先日、花に詳しい方からオオビランジとビランジの違いについて確認されました。
写真をみて私なりの見解をお答えし、見分け方もお話したのですが、正解は教えていただけないままです。
山梨にはオオビランジ 、ビランジ、タカネビランジの三種類があります。
その違いについていろいろ考察されているブログもあるし、差異についての私見も
紹介されていますが位置づけについてはありませんでした。
そこで私が確認できた三種類の位置づけについてまとめてみました。
名前で誤解される方もいますが、
オオビランジ が基本種で残り二つが変種になります。
Ylistで確認すると三種類とも「標準」とあり、種として認識されていました。
オオビランジと変種の一番大きな違いは萼筒に毛があるかないかです。
またタカネは高山帯に生息という環境要素があります。
茎の上部の毛のことを書かれているサイトもありますが、上部という表現が定量的でなく
株の大きさなどによってあいまいになり、判別しにくい観点だと私は思います。
次に山梨県と国の位置づけについて説明します。
2018年の山梨県レッドデータブックに記載があるのはオオビランジとタカネビランジのみです。
そのオオビランジの備考にこう記載されています。
「類似種のビランジは山梨県独特のものであり、萼筒に線毛があり、背丈が伸びないなどの特徴が
あるが、形態に変異があり特定しにくいものがある。」
なにを言いたいんだかよくわからない文章ですね。
独特というのもすごい表現です。他の県で絶滅危惧種に指定してるとこもあるのですが、、
2005年の山梨県のレッドデータブック見るとその謎が解けました。
当時、ビランジはなんとCR(絶滅危惧IA類)!
その備考には、
「環境省2000年RDBの報告書では、本種はオオビランジに含まれてるが
本県では分離して扱った。」
県の断固たる決意がうかがえます。
この記載はタカネビランジも同様でした。
また2018年の山梨県のRDBのタカネビランジの備考にも同様なことが書かれてました。
2018年の山梨県のRDBにはビランジがなくなっているのは、環境省に従い、オオビランジに
含めてしまったということのようです。
オオビランジは環境省では準絶滅危惧種の扱いです。
日本のレッドデータ検索システムというページを見ると、
ビランジは山梨県はやめましたが、埼玉、群馬、長野、岐阜では絶滅危惧種にされています。
タカネは山梨と長野だけです。
ということで三種は環境省というか国としては2つの変種を含めてみており、山梨県も
ビランジを変種として区別していないという感じですね。
絶滅危惧種として観察したり、保護する場合はこの観点は必要ですし、知ってないといけないですね。
RDBをすべて読んでいないのですが、結構 特異的な植物なんじゃないかと感じました。