山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

キケマンの世界

2021-04-22 20:59:00 | 花探し
春先  この花を見かけて
「キケマン」と呼べる人は多いだろう。有名ですから。
昔   日比谷公園で咲いていました。今はどうでしょう?

では山で見かけた時、ミヤマキケマンとの違いがわかる人は少ないかもしれない。

でもここからさらに秋にかけて
ヤマキケマン
ツルキケマン
ナガミノツルキケマン
と似たものが咲き出してきます。

中でもツルキケマンは環境省IB類にして、山梨ではまだ未確認なはず。
まわりの県は絶滅危惧I類だけどないはずはないと思います。見つけると大発見?
ナガミノツルキケマンは環境省準絶滅危惧種にして、山梨では生息確認が2018年度版の調査では
できず、情報不足としてにまとめられている。全国で19も準か絶滅危惧種に指定されている。
何箇所かで見かけているけどまだまだあるんじゃないかと。
残りのヤマキケマンは山梨では昔の記録では「稀」とあるが特に絶滅危惧種に含まれていない。
これも見かけたら場所を記録しておいたほうがよさそうだ。

ありふれたキケマン、5月からももういいかと思わず希少種かもと疑ってきちんと写真を撮っておく
と思わぬ発見につながるかもしれないです。

2019/08/19







再びキランソウ問題 発覚!

2021-04-17 09:25:00 | 山に咲く花
前に書いたタチキランソウのこともあって、この春は丁寧に写真撮っています^^;
ところが山にはツクバキンモンソウが花開いてきて新たな問題が出てきました。
ツクバキンモンソウと似ているといわれているニシキゴロモ、日本海側だけと
思っていたら山梨のレッドデータブックに載ってました^^;
違いを見ると淡紫色で上唇が長く2裂してると。ツクバキンモンソウ  は白色だから
いいけどタチキランソウとかぶるなぁと。

そこでキランソウの仲間をリストアップしてみると出るわ出るは、悩ましいものの
オンパレードでした。

まずニシキゴロモ関連では、
シロバナニシキゴロモ     ツクバキンモンソウと見分けにくいじゃん^^;
キランニシキゴロモ        なにそれ?インスタに1件投稿あり。これを参考にしよう!

キランソウ関連でも
シロバナ                  見たことあるな〜!
モモイロ                  見てみたい!
ウズ                        ネット検索では差異がわからず
テリハ                     葉っぱの違い? それだけなら見たことある気がします。
オニ、ヒメ、ヤエヤマ  九州南部から沖縄のほうのもの  よかった関係ない!
シンチク                   外来種だけど差異わからず。
ウド                        差異わからずというか写真も見つからず
ジュウニ                   ジュウニヒトエとの交雑種。両方の中間の形態を幅広くもつとのこと。
                              なんとなくキランソウというよりはジュウニヒトエに似てるというものを
                              見たことあるのでそれかもしれないと思うけど。咲きはじめだと難しいかも。
タチ                        やっとキランソウとの差異が確認できたが、他の品種との違いもはっきり
                              しないと、、、

地域が違うもの以外で
写真や差異が不明なものを除いて比較表づくりですね。
それで頭を整理して、あとはひたすら写真を見るかなぁと。インスタにいっぱいあるし。
またこれから山にいっぱい咲き出すので丁寧に観察し、写真を撮っておこうと思います。




憂鬱な林道開通の時期がやってきた。

2021-04-15 07:58:00 | 残念なこと
山梨では山へ行く多くの林道が冬季閉鎖されます。
そのためか早春の花の存在が知られることが少なく守られているともいえます。
4月末から  いよいよ林道が開通します。山の花に会いに行けるのが楽しみです。

開通にあたって、林道に落ちてきている岩や木の片付けがはじまっています。
また溝にたまったたくさんの落ち葉などの除去も。

しょうがないことだと思うのですがこれらの多くが林道脇に置かれます。
置き場を決めている山もあります。

ただそこにはスミレやニリンソウなどの花が暮らしているんです。

林道が開通し、車で通る時や歩いて花探ししている時にどうしても
たくさんの落ち葉や砂利が置かれてなくなってしまった場所を見つけては
憂鬱になります。
去年ここにはニリンソウがいっぱい咲いていたとか、ああここのスミレの群生地も
半分くらいになったなぁとか。
この花咲く小さな沢も潰されちゃったなと。
市街地はもっとですが、、、

そんな中でそういった厚い落ち葉の下からがんばって顔をだしている芽や
何年か前に置かれた土砂の上に花咲くニリンソウ見るとうれしくなります。

これに関してはなにもできないのが残念です。
ただ同じ花が暮らす環境を少しでもよくすることはできます。
今年は目についたゴミだけは持ち帰ろうと思います。






里や里山の春の花

2021-04-13 21:34:00 | 花探し
思い返すと去年コロナで山に入れなくなったことがきっかけだったように思います。
4月の途中から入れなくなり、林道も閉鎖のまま。
いつもの春の花の咲く場所に行けないし、山中にも花探しにいけない。困ったことが起きたなと。
まあしょうがないと気持ちを切り替えて、普段は車で行く林道を歩いたり、近所の里山の麓を
ぶらぶら歩いてみることにし、また山梨には自然を活かした公園も多いのでそこも歩いてみました。

そこでわかったことはこれまでいわゆる有名な群生地に見に行っていた春の花がわりと身近な
場所にあったり、貴重な花が普通にあったりしたことです。
山梨は山だけじゃなく、里や里山も自然がいっぱい残っているんですね。びっくりしました。

その現象は今年も続いている感じがします。
コロナ中に調べた古い神社や旧道を歩いてみると珍しい花にいっぱい会うことができました。
ニリンソウやイチゲが田んぼの畦にいっぱい咲いていたり、道にハナネコノメやニリンソウが
じゅうたんのように葉をのばしていたり。近所の土手にはじめてのスミレがいくつも咲いてたり。
散歩している時にそんな新しい発見ができると感激しますね。ほんとうに。

贅沢なことですがカタクリ、ニリンソウ、イチリンソウ、ハナネコノメ、ユリワサビ、
セントウソウ、レンプクソウ、ワチガイソウなどあまり自分的には珍しくなくなった花も多いです。

またこれまで遠くの山まで会いに行っていた貴重だったり好きだったりした植物の葉や花を見かけ
ることも多くありました。そこで気になる植物は昨年リスト化して花を確認しに行くことにしたの
ですが、去年の積み残しの春の花近いのでずいぶん確認が進みました。でもまた宿題も増えて、、、
うれしい悲鳴です。

身近な里や里山や山で貴重な花を見つけることはその場所や地域の良さを再発見した気になります。
みんなこんなに素晴らしい場所に住んでいるんだよって。
山野草が好きだけどもう年とって山を歩けずにさみしい思いをしている人には山梨は標高が高く
手軽に散歩やそれほど登らず山野草を見に行けるので、天国のような場所かもしれません。

しかしこのあたりは南アルプスユネスコパークでは緩衝地域という場所で、人の生活と密接に結び
ついている場所でもあります。すぐに人の生活のために素晴らしい山野草がなくなるかもしれない
リスクを常に秘めています。もちろん保護されている場所もありますがほとんどは生活している
場所共存しているんです。だからこそ、そこにある花の素晴らしさ、それを育てている環境の良
さをそこに一緒に住んでいる人達に知ってほしい、そして一緒に守ってほしいなぁと最近よく
考えています。

なにかいい方法はないものでしょうか?

最近思ってることを少しだけダラダラと書いてみました。
今年は花が例年より二週間くらい早い気がします。
今年は近くの山や湧水地などをこれまで歩いたことのない道を重点的に歩きながら花探しを
やっていこうと思います。









フクジュソウとミチノクフクジュソウ

2021-04-13 15:09:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれ、早春の花福寿草です。
春の訪れを告げる花という感じですね。

山梨にきてはじめて見た野生のフクジュソウです。

日本のフクジュソウはずっと一種類だとされていたが熱心な研究者のおかげで四種類に分類されることがわかったそうです。植物学には詳しくないのですが、葉の形があまりにも違っているのに同じ種だったり、毛のわずかな違いで別の種類だったりと何が違うと別な種類にするのとすぐに思ってしまう私にとっては、既成概念をひっくり返すのはさぞや大変だったんだろうなと感じます。

さてその中で山梨にあるのは標題のフクジュソウとミチノクフクジュソウの2つです。
ともに山梨県絶滅危惧IB類ですが、ミチノクのみ環境省準絶滅危惧種です。
昨年までに他のいくつかの生息地でフクジュソウを見たのできちんと見分けられるようにしようと思います。
ただ残念ながら持っている図鑑類はどれも古くミチノクフクジュソウは掲載されていませんでした。
そこでネット上の情報を集めて整理しました。

一番多かったのは、
◯萼片の長さがは花びらと同じくらいのものがフクジュソウで、短いものがミチノクというものです。
他には
◯茎が中空がミチノクで中空でないとフクジュソウ
◯咲き始めはミチノクが遅い
△花数、分枝のしやすさ   サイトに寄って一番意見が違う部分だったので△としました。

山梨ではレッドデータブックみると北部地方にミチノク、南部のほうにフクジュソウが主に生息して
いるようです。長野県は逆で北のほうにフクジュソウ、南にミチノクなんだそうです。地域での区別も難しそうです。

まずミチノクで山梨で一番有名と思われる山梨市の標高600mのお家ではこのブログ見る限り、早い年は1月から咲い
ています。もっと早い年もあったようです。最初の写真もここで撮ったものです。

フクジュソウがほぼ同じ標高で咲く西桂町の「とうざんの里」では、昨年コロナで中止になりましたが、
一般公開時期を2/9〜19とされていました。同時期です。

また一昨年知人に教えていただいてミチノクを見に出かけたのは4月の終わりでした。咲きはじめは4月はじめだったそうです。他のミチノクの開花も3月末頃が多く、逆にフクジュソウは2月開花が多いです。山梨市のミチノクを唯一の例外とすればミチノクがかなり開花が遅いというのは当てはまっています。実際同じ山で二ヶ所自生地があり、同じ日に見に行ったら片方はすべて花が終わっていて片方は満開だったことがありました。花が終わっていたほうはフクジュソウだったのではと考え、今年2月に確認するつもりです。

これはフクジュソウの自生地でとったものです。

区別ポイントで萼片は花弁と同じくらいとされてますがさほど長くはありません。最初の写真と比べてもあまり差がありません。なので萼片もそれほど顕著に違うわけではなく見分けポイントとすると苦労しそうです。

山梨県のRDBでは茎の中実な点が区別のポイントとのみ書かれていました。花が咲いているときはかわいそうですが葉が枯れかけているときに確認してみようと思います。一番確実な見分けポイントになりそうです。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
早春の花が咲き始めました。いろいろ確かめに行きたいと思います。