「科学の平和的、民主的発展のため学術研究の軍事利用を拒否しよう」と、学術と学術体制のあり方を問うシンポジウムが25日、東京都千代田区で開かれました。日本科学者会議(JSA)の主催で、約160人の研究者、大学関係者や市民が参加しました。
前日本学術会議会長で東京大学名誉教授の広渡清吾氏が「科学コミュニティーと軍事研究」と題し講演しました。科学者が軍事研究に貢献することは科学研究の普遍性に矛盾するとして、歴史の過ちを繰り返さないことを社会的責任とする科学者コミュニティーの立場を強調。安倍政権のもと防衛省が研究機関に軍事研究の協力を求める問題に対し、科学者と市民が連携して反対運動を進める重要性を説きました。
ノーベル物理学賞受賞者でJSA代表幹事の益川敏英氏と精神科医・立教大学教授の香山リカ氏が対談。「研究成果を軍事研究に利用されるかもしれないとき、科学者は何をすべきか」という香山氏の問いに、益川氏は「研究者は研究だけに没頭するのではなく、原発反対などの社会的な運動に積極的に関わるべきだ」とのべました。
「軍学共同」の反対運動を進める各団体の代表ら12人がリレートーク。「軍事研究を行わない立場を堅持した日本学術会議の新声明を、各大学でも議論をと呼びかけている」(全大教)などの取り組みが紹介されました。