新潮社
2020年10月 発行
2020年11月 2刷
247頁
盲目の少女・とわは大好きな母と2人暮らし
母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれます
でも、とわが10歳を過ぎたある日、母がいなくなり…
それから何年か経ち、大きな地震をきっかけに、壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩きだします
おいしいご飯、たくさんの本、大切な友人、ひと夏の恋、そしてあの家の庭
盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていました
前半の闇パートは悲惨でショッキングな出来事の連続
しかし、後半の光パートで、とわが自立に向けて力強く立ち上がる姿に救われます
育児放棄をした母にも祖母から疎まれるという悲しい過去があったこと
そんな母が祖父からは愛されていたこと
何より、自分が母から愛されていたことを確信できたとわ
壮絶な体験も自分の人生の一部として、新たな人生の扉を開けるのした
とわを救った周囲の人々の優しさにしみじみとなります
人の生きる力ってすごい!
小川糸さんでは『ツバキ文具店』を読んだきりです。
どなたかが紹介されていたエッセイを2冊、そのあと読んだのでしたが、
肌に合わずと言いますか…。それっきり近づきません。
人生の扉、そんなタイトルの歌がありましたね。
『とわの庭』というタイトルは知っています。
文庫本になっているのなら、ちょっと読んでみようかなと思いました。
先日の乃南作品にも興味持ちました。
お健やかに、よい一年でありますように。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
私もデビュー作「食堂かたつむり」が凄く良かったのが、2冊目の「蝶々喃々」でガッカリ。以来、ずっと読んでなかったのですが「ツバキ文具店」で戻ってきました。本書も、それほど悪くはないと思います。期待は小さめに、是非。
乃南アサさんも久しぶりに読みました。
割と軽くて読みやすかったです。