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日露領土交渉 行き詰まり打開へ提言 ― 志位委員長が政府に申し入れ

2016-10-21 | 諸外国との外交
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(写真)菅義偉官房長官(右)に申し入れる(左へ)志位和夫委員長、小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長=18日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は18日、国会内で記者会見を行い、12月に予定される日露首脳会談で、領土問題が大きな焦点になるとされているなか、「日露領土交渉の行き詰まりをどう打開するか――『日ソ共同宣言』60周年にあたって」と題する提言を発表しました。同日、発表に先だって、志位委員長は、小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長とともに国会内で菅義偉官房長官と会談し、提言の内容を政府に申し入れました。(提言全文)

 提言は、19日が「日ソ共同宣言」(1956年)から60周年にあたることから、「日露領土交渉の行きづまりをどう打開するか。この60年の日露(日ソ)領土交渉から教訓を引き出し、今後に生かすことが求められる」と指摘。歴史的・国際的道理にたって交渉しないと、日露領土交渉の行き詰まりが打開できないばかりか、重大な落とし穴に落ち込む危険もあると警告しています。その上で、今後の日露領土交渉が踏まえるべき三つの基本点を提起しました。

 第一は、「歯舞、色丹の『2島先行返還』はありうることだが、その場合は、中間的な条約と結びつけて処理することとし、平和条約は、領土問題が最終的な解決にいたった段階で締結すべきである」ということです。

 志位氏は、「仮に『2島返還』の段階で平和条約を締結すると、それ以上の領土返還交渉の道が事実上閉ざされることになります。それは『日ソ共同宣言』当時のソ連側の主張への全面屈服になります」と指摘しました。

 第二は、「この60年間にわたって、日露領土問題が前進してこなかったのは、『国後、択捉は千島列島にあらず。だから返還せよ』という日本政府の主張が、歴史的事実にてらしても、国際法的にも、通用しない主張だったことにある。このことを正面から認め、領土交渉の方針の根本的な再検討を行うことが必要である」ということです。

 第三は、「日露領土問題の根本は、『領土不拡大』という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじって、『ヤルタ協定』で『千島列島の引き渡し』を決め、それに拘束されてサンフランシスコ平和条約で『千島列島の放棄』を宣言したことにある。この戦後処理の不公正にいまこそ正面からメスを入れるべきである」ということです。

 志位氏は、「サンフランシスコ平和条約の千島関連条項を廃棄・無効化し、千島返還を要求する国際法上の立場を確立して、千島列島の全面返還を内容とする平和条約締結の交渉を行うべきです。この立場の交渉を行ってこそ、国後、択捉の返還の道も開けてきます」「日本政府が、戦後処理の不公正を正すという立場に立つことこそ、回り道のように見えても日露領土問題を解決する唯一の道であること、それこそが『日ソ共同宣言』から60周年の歴史の教訓であることを強調したい」と語りました。

菅長官「しっかり受け止める」

 志位氏の提起に対して、菅長官は、「(提言を)しっかり受け止める」と語りました。志位氏が、「『2島で平和条約』(の締結)はやらないと明言してほしい」と述べたのに対して、菅氏は「4島の帰属を解決して平和条約を結ぶというのが政府の方針」と述べるにとどまりました。

 菅氏が「(政府の交渉方針については)まだ白紙です」と述べたのに対して、志位氏は「白紙なら、ぜひ、そこに私たちの提案を書き込んでほしい」と語りました。


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