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アンソロジー「掟」

2021年04月16日 | アンソロジー
ポプラ社百年文庫20
2010年10月 第1刷発行
2011年9月 第2刷
172頁

戸川幸夫
「爪王」
老いた鷹匠の最後の仕事は若鷹「吹雪」を育て上げることでした
まず、若鷹の誕生から成長を描き、その後、鷹匠に捕らえられ吹雪と名付けられその地の王者となるまでが描かれます
野生生物を飼育、調教する鷹匠の厳しさと愛情を、鷹が可哀想などという余分な感情抜きで描きます

ジャック・ロンドン
「焚火」
極寒の地で圧倒的な自然の力に屈していく男
猛烈な寒波の中、仲間の待つ場所へ向かう途中トラブルに陥り自分に死が間近に迫っている現実を認めざるを得なくなります
前に何かのアンソロジーで読んでいます
自分は大丈夫と思っていたのが、死ぬかもしれない、に至る心理や怯えが前回より分かって恐ろしかったです


バルザック
「海辺の悲劇」
気の向くままに旅する若い男女が訪れた岩山には「誓いを立てた人」と呼ばれる異様な人物がいました
男女への語りという形をとることで、ある家族に訪れた悲劇の残酷さを客観的に読むことができます


自然と人間の運命
厳かな掟にいどむ人たちを描いた3編でした

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