山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

クワガタソウの仲間

2022-02-19 14:10:00 | 似てる花の見分け方

今日のお題はこの花です。
個人の忘備録です。ご存知の方はスルーしてください。

ここまで群生しているの珍しいですがクワガタソウです。
見つけるたびにクワガタソウだと思っていましたがヤマクワガタという種類もあるそうです。
違いを調べたら「山に咲く花」に詳しく載っていました。

クワガタ/ヤマクワガタで比較すると、
茎の毛     曲がった毛が散生/開出毛
葉           葉面にわずかに毛/毛はやや多く、鋸歯はやや低い
本にはクワガタは直立し、ヤマは地をはうと書かれていますが、写真見ても背が低いくらいではっている様子はうかがえませんでした。見分けポイントとしては難しそうです。背が低いくらいならいい気もします。

さてお題の花はアップをとっていました。


鋸歯は低く、毛は曲がってないものも多く開出毛見えるのでヤマクワガタだと思います。

もう一点  近くの渓谷に咲いていたものです。

これは明らかに開出毛ですね。
そう考えると普段見ているのはヤマクワガタばかりかもしれません。見つけ次第追加でアップしたいと思います。

クワガタという花は山梨にはこれ以外に高山で咲く
◯ミヤマクワガタ(シナノクワガタ)
南アルプスものは花の赤みが強くアカイシミヤマクワガタというと「高山に咲く花」に出てきますが、Ylistにはありませんでした。

◯シナノヒメクワガタ

高山ものを含めてどれも絶滅危惧種ではありません。

最後までご覧いただきありがとうございます。






コンロンソウの仲間

2022-02-19 11:07:58 | 似てる花の見分け方
今日のお題は7月に沢沿いに咲いていた白い花です。

たぶんコンロンソウの仲間だと思います。

コンロンソウ仲間ですが山梨の植物誌によると、
コンロンソウ
ミツバコンロンソウ
マルバコンロンソウ
ヒロハコンロンソウ
の4種がありました。名前を見る限り、葉っぱの形状で見分けているようなので簡単そうです。
このうちコンロンソウだけが山梨県の準絶滅危惧種に指定されています。ただコンロンソウの特記事項にヒロハコンロンソウを含めて注視していくと書かれていたのでヒロハも似たような状況なのかもしれません。

ミツバとマルバはよく見かけます。
マルバ


ミツバ

なのでお題の写真はヒロハなのかです。
ヒロハの特長は
◯葉柄の基部は耳型に丸くなって茎を抱く。
全体ほぼ無毛、葉の上面だけ短毛あり。  
でした。
お題の写真は大きく撮影してないので判別がつきません。残りの写真も大きな群生だったのでその様子を撮っているものばかりでした。遠目でも葉の大きさで判別できるとそのときは単純に考えていたのが敗因です。今年行くことがあればきちんと撮影してアップし、判別したいと思います。宿題です。








ムグラの仲間は山梨にどれだけあるのか

2022-02-17 13:28:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題は北岳を降りる途中で見かけたこれです。
たぶんムグラの仲間だと思いましたが名前がわかりませんでした。
ムグラはクルマ、ヨツバ、ミヤマなどは知っていたのですが、ほかにもいろいろあるようです。この際きちんと図鑑を見てみることにしました。

山梨の植物誌によれば、
ヨツバムグラ、ヒメヨツバムグラ、オオヨツバムグラ、エゾノヨツバムグラ   のヨツバシリーズ4種に
キクムグラ
ヤエムグラ
クルマムグラ、オククルマムグラ
ヤツガダケムグラ
フタバムグラ
を加えて全部で10種です。ただ日頃見ているミヤマムグラが含まれていませんでした。
アカネ科で山で見かけるアカネやキヌタソウなどの仲間なのですね。葉っぱの様子で納得です。

HP「日本のレッドデータ」で検索したら、どこかの都道府県で絶滅危惧種に指定されているムグラが28種類もありました。もちろん地域固有種と思えるものもありましたが、上の種も多く含まれていました。特にヤツガダケムグラは環境省の絶滅危惧IA類です。まだ山梨県に残っていればIA類でもおかしくない気がします。他にも山梨県の周囲すべての県で絶滅危惧種に指定され環境省II類のハナムグラ、近くの関東地方の県で絶滅危惧種に指定され同じく環境省II類のヤブムグラもあり、現在山梨にどんな種があるのかがわかれば貴重な情報になるのかもしれません。
なのでお題の写真を同定する前に見分け方を整理してみようと思いました。

まず名前からいって葉っぱの枚数で仕分けます。4枚が一番多そうなのでそれ以外から見ていきました。

1、フタバ
    この種類はフタバムグラ、タマザキ、ヒロハ、ナガバハリ、マルバ。
    ナガエも日本のレッドデータには絶滅危惧種として載っていたのですが、Ylistではフタバムグラの別名とされています。果柄長いものをいうそうですが中間種もあって見分けづらいと図鑑にありました。
    フタバはすべての写真見ましたがパッと見てムグラとは思わない気がします。

2、クルマ  6枚
   クルマムグラ、オククルマムグラ、ホソバの3種
   あとヤエムグラ、オオバノヤエムグラ、エゾムグラ、ハナムグラ、ヤツガダケムグラも6枚でした。
   このうちエゾムグラは北海道のみでした。
   これら以外にも道路脇などで外来種が咲いていることがある。前に見かけたハナヤエムグラ。見つけたのが瑞牆公園の近くだったので在来種かと思ってました。


気になるのは環境省の絶滅危惧種に指定されているヤツガダケムグラとハナムグラです。
今後探して行くためにそれぞれの特長を書き留めておきます。

◯ヤツガダケムグラ@日本の野生植物
  茎は4陵があり、陵上に下向きの刺あり。
  葉は狭長楕円形で先は短く尖り、先端はやや白い刺状、裏面の中脈に下向きのかぎ状毛あり。
  花は7月、長い花序の先に数個の緑白色。花冠は4裂、萼に曲がった長毛。
  八ヶ岳と北海道にごく稀。

◯ハナムグラ@日本の野生植物
  茎は4陵があり、陵上に下向きの刺状毛。
  葉は4〜6枚、倒披針形または狭長楕円形、裏面の中脈と縁に下向きの刺状の毛。
  花は花序の先に多数の白色。花冠は4裂。
  川岸の湿った草地に生える多年草、本州の地方や関東地方で稀に見られる。
   

3、ヨツバ  4枚
    ヨツバムグラ、ヒメ、オオバノ、エゾノ、ケ、ケナシ、ホソバノ、リュウキュウの8種。
    リュウキュウは沖縄。
    これら以外にヤブムグラ、ミヤマムグラ、ヤマムグラ、キクムグラ。
    葉っぱの特長や毛の有無あるいは花の色や形、茎の毛や形で見分けるようだ。丁寧に図鑑の写真と見比べれば難しくなさそうです。
    (追加写真)
◯ミヤマムグラ    葉が独特です。
◯ヤマムグラ   葉が独特で花冠が4枚です。ホソバノヨツバムグラと似ています。


こちら気になるのは環境省絶滅危惧種のヤブムグラですね。

さてお題の写真ですがヨツバで大きな葉です。大きな葉はオオバノとエゾノの2種です。葉が丸いのがエゾノのようなのでこれはオオバノヨツバムグラだと思います。
エゾノヨツバムグラの写真も撮っていました。少しピンボケですが、、、

今回は思い出したムグラを写真載せました。今後の参考になるように手持ちで判明したものは名前を書いている下に順次写真をアップしていきたいと思います。それでやっとだいぶ山梨の状況がわかるように思います。最近の文献も探してみます。続く!

(追伸)よくわからない種もでてきました。
ミヤマムグラに似ているのですが葉柄がなく、葉も4〜6枚。








    










キンレイカとハクサンオミナエシ

2022-02-17 11:06:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれです。夏に山で見かける黄色い花です。
この花は長野で見ていたのでそこのガイドブックにそって覚えていてずっとハクサンオミナエシだと思ってました。
ところが最近身近な山で復活してきて図鑑で確認したら、ハクサンオミナエシはコキンレイカといい、キンレイカという種が別にあることを知りました。ほんとうに勉強不足です。ちなみにギンレイカという種もあるのですね。

さて山梨の植物誌にも両方載っていて、キンレイカは東日本目立ちコキンレイカは裏日本側に多く「八ヶ岳に稀」とありました。また原色牧野大植物図鑑ではキンレイカは関東地方以西の太平洋側と九州の山地、コキンレイカは北陸から奥羽の亜高山帯とありました。この分布からいってもハクサンオミナエシは山梨では珍しいものにあたるようです。

違いは花冠の下部にある筒状の踞(きょ)と呼ぶ突起物があるのがキンレイカで、踞が短く目立たないあるいはふくらむだけのものがコキンレイカだそうです。山に咲く花の写真を見比べると大きく違いました。

お題の写真はアップを撮っていました。
踞が長いのでキンレイカですね。

ちなみに八ヶ岳でコキンレイカを撮っていないか探してみました。
編笠山に登る途中で見かけたものです。

これもキンレイカですね。

これは北八ヶ岳@長野県で見かけたものです。
はっきりと違ってます。ハクサンオミナエシです。

山梨側を探したのですがハクサンオミナエシはありませんでした。まだ山梨ではハクサンオミナエシ(コキンレイカ)を見ていないのですね。なかなか8月に南八ヶ岳に行かないせいかもしれません。写真をとってないと思えるルートもあるので今年は是非見に行って確かめたいと思っています。

最後まで見ていただきありがとうございました。









ママコナ仲間たち

2022-02-17 10:12:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの花、ママコナです。
よくご存知の方はスルーしてください。

「山梨の植物誌」によれば山梨には三種類のママコナがあるそうです。
ママコナ、ミヤマママコナ、タカネママコナ。

ママコナはよく知っています。赤い花の中にお米見える白い舌のようなものがあります。
正しくは花冠の下唇に米粒状の白点があると書かれていました。写真よりももっと赤いものもありました。
図鑑を見るとママコナもっと葉が細いホソバママコナという種があるそうですが、日本の西の方にしかないそうです。

タカネママコナは「日本の野生植物」に甲斐駒ヶ岳、鳳凰山、八ヶ岳と書かれているのですが、山梨県絶滅危惧IB類で環境省のII類です。「高山に咲く花」によると分布が群馬・栃木・埼玉・山梨・長野と狭いようです。
淡黄色の花で下唇にあるのは黄色斑です。

この花  色はいいのですが「改訂版原色牧野植物大図鑑」には萼は先が丸まって短いものが描かれていました。
この花のようでした。

同じタカネママコナなのでしょうか?
上のタイプは結構多くの山で見かけています。下は少ないです。

こうやって調べていく内にもう一種類山梨で見たとネットにありました。シコクママコナです。
上が赤く下が淡黄色の花で中に黄色斑があります。上の赤が薄れていけばタカネによく似てると思います。
図鑑ではタカネではなくミヤマに似てるとあり、苞葉にトゲ状の鋸歯があればシコクで全縁ならミヤマのように書かれてました。花色が似てそうな花はよく見かけました。
少ししかついてませんが苞葉にママコナほどではありませんがトゲ状の鋸歯があります。シコクママコナだと思います。

さて肝心のお題の花ですが周囲の同じ花の写真を見ても苞葉にトゲ状の鋸歯がないので上のタイプのタカネかなと今のところ考えています。他の場所でも同じように赤い花を一緒につけていたのを見たので別種でもいいのかもしれません。
ご存知の方はぜひ教えてください。

つたない忘備録を最後まで読んでいただきありがとうございました。