山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

環境アセスメントと希少種の発見

2023-02-25 20:05:00 | 花探し
最近、希少な花のネット検索をしていて環境アセスメントの調査によって見つかった希少種があることがわかりました。
山梨県の植物を知るには昔の「山梨県の植物誌」や各市町村誌(別途記載予定)、昔の山のガイドブックなどをみると書いてあります。ただ古いものが多いですね。

そんな中、最近  環境アセスメントの調査記録を見る機会がありました。それを見るとあれってこんなところにもあるのって花も。レッドデータブックのメッシュ外も見つかりましたし、植物誌にも載っていない種もありました。
どういった会社や団体が調べられているのか知りませんが詳しいです。

さらに見ているとそういった環境アセスメントでしばらくわからなかった種が見つかったとの話も見つかりました。また環境アセスメントで希少種が見つかったので移植し保全したという話やルートを変更したという話も見つかりました。
面白いです。
さらには環境アセスメント結果に対してパブリックコメントを求めてますがその中にも珍しい山野草の話が書かれていたりもしました。やはり山梨は希少な花やまだ未確認の花がひっそりとあって、じっくり調べれば見つかるもんですね、すごいです。

山梨県の環境アセスメント制度はこのように定められています。
いろんなケースで実施されてるのですね。

環境アセスメントの調査例は今話題のリニアをご覧ください。
といってもこれをみる人は私と同じめちゃくちゃマニアックな山野草好きですね。
丁寧に見ないとなにもわからないですから。

山梨では他にも大規模な太陽電池の設置や新しい林道敷設、公共の焼却炉設置などで実施されてます。
新しい生息地や新しい種を探している方は探してみると面白いと思います。
花が咲き出すまでに。


Ylistのこと

2023-02-15 19:54:00 | 基礎知識
数年前、山野草の花が好きになってあれこれネットで調べはじめたときいくつかの疑問にたどり着きました。
◯この花の科名が違うけどどっちが正しいの?
◯地域の名前がついているこの花は桜の品種みたいに勝手に地元の人が名付けてるだけじゃないの?  正式な名前?
◯この2つの花はどう調べても明確に違いが書かれてないけどほんとうに違う花なの?

特に私が名前を知るために買った図鑑などはお金の関係で旧版が多くて、どれにもあまり答えられないものでした。

そんなときに知ったのが今回の話題   Ylistでした。
米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info

APGIIIに基づくとされるこのインデックスは簡単検索で植物名をいれると科名や属名 参考文献などの答えをすぐに返してくれました。
最初に役立ったのは身近な植物をリストにしていたときです。
APGの新しい科名がわかり、外来種かどうかもすぐにわかりました。
またそのときに   カラスノエンドウはヤハズエンドウが正式な名前だと知りました。Ylistを見るとヤハズエンドウの別名がカラスノエンドウとなっています。Wikipediaではカラスノエンドウの項はなくヤハズエンドウのところに別名としてかかれてます。もう昔の呼び名なのですね。名前が変わってる例としてはシロバナエンレイソウと呼んでいたものは最近の山の本や図鑑ではすっかりミヤマエンレイソウになってます。よく学会のことはわかりませんがそんな変化があるんですね。それが分かるYlistはありがたいです。

それ以降 疑問を感じるたびに調べています。
山野草に興味を持ってここ数年で買い揃えた図鑑はお金の関係で旧版ばかりなのでほんとうに助かっています。
私が頼りにしている「日本の野生植物」が30年ぶりに2015〜2017年に改訂新版が出されたのですがそれもYlistの分類にしたがってました。ネットのWikipediaの記載も同様で、新しいネット上の科名や属名は統一されてきているように感じられます。
やっとなのかもしれませんし、まだまだ気づいてない方も多いのかもしれません。
新しい本や図鑑でもYlistと異なる科名や属名を使っているものもありますので、?かなと思ったら面倒でもYlistで検索して確かめるようにしています。

そうやってYlistを使っているといくつか?がでてきました。
図鑑などでよく見かける名前との差異です。

例えば、
ダイモンジソウ      別名   ミヤマダイモンジソウ
イワカガミ           別名   コイワカガミ
別名ということは同種ということかと。
違いがわからず、場所で決めてると思ってた私には理解できたのですが、、、
多くの山の図鑑に載ってますよね。これからどうなるのでしょうか?

北岳にあった赤い花   アカイシミヤマクワガタと紹介されている記事が多いです。
でもこれはYlistで検索しても該当なし。ミヤマクワガタの別名にも載ってませんでした。
種として公認されてないということでしょうか?
高山植物の地域の名前がついたものでほかにも同じような事例をいくつも見つけています。
これから種が承認されるか、そうでなければ淘汰されるか別名に載るかいずれかの道をたどるのでしょうか?
最近読んでいる昔の写真集や本や図鑑に全く聞いたこともないような植物名がいくつもありました。地域の名前がついているのも多いです。それが今はどうなっているかYlistで調べてまとめてみようと思っています。

余談ですがコボトケスミレのような交雑種のスミレも載っていました。どこまで交雑種やシロバナ◯◯スミレなど独特な名前をつけられたスミレがYlistに載っているのかもおいおい調べてみたいと思います。
















スミレの開花にはまだ早かったです。

2023-02-13 13:23:00 | 散歩道の花
大雪の前に近くの山の麓でスミレを探してきました。
家のノジスミレはすべて枯れて葉っぱはまだでていませんが近くの坂の途中のアカネスミレポイントでは葉っぱがいっぱいだったのであの日当たりのいい山の斜面ではもう咲いているかもと思って。
結論からいえば葉っぱはあったのですがつぼみすらまだでした。

この時期 咲き出すのはアオイスミレ、タチツボスミレ、アカネスミレ。
咲く場所が違っているし、雪が残ってる場所もあったりしてここでの咲きだす順番は?です。

出ていた葉っぱはいくつもありました。










スミレに詳しい方が見れば種類や開花までの時間などわかるのでしょうね。
落ち葉中からやっと葉っぱをだしてでてきたという感じですね。これから陽を浴びつぼみをつくって咲き始めるのかと。
楽しみです!

それから大雪が積もったのでまだまだかなぁ。
以前は2/18に花を目にしたことがあります。雪が思ったよりも早く溶けているので来週の頭くらいにまた探しに出かけてみます。また近くの早く目にしたほかの場所にもいってみます。


山梨のヤドリギの仲間

2023-02-13 11:52:11 | 山に咲く花
今日のお題はこれ!


葉っぱがすべて落ちた雑木林で足元に落ちてる美味しそうな黄色い実や緑の葉っぱです。
これを見つけると上を見て探します、ヤドリギを。
今の時期は山を歩くとほんとうによく出会います。
あとはなんというヤドリギなのかです。

いつものように山梨の植物誌を見てみると、ヤドリギの仲間は4種類しかありませんでした。
ヤドリギ、ホザキヤドリギ、ヒノキバヤドリギ、マツグミ です。
このうち  ホザキヤドリギとマツグミの2つは山梨県絶滅危惧種に1類に指定されていてそれぞれCRとENと希少なもののようです。
ヤドリギは常緑で冬は特によく目立ちます。
木に丸い大きな緑のボールがついているようです。

同じヤドリギでもホザキヤドリギは落葉して今の時期はぶどうのような実だけになっています。

実はヤドリギはAPG分類ではビャクダン科でこのホザキヤドリギはオオバヤドリギ科だそうです。
葉っぱが大きいのでしょうか?  葉っぱや花は見たことがありません。

植物誌には河口湖のうの島と白州町と生息地が書かれていますが山梨県RDBでは河口湖周辺の3メッシュで、
白州町あたりのメッシュは2005出現と生息地はかなり限られていました。
ただ前に詳しい方にお聞きしたときは富士五湖まわりにはいっぱいあると話されてましたし、私も奥秩父山系で見かけました。また山梨の植物誌には「普通」と書かれているので、あちこちにあるけど見つけにくいのかもしれません。最初の写真はホザキヤドリギの実です。

ヒノキバヤドリギはまだ見たことがありません。サカキ、ツバキ、ハゼノキ、ヤマツツジなど主に常緑広葉樹に寄生するそうです。植物誌では「少」となっています。今回この記事を書いていてはじめて知ったので今後山で探してみようと思います。

残る1つのマツグミは名前のとおりマツ科の樹木につくヤドリギです。
こちらは既存メッシュ内のせいか、家の周辺の公園でよく見かけます。グミと書かれているように昔は食べられていたそうです。こちらは植物誌では「稀」とありますがアカマツの多い山梨の里山でもときどき見かけるので同じように見つけにくいだけだと思っています。最初の葉のついた枝はマツグミのものです。
「日本のレッドデータ」のページをみるとこのマツグミが絶滅危惧種に指定されている都道府県が24とダントツに多いです。家のまわりは身近に見られて幸せなのかもしれません。同じような名前でマルバマツグミという種がありますが、これは屋久島の固有種でした。

実はこの4種類以外にアカミヤドリギというのも山梨にはあるとネットに書かれていました。実の色しか違いはないように書かれていたので、これからはヤドリギを見つけたらもう少しきちんと見てみようと思います。




















山梨の2月 早春の花探し

2023-02-06 14:48:00 | 散歩道の花
待ちに待った立春、春がやってきました。
1月は雪が降り、わずかですが積もり冬らしかったですが今年はこれまでは山梨にしては暖かい冬だと感じます。
節分、立春のころからインスタではセツブンソウやオウレン類がどんどんアップされています。
山梨でもセツブンソウが咲き始め、いつもの公園ではチョウジザクラがかなり咲いていました。




2月は早春の花が咲き始めます。
木の花だと  このチョウジザクラ、もう咲いているミヤマウグイスカグラ、ダンコウバイ、キブシ、マンサクかな。
草はずっと日向で咲いているオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ボロギク、ヒメオドリコソウに加えて
フクジュソウ、セツブンソウ、ミスミソウ、ヒメウズ 
そしてノジスミレ、アオイスミレ、アカネスミレやタチツボスミレなどのスミレも咲き出します。
インスタ見ながら晴れている日を選んで生息地に行ったり、近所の山や公園をウロウロして探したりします。
毎年歩いているところもあれば、昔はここらにもあったはずだけどと本で知った場所にいくこともあります。

タイミングが早いとまだつぼみだったり、少ししか咲いてなくてガッカリするときも多いです。
それでもこの時期に咲いている花に会えるのはとても嬉しいものです。