山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

メタカラコウ、カイタラコウ、オタカラコウ やり直し編

2024-08-09 17:49:05 | 似てる花の見分け方
以前記事を書いた時は図鑑を見て、
葉っぱの形、花の様子で区別できそうだがカイタラコウが少し?という内容でした。最近 咲き始めた花を見て「はて?」と思うことが多くなり、改めて「日本の野生植物」旧版を見てみました。

びっくりしたのですが
「花序」の形でまず分けられていました。
◯頭花は総状の長い花序につく
 総状といえばヤナギランの花のようなイメージです。
 こっちにぜんぶではなくオタカラコウとメタカラコウのみ

でカイタラコウはというと、
◯頭花は散房状花序につく なんだそうです。
花柄がほぼ一ヶ所という感じの花だということですね。

この写真は昨年仙丈ヶ岳に登る途中に撮ったものです。水の流れるところに咲いていました。咲いている花の左にある蕾を見ると結構ごちゃごちゃ花が集まっているのが見えます。なのでこんな感じの花がカイタラコウなんですね。
どっちかというとツワブキの花のような感じに見えます。

ということはすくっと花序が上の伸びて花を咲かせているのがメタカラコウとオタカラコウになりますね。その違いはと見ると、
総苞(そうほう)の形と数、小花の数、葉っぱの形の違いで見分けるようです。
小花の違いは多数か少ないかとあり結構抽象的なので使えない気がします。なんとなくは分かりますが、、。この違いを書かれてるネット記事はよく見かけます。

なので私は遠目では、
葉っぱが基部が心形(オタカラコウ)かほこ形(メタカラコウ)の違いで見分け、
近づけるなら、
総苞が筒状鐘形で8〜9個のオタカラコウ、狭い筒状で5個のメタカラコウで
見分けると確実ですね。

手書きで図にしてみました。
総苞とはどこかという例と基部の形の絵です。

そして前回載せた写真を見ると
花が少ないからメタカラコウかな?と書いてましたが、
葉の形がはっきり心形なのでオタカラコウでした。

今回はすっきりしました。
さすが「日本の野生植物」ですね。



生成AIで見分け方の記事をかけるのか?

2024-06-26 13:08:52 | 似てる花の見分け方
この間から無料で使える生成AIなるものを使ってみています。もよりの山の紹介や保護活動などをどのように紹介すればいいかと思って。
やってみてわかったのですが素晴らしいのひとことでした。繰り返し同じような表現がでてきたりもしますが、中にはああそういう視点もあるのかととても勉強になりました。

さて今回はいつもやっている似ている植物の見分け方に使えないかと思ったしだいです。かなり専門的でマニアックな事柄なので難しいとは思うのですがやってみました。
ちょうど釜無川の河原にいったらこれが咲いていたんです。
カワラサイコです。
以前からヒロハカワラサイコとの違いで悩んでいたので試すことにしました。

そこで生成AIに「カワラサイコ ヒロハカワラサイコ 見分け方」と入力してみました。
以下作成された記事です。すごくないですか?
同様なことを書こうとしたら出典を記載したりします。また記載しない場合は同じ文章にならないように考えないといけません。この記事もどこからか引用し加工しているのだと思いますがそういった著作権の問題は大丈夫なのでしょうか?
この記事を多少整理して(まだ一次出力しただけなのでまだまだ修正は可能)、写真をつければ私の文章とは違ってとてもわかりやすいものになります(^_^;)
ちなみに見分け方ではなく、「違い」と入力した際はヒロハカワラサイコは環境省絶滅危惧二類であることも書かれていました。また私が間違っているのですがヒロハカワラサイコではなく、ヒロハノカワラサイコですね。でも文章は間違えにあわせてくれています。そこは謎です。

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カワラサイコとヒロハカワラサイコの基本情報
カワラサイコの特徴
 カワラサイコ(河原柴胡)は、バラ科キジムシロ属の多年草です。この植物は主に河原や砂礫地に自生し、名前のとおり河原でよく見かけられます。カワラサイコの葉は通常、細長い形状を持ち、奇数羽状複葉と呼ばれる構造をしています。花期は5月から8月で、黄色い小さな花が特徴です。ちなみに、キジムシロ属にはオヘビイチゴやその他の類似種も存在し、見分けるためには細部をよく観察する必要があります。
ヒロハカワラサイコの特徴
 ヒロハカワラサイコ(広葉の川原柴胡)もバラ科キジムシロ属の多年草で、主に砂地や海岸に自生します。この植物はカワラサイコによく似ていますが、大きな違いはその葉の形状にあります。ヒロハカワラサイコの葉は広めで、奇数羽状複葉の構造を持っています。花期は5月から8月で、黄色い花を咲かせる点ではカワラサイコと同じです。しかし、この植物はその広い葉が特徴的で、砂地や海岸という特殊な生育環境にも適応しています。

見た目の違いによる見分け方
葉の違い
 カワラサイコとヒロハカワラサイコの違いを見分けるために、まず注目すべきは葉の形状です。カワラサイコの葉は狭く、やや細長い形をしており、三出複葉の特徴があります。一方、ヒロハカワラサイコの葉は名前の通り広く、奇数羽状複葉となっている点が特徴です。この違いによって、視覚的に区別しやすいと言えるでしょう。
萼片と副萼片の違い
 次に、カワラサイコとヒロハカワラサイコの見分け方として、萼片と副萼片の違いに注目すると良いでしょう。カワラサイコの萼片は細長く、副萼片も小さめですが、ヒロハカワラサイコの萼片はやや広く、しっかりとした形状を持っています。また、副萼片も大きめで目立ちます。これにより、萼片と副萼片の比較を行うことが、見分ける際の重要なポイントとなります。

分布と生育環境の違い
カワラサイコの分布と生育環境
 カワラサイコは、主に河原や砂礫地に自生する多年草です。日本全国に広く分布しており、特に川沿いや水辺の環境を好む傾向があります。この植物は乾燥に強く、土壌が栄養不足でも比較的よく育つため、管理が容易です。
ヒロハカワラサイコの分布と生育環境
 ヒロハカワラサイコもカワラサイコと同じく日本全国に分布していますが、特に砂地や海岸地帯を好む生育特性があります。葉が広めで奇数羽状複葉を持つため、荒れた砂地でもしっかりと根を張ります。この植物もカワラサイコ同様、乾燥に強い性質があり、厳しい環境でも健全に成長する力を持っています。

まとめとアドバイス
見分けるためのポイント
  カワラサイコとヒロハカワラサイコを見分けるためのポイントは、主に葉と萼片の形状に注目することです。カワラサイコは細長い羽状の葉を持ち、葉の縁に細かい鋸歯があります。一方、ヒロハカワラサイコは広めの羽状複葉を持ち、歯の先端が鋭くないとされています。萼片の形状に関しても、カワラサイコはやや尖った形状の萼片を持つのに対し、ヒロハカワラサイコの萼片はやや丸みを帯びています。このように、植物の特徴を細かく観察することで、確実に見分けることが可能です。
実際に観察する際の注意点
  実際にカワラサイコやヒロハカワラサイコを観察する際には、いくつかの注意点を守ることが大切です。まず第一に、自然環境を損なわないようにすることです。観察時には植物を引き抜いたり、周囲の環境に大きな影響を与えないように心掛けましょう。また、観察する場所によっては、立ち入りが制限されている地域もありますので、事前に確認を行いましょう。他の植物との見分けが難しい場合には、写真を撮って後で調べると良いです。最後に、雨の日や強風の日は観察を避け、安全に留意することが重要です。

イワカガミのお仲間の見分け方

2024-05-29 14:47:17 | 似てる花の見分け方
山梨では4月の中旬くらいからイワカガミが咲き始めました。最初に咲くのは地元ではカイイワカガミと呼ばれている白い花で静岡や神奈川など実は僅かな地域にしか生息していない種だそうです。私が見かけたのは南部町、御坂の毛無山などのまわりまで、甲府の帯那町のまわりの山、南アルプス前衛だと源氏山や櫛形山そして高谷山あたりまです。そのあたりが北限のよう。
それから北側はイワカガミが咲きだします。滝子山からずっと茅ヶ岳あたりまでの奥秩父の山、八ヶ岳、南アルプス。高いところに咲くのは小さいのでコイワカガミというそうです。どのくらいの標高でわかれるのか把握できていません。また道志あたりのこれは長野や新潟で見るめちゃでかいオオイワカガミとほんとうに極端に大きさが違いますね。

さて先日どんな見分け方になっているのか県立図書館にいったついでに新しい「日本の野生植物」を調べて見ました。第四巻、P213です。

まず驚いたことに、
イワカガミ、コイワカガミ、オオイワカガミですが大きな変異はあるがDNA集団解析の結果、全く同じものなんだそうです。見た目通り、このイワカガミ 小さっ!、でかっ!でいいってことですね(笑)。
新たにわかった悩ましい点はヒメイワカガミという馴染のない種が存在することです。カイイワカガミと呼んでいる種はこのヒメイワカガミの変種でヤマイワカガミという種名でした。
さてまず大もとのイワカガミとヒメイワカガミの違いですが、
「葉の頂端」の違いで見分けるようです。イワは短く尖り両端の鋸歯と同じくらい、ヒメは鋭く尖り両側の鋸歯より高いそうなんです。
イワカガミ オオイワカガミ@雨飾山下の方
どれが頂端かわからないくらい小さな鋸歯がいっぱいですね。

ヒメイワカガミ(の変種 ヤマイワカガミ)@櫛形山
たしかに葉の先が尖っている感じでまわりよりは高いですね。

丸い感じの葉っぱに小さな鋸歯があればイワカガミかなと。
ちなみにヒメイワカガミの花色ですが赤〜ピンク以外にも白もあるのだそうです。ということでヤマイワカガミとの比較も必要でした。
違いは「鋸歯」
ヒメは1〜5対で広三角 まああまりギザギザしてない感じ。
ヤマは8〜18対で三角で針状尖る  小さく尖ったギザギザいっぱいかな。
上の櫛形山の葉はギザギザいっぱいですね。

悩ましいヒメの分布は紀伊半島、中部、関東の太平洋側。
なんとなくですが山梨にはヒメはいないかも、、、と思って昔の「山梨県植物誌」を見たら、
イワカガミ   南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士山
コイワカガミ  富士山
ヒメイワカガミ 南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士山
ヤマイワカガミ 南アルプス山系、八ヶ岳、奥秩父、富士川
となっていました。
八ヶ岳や奥秩父(帯那山周辺は除いて)にヤマイワカガミあるのって感じです。
ヤマイワカガミは林床のイメージありますが御坂や南部では尾根筋でした。

近くでヤマイワカガミの上限と思っている高谷山とイワカガミのある鳳凰三山、そのあたりにヒメがないのか過去の写真を探ってみたり、今年歩いてたしかめてみるのもいいかなと。南部はヒルがいるので近寄りたくないし。

ヒメがわかれば山梨県の地図に分布を書いてみたいものです。

よくご存知の方、あるいはこの山はこのイワカガミだったよというコメントをお待ちしています。

      

とってもわかりやすいコウモリソウとオクヤマコウモリの見分け方

2023-07-23 13:27:06 | 似てる花の見分け方
よく山で見かけるコウモリソウですが数年前からオクヤマコウモリもあることがわかった。
その時に調べた見分け方は、
オクヤマコウモリは「葉に翼があり基部は茎をだく」と書かれていました。その図鑑のオクヤマコウモリの同じような写真がこれです。

右側は拡大したものです。翼があるのは見て取れますが、茎を抱いてるかは微妙かなと。他に多くを見てると茎が茶色くてくねくねしてて葉柄に翼があるものがあるのでそれかなと思ってました。

ところが先日登った山でこれはわかりやすいというオクヤマコウモリを見つけました。


右側は拡大したものです。
翼があり、茎をだく。これだけわかりやすい例はないですね(笑)。
なので私的にはここまでのものだけオクヤマコウモリに認定することにしました。




このイチゴの花はなんだろう?

2023-07-20 13:44:38 | 似てる花の見分け方
先日 櫛形山で見かけた小さな花。見るからにイチゴの仲間のような感じだ。いつもなら山梨にあるイチゴはと調べるのだけど、最近の「らんまん」を見ているとまずはじっくりと植物を観察することが大事だと感じたのでやってみましょう。



○花弁は白く細く5枚が五角形の対角線に広がる。
○花弁より額のほうが大きく、かなり離れている。
○葉は5枚、奇数羽状複葉
○葉裏は白い(毛で覆われている)
○対生
○葉柄や茎などに鋭いトゲあり

「日本の野生植物」木本編のバラ属の分類でいけば、
第一関門は、
○托葉は葉柄に沿着か、離生か
 → 下の写真を見ると葉柄についている。
 こういうのもきちんと観察してないといけませんね。
第二関門
葉は単葉か、3〜多数の小葉か。
 → 5枚でした。
第三関門は葉の裏面が緑色か白色か。
 → 白色

これで候補は7種、第四関門が花の色なので
白色だと2つに絞られました。
エゾイチゴとミヤマウラジロイチゴです。
次の関門は茎や枝の針、茎や枝や萼などの毛、花枝の葉の数と
比較ポイントがいっぱいありました。またそれぞれに変種もあります。花枝の葉の数からいえば写真の植物はミヤマウラジロイチゴが妥当な気がします。

山梨県植物誌をみるとミヤマウラジロイチゴだけでなく、北海道に分布とあるエゾイチゴが金峰山にあると書かれていました。これはこれで稀な例として確認してみたいものです。

残りは変種にあたるかですが、
葉裏が緑のシナノキイチゴではないので、残りはイシヅチイチゴ。茎に刺針と軟毛を密生し全体に小型とあります。写真を見る限り雰囲気が違います。

また植物誌のミヤマウラジロイチゴの欄に櫛形山には腺毛のないナエバキイチゴがあると書かれていました。このナエバキイチゴは手持ちの日本の野生植物旧版にはのっておらず、Ylistではミヤマウラジロイチゴの別名の扱いでした。
いずれにしても茎や枝や萼のトゲや毛をよく観察すれば確定できそうです。ナエバかどうかも含めて。