読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

吉川トリコ「こんな大人になるなんて」

2021年05月14日 | や・ら・わ行の作家
徳間文庫2016年4月 初刷解説・豊島ミホ276頁「1996年のヒッピー」「冷やし中華にマヨネーズ」「寄生妹」「夏の草」「ポルノ姫」「ずくもない」「だれかの奥さん」あのころ思い描いていた未来に立っていない、ぜんぜん立っていない!いつのまにか遠くまできてしまった、私たちのための作品集愛知県出身、名古屋市在住のトリコさん舞台は、愛知、名古屋、東京でちらちら名古屋弁が出てくるのはいつものこと絶対忘れない . . . 本文を読む
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吉田修一「熱帯魚」

2021年04月27日 | や・ら・わ行の作家
文春文庫2003年6月 第1刷2018年2月 第8刷248頁「熱帯魚」「グリンピース」「突風」主人公は何れもどこにでもいるような不器用で弱い部分を持つ男たち裏表紙の内容紹介に『とびっきりクールな青春小説』とありますが、クールというより『カッコ悪い現実』ではないかと思いましたそれぞれ味わいはあるものの違和感を感じる主人公たちにも他の登場人物にも少しも共感できる部分がなく、あまり面白く読めませんでした . . . 本文を読む
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吉田篤弘「水晶萬年筆」

2021年04月22日 | や・ら・わ行の作家
中公文庫2010年7月 初版発行179頁アルファベットのSと〈水読み〉に導かれ、物語を探す物書き影を描く画家繫茂する道草に迷い込んだ師匠と助手月夜に種蒔く人買えないものを売るアシャもう何も欲しくない隠居のルパン人々がすれ違う十字路で物語が始まるふわふわとつかみどころのない物語自分の生活の中でも少し見方を変えればこんな世界が広がっているのかも想像しながら楽しく読みました毎回、吉田さん読後は、遠くを眺 . . . 本文を読む
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横山秀夫「動機」

2021年03月29日 | や・ら・わ行の作家
文春文庫2002年11月 第1刷2015年7月 第38刷解説・香山二三郎304頁短編集です「動機」警察署内で一括保管されることになった30冊の警察手帳が紛失犯人は内部か外部か男たちの矜持がぶつかり合います「逆転の夏」佐藤浩市さん主演のTVドラマ(2001年、TBS系)が良かったので読もうと、この短編集を購入しました女子高生殺しの前科を持つ男が匿名の殺人依頼電話に苦悩します「ネタ元」地方紙の女性記者 . . . 本文を読む
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吉田修一「平成猿蟹合戦図」

2021年02月02日 | や・ら・わ行の作家
朝日文庫2014年3月 第1刷発行539頁歌舞伎町のバーテンダー浜本純平は、ある日、轢き逃げ事件を目撃しますしかし、逮捕されたのは全くの別人真犯人への恐喝を目論むうちに世界的なチェロ奏者のマネージャー・園夕子と知り合った純平は、いつの間にか地元・東北から国政選挙に出馬することに…可もなし不可もなしそこそこ面白いエンタメ作品でした高良健吾さん主演でドラマ化されていますドラマに期待して、 . . . 本文を読む
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吉田修一「パーク・ライフ」

2021年01月10日 | や・ら・わ行の作家
文春文庫2004年10月 第1刷2019年 4月 第22刷177頁「パーク・ライフ」東京で独り暮らしをしている会社員の青年地下鉄日比谷線車内で思わず独り言を大きな声に出してしまい焦ったところ、旧知の仲であるかのように一人の見知らぬ女性が反応してくれ、何とか恥ずかしい思いをせずに済むという出来事があった日の昼休みいつものように日比谷公園で先輩とベンチに座っていると、あの地下鉄の女性がスタバコーヒーを . . . 本文を読む
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吉田篤弘「台所のラジオ」

2020年03月06日 | や・ら・わ行の作家
ハルキ文庫2017年 8月 第一刷発行2017年11月 第三刷発行317頁滋味深く静かな温もりを灯す12の美味しい物語「紙カツと黒ソース」「目薬と棒パン」「さくらと海苔巻き」「油揚げと架空旅行」「明日、世界が終わるとしたら」「マリオ・コーヒー年代記」「毛玉姫」「夜間押ボタン式信号機」「〈十時軒〉のアリス」「いつか、宙返りするまで」「シュロの休息」「最終回の彼女」ファンタジー色の濃いものからホンワカ . . . 本文を読む
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吉田修一「最後の息子」

2019年09月08日 | や・ら・わ行の作家
文春文庫2002年 8月 第1刷2017年12月 第17刷245頁「最後の息子」オカマの閻魔ちゃんの部屋で居候暮らしをしているイケメンタイトルの意味がわかる終盤、複雑な思いがしました「破片」酒屋を経営している父と次男、東京で暮らす長男母親は次男が10歳の時、豪雨による濁流にのまれて亡くなっています読後感はあまり良くなかったですが、それで記憶に残りそうです「Water」全国大会を目指す高校の水泳部員 . . . 本文を読む
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吉田修一「続 横道世之介」

2019年07月01日 | や・ら・わ行の作家
中央公論新社2019年2月 初版発行409頁    2009年に刊行された「横道世之介」の続編です   バブルの売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐ世之介、24歳先の暮らしがどうなるのか不安定な毎日ですが彼の周りには笑顔が絶えません 鮨職人を目指す女友達大学時代からの親友美しきヤンママとその息子そして27年後の2020年、オリンピックに沸く東京 . . . 本文を読む
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吉村昭「仮釈放」

2019年05月16日 | や・ら・わ行の作家
    新潮文庫1991年3月 発行2013年2月 25刷改版2017年1月 26刷解説・川西政明335頁     浮気をした妻を刺殺し、相手の男に怪我をさせたうえ、男の家に放火しその母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が16年後に仮釈放されます長い歳月の空白を経た元高校教師の目にこの社会はどう映るのか?己の行為を必然のものと確信して悔いることのな . . . 本文を読む
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吉田修一「路(ルウ)」

2018年09月03日 | や・ら・わ行の作家
  文春文庫2015年 5月 第1刷475頁   台湾に日本の新幹線が走る商社の台湾支局に勤める春香と、日本へ留学後東京で働く建築家・人豪の出会いと別れと再会台湾で生れ、戦後日本に引き揚げた勝一郎の後悔今を明るく生きる台湾人、陳威志の日常新幹線事業を背景に日台の人々の、国を越え時間を越えて繋がる思いを色鮮やかに描きます   登場人物たちの緩い繋がりと先を急が . . . 本文を読む
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吉田篤弘「雲と鉛筆」

2018年08月21日 | や・ら・わ行の作家
  ちくまプリマー新書2018年 6月 初版第1刷発行127頁   ぼくは屋根裏部屋に住み、鉛筆工場で働いている大きなことが書かれた小さな本を読み遠い街に出かけて、友人とコーヒーを飲む鉛筆を削って、雲を描き、姉に手紙を書いて、人生を考える     短いお話の中にキラキラ光る言葉がたくさん出てきます 例えばものは自分の外にしかないが、『気づいた』 . . . 本文を読む
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山本周五郎「柳橋物語」

2018年08月18日 | や・ら・わ行の作家
  角川文庫2018年 3月 初版発行解説・諸田玲子268頁     悲惨な境遇におかれた女性を主人公に描く2編 「柳橋物語」恋に恋していた17歳の時“待っていて欲しい”の言葉を信じてしまったが故、真実を見る目を曇らせてしまったおせん本当に自分を愛してくれていた男を見失ってしまい、四面楚歌の苦しみの中、闘って闘って、最後には正々堂々と . . . 本文を読む
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吉村昭「桜田門外ノ変」

2018年06月11日 | や・ら・わ行の作家
  新潮文庫2010年10月 15刷上巻 359頁下巻 398頁解説・野口武彦     幕末日本に大きな転機をもたらした桜田門外ノ変安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は討幕運度へと変わっていく現場の指揮者・関鉄之助を主人公に桜田事変の全貌を描き切ります   . . . 本文を読む
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吉田篤弘「電球交換士の憂鬱」

2018年05月21日 | や・ら・わ行の作家
  徳間書店2016年1月 第1刷発行269頁  2014年9月から2015年12月まで「読楽」に掲載された7作を単行本化にあたり加筆・修正したもの連作集です 「不死身の男」「よく似た人」「北極星」「煙突の下で」「砂嵐とライオンの眼鏡」「屋上の射的場」「静かなる電球」   22世紀の東京世界でただ一人、電球の交換を生業としている十文字彼が贔屓にしているバー〈 . . . 本文を読む
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