山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

今年一番考えたこと

2020-12-31 23:12:00 | 貴重な花
もうすぐ今年が終わります。
今の気持ちを書いておこうと思いつきました。

山野草が好き! という気持ちに気づいて
花を探したり、新しい出会いを求めて山を歩いた二年でした。
このgooブログもそういった際に出会った花について多くの人に知ってほしいと
思いはじめました。
こんな可愛い花、珍しい花に出会ったことが嬉しくて書きました。
また花の名前がわからなくって調べてその差異がわかったら嬉しくってまた
ここに書きました。わからなかった花の写真も。
同じ気持ちの山野草ファンのために。
花の可愛さや希少性を他の方に知っていただくことは共感を呼び、山野草に
もっと関心を持っていただくことになり、保護する人がふえたり、こういった
活動への理解者が増えると普通に考えていました。

ただ去年から希少な花の保護活動に携わることになり、いろいろ調べたり
調査したりしていくことでずいぶん自分の気持ちが変わってきました。

鹿が食べたのでなくなったと思っていたものが、人間の欲望により盗まれたり、
踏みつけられたりして壊滅的になったものが多いこともわかりました。
また希少な花はささいな情報が口コミで拡散して多くの方々に広まることも。
そこでいい写真を取ろうと多くの方が集られることもわかりました。
中には綺麗な写真を取ろうとされるあまり根元や幼苗を平然と踏みつけられる
方がいることも知りました。保護のための保護柵やロープがはられいてもです。

また自分が希少な花を見つけたことを私が最初に考えていたように悪気がなく
SNSに投稿されている方が多いこともわかりました。気をつけて読むと場所が
わかることも多いです。
そういった投稿を見て、実際にいくつか私も希少な花に出会ったこともあります。
でもそれが花にとって悪い環境を生み出しているとは思いもよりませんでした。

上にも少し書いたように今年一番ショックだったのは、保護策のロープはられた中に
希少な花のあることが知れわたったらしく、ロープに内に踏み跡の道ができ、
一部株がなくなっていました。ロープ内をウロウロしていた方に遠くから注意したら
逃げ回られたこともありました。またブログに場所を書かれていました。
この花の場所を話している人も見かけました。

唖然としました。いろいろの人に伝わった情報は簡単には消せません。
来年からはもっと情報が広がり、鹿よりももっとずるがしこい人に対する
対応を考えないとまた無くなってしまうでしょう。
ささいなことで先輩方が守ってきたものがまた危機にさらされるのは我慢できません。

なぜこんなことになってしまったんでしょう。
私もそうですが、人間のサガを低く見積りすぎたのだと思います。
希少な植物の過去を学ぶと多くは盗掘により希少になったことがわかりました。
ウチョウラン、アツモリソウ、スズランなどあげればキリがなさそうです。
そしてまた歴史は繰り返されようとしています。

そういったこともあって
なんとか出来ないかを模索しながら、ここを書き続けることにしました。
希少な花の情報を一切まわりに発信しないという自分でできることは当然ですが、
もっと希少な花守るすべを考えて、共有してくださる人を増やすためにも。

2020年気になった花 その1 ハッカ

2020-12-21 12:39:00 | 散歩道の花
近所の小さな川に咲いていた花。
花にあまり近寄れないのでずっと段菊だと思っていました。
この夏 かなり伸びて手の届くところにあったのでよく見たら
ハッカでした。葉っぱなどの感じから和ハッカかなぁと思ってます。


ハッカといえば山で虫除けに使うハッカスプレー、そうですよね。
北海道の北見が有名ですね。なので寒冷地にしかないのかなと思っていましたが、
なんとこんな身近に。
うちのまわりからもう少し下流まで見てみるとかなりあります。
そこでなんとかハッカスプレーが作れないか懸命に調べ、考えてみました。

乾燥した葉っぱや茎の重さに対して1.5〜2%含まれているとのことで
北見では葉を乾燥させ、水蒸気蒸留して油分をとっているそうです。
そこからメントールを晶析し除去した残りの油をさらに蒸留して精製して
つくっていました。

学校の化学実験ならまだしも家で蒸留するのはいろいろ大変そう〜!
晶析はしないほうが油の中のメントール量が多いのでこれはパスできるし、
うまく何かで抽出できないもんだろうか?
溶解性を調べたら水に難溶らしい。エタノール、エーテルや石油エーテルやクロロホルムなどにも
よく溶けるそうなのでまずは害のなさそうなエタノール抽出を試すのがいいかも。

気になってハッカスプレーの作り方を調べてみたら、
◯無水エタノール  5
◯精製水  45
◯ハッカ油  5〜10滴
となっていて アルコール濃度は10%でいいみたいです。
またハッカ油のメイン成分メントールは30%以上とJISで決められており、
残りは薄荷に含まれる成分で溶剤などは特にいれられてないようです。
なので5〜10滴   ハッカ油の比重が0.9くらいなのでそこはあまりにせずに
5〜10gハッカ油/10%エタノール水溶液50mlを目標に、エタノール水溶液で抽出にトライです。

葉っぱや茎を乾燥させて、よく砕いて、コロナ対応で最近よく売られている70〜80%の
エタノールに漬ける。そして葉っぱや茎をコーヒーフィルターなどで除去するか、
はじめからお茶などを入れる小さな袋に砕いた葉や茎をいれておくのもいいかなと。

まずはやってみて不純物というか、どんなものがエタノール側に出てくるのかみようかなと
思っていたら冬を迎えました。残念!

来年までに
降りれそうもない川岸のハッカをどうやって収穫するか
どの成長のタイミングが一番メントールが多いのか
栽培は簡単か
などを調べておこうと思います。







名前の分からなかった花(その1)

2020-12-17 19:54:00 | 花探し
今年もいろいろな花に出会った。
Googleレンズのおかげでずいぶんと名前が簡単にわかったけども
それでも???の花もあった。
Facebookなどのよく知っている方がいるところでも聞いてみたけど
わからずじまいだった。来年の宿題としてのこしておく。

その1   ホタルブクロにしては小さく上向きで、シャジンにしては花が大きい!




8月末  標高2000m付近、よく日の当たる場所に咲いていた。
最初はヤマホタルブクロと思ったけど、
花びらの開き具合や形も上向きであるところも、、、
違いすぎる!!
どちらかといえばトウヤクリンドウなどにちかいのかも。



来年の花探しの方向性(未定)

2020-12-04 20:07:00 | 花探し
花がほとんど山になくなったこの時期から来年はどこを歩こうかと考えはじめています。
例えば、
1、去年 見かけた希少種の葉っぱで花を確認したい場所
2、まだ見たことがない花を探してみたい場所
3、過去の本に希少種や山梨にないとされる花があったと書かれていた場所
4、まだ歩いていない沢沿いや草原を通るルート
5、お気に入りの山のまだ確認できてない花が咲いてる場所
こんな感じです。
データベースに候補をあれこれ入力しています。

私は希少種ハンターではないし、山野草の写真マニアでもないので
期待できる花が咲いてそうな山登りのルートを探し出し、そしていい時期をリストアップして
候補にしていくことになります。毎年この花を見に行くという定点観測もあまりありません。
ただ奥さんの希望があれば再訪するだけです(^_^;)
あとヒルがイヤというご要望もありますし、花がないと山歩きはきついといわれるのは避けたいし、、、

今年はコロナで去年つくった候補の半分も行くことができませんでした。
その上、今年さらに候補が増えて来年は大変なことになりそうです。
その中でも見つかると嬉しい県の野生絶滅や情報不足のもの、あとは環境省の絶滅危惧種の
ランクの高いものを優先していこうかと考えています。
ただ南アルプス方面(2と4に合致)はほとんど歩いていないので、来年はそっちと
1や5だけでもいいかもと思ってます。
このあたりが自分が何を大切に思っているかが問われますね。まだまだ悩みます。

それにしても山が多く、自然が多く、あちこち歩けば希少な花に会えそうな感じがするので
歩くのが楽しいです。そして希少な花を見つけだし、必要であれば保護などの環境改善に
結びつけあれればいいなぁと思いまず。毎年1つでも。
息子や孫の世代にもその花を楽しめるように。











山梨県のレッドデータブックに関する誤認識。

2020-12-02 21:08:00 | 基礎知識
山梨県のレッドデータブックは最初は2005年版と今回の2018年版の二つがあります。
いつもみているのは県のHPに掲載されている2018年版でした。
そこには県内を65の二次メッシュで刻み、その存在場所をしめされていました。
それによってだいたい八ヶ岳周辺かなとか、富士山の近くだなぁと思っていたわけです。
メッシュは10km✖️10km  株数は100が基準です。ただCRなどはそこまでなくても
メッシュに記載されているのではないかと思われる表記があります。
このメッシュ数は絶滅危惧種の判定の重要な要素になっています。

2018年版の図の凡例はこの3種類でした。
◯2005年出現
◯2015〜2017出現
◯両方の調査で出現

これをみて、前回の調査結果が反映されていてわかりやすいなと思っていました。

ところが先日図書館で2005年版を見ていたら、その凡例はこうなっていました。
◯標本
◯写真、文献、野帳
この2つです。
比べたら、この2つはそれぞれ同等の扱いで2018年版に反映されていました。
この凡例だけ読むと過去の標本や記録の集大成を載せたように感じられます。
作成方法の部分を読むと、文献や標本(個人のものも含む)を調査してリストを
つくり、それを元に現地調査をされたとあります。
ただこの中で開発行為や乱獲による急速な消失が想定されるもの種について
重点的に調査したと書かれており、すべて現地調査して確認したわけではなさそうだ。
マンパワーを考えると仕方ないことだと思います。

2018年版では、引用するが
2005 年度版山梨県レッドデータブックに記載された 455 種と環境省第4次レッドリストの
追加種の現況把握調査を行うとともに、2005 年以降県内で生育が確認されている未記載種
及びニホンジカの食害による植 生の変化や開発行為等による生育適地の減少のため急速な
消失が想定される種についての補完的調査を重点的に行った。

と書かれており、すべて現地調査を行なっていると思われます。
したがって今回のレッドデータブックを見る際には、2005年出現凡例のものは当時から
もなかったのかもと考えてもいいかもしれません。特に希少性の低いものについては。

最後に2005年版に気になる表記があったので紹介しておきます。
ラン科の植物は近年乱獲が激しく、存在を公表すること危険性が指摘されたということです。

メッシュの公表は私も同様の考えです。メッシュ内は広い範囲とはいえ、知っている人が
丹念に探せば見つかる可能性は否定できません。ましてや最近はインターネットに具体的な
多くの文章や写真が無造作にアップされており、それを参考にもできます。メッシュを今後
無くしても本は残ります。なのでそういうネットへ情報公開の制限をするべきだと私は
考えます。実際に守っている山の名前を書かれたのを注意しても過去の情報は修正されませ
んし、どうしようもありません。早く条例化してほしいものです。
また知らずに掲載されてしまう危険性の除去についてはYAMAPが検討中です。結果を
楽しみにしたいと思います。