大坂選手にしたことは恥ずべきことだ」などと批判する記事を一斉にアメリカメディアは掲載した。
▼ニューヨーク・ポストは作家モーリーン・キャラハン氏の論評を掲載。表彰式で観客が大坂にブーイングし、全米テニス協会の会長が「私たちが求めた結末ではなかった」「セリーナは王者の中の王者」と述べるなど、勝者を侮辱するような対応をしたと指摘した。セリーナ・ウィリアムズも大坂をきちんとたたえなかったなどとし「これほどスポーツマンシップに反する出来事は記憶にない」とこき下ろした。同紙の別の記事は、「ウィリアムズの自己崩壊」と表現。
▼ニューヨーク・デーリーニューズ紙も「セリーナのラケット(破壊行為)が大坂を祝福すべき時を奪った」との記事で、主審に謝罪を迫ったウィリアムズに対し「謝罪を受けるに値するのは大坂だ」と断罪した。
【日刊スポーツから抜粋】
