「ちょ、一寸、私の話を聞いて下さい」とその男は、私を引き止めて言った。
「貴方は、神を信じますか」
「神・・・・神って、キリスト教の唯一神のゴットの事ですか」と私は聞いた。
「そう、そうです」とその男は言った。
「いや、僕は、キリスト教のゴットは、信じていませんね」と私は答えた。
「信じて下さい。神の御子で有る、主、イエス・キリストの愛を信じて下さい。イエス・キリストは、人類の罪を贖う為に十字架に掛かって、死んで下されたのです。信じて下さい。主イエス・キリストの愛を信じて下さい」
「ふふ、それは、随分お節介だな。僕が、信じてるのは、この拳だけですよ」と私は、右拳を突き出して見せた。
「ぼ、暴力はいけません。愛を、主、イエス・キリストの愛を信じて下さい」
「いや、男が、最後に頼れるのは、己のパンチ力とキック力だけですよ」
「あ、貴方は、不幸な人だ。可愛そうな人だ」
「は、はははは」
= イエス気取り =
イエス気取りの死刑廃止論者に、
イエス好みの往復びんたを送る。
正義は、峻厳でなければならない。
愛だけでは、世の中立ち行かないのだ。
たとえ、目の前で悪党が吊るされたとしても、
私は、憐憫の情など感じないだろう。
憎い奴は、憎いのだ。
石 兎
「貴方は、神を信じますか」
「神・・・・神って、キリスト教の唯一神のゴットの事ですか」と私は聞いた。
「そう、そうです」とその男は言った。
「いや、僕は、キリスト教のゴットは、信じていませんね」と私は答えた。
「信じて下さい。神の御子で有る、主、イエス・キリストの愛を信じて下さい。イエス・キリストは、人類の罪を贖う為に十字架に掛かって、死んで下されたのです。信じて下さい。主イエス・キリストの愛を信じて下さい」
「ふふ、それは、随分お節介だな。僕が、信じてるのは、この拳だけですよ」と私は、右拳を突き出して見せた。
「ぼ、暴力はいけません。愛を、主、イエス・キリストの愛を信じて下さい」
「いや、男が、最後に頼れるのは、己のパンチ力とキック力だけですよ」
「あ、貴方は、不幸な人だ。可愛そうな人だ」
「は、はははは」
= イエス気取り =
イエス気取りの死刑廃止論者に、
イエス好みの往復びんたを送る。
正義は、峻厳でなければならない。
愛だけでは、世の中立ち行かないのだ。
たとえ、目の前で悪党が吊るされたとしても、
私は、憐憫の情など感じないだろう。
憎い奴は、憎いのだ。
石 兎