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豊洲地下水 有害物質 基準の79倍 ― ベンゼン検出 シアン・ヒ素も

2017-01-15 | 地方政治

専門家会議

 東京都が築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区)予定地で行っている地下水のモニタリング最終調査で、環境基準の79倍もの発がん性物質・ベンゼンをはじめ、猛毒のシアン化合物、ヒ素が広範囲にわたって検出されたことが14日、分かりました。都が同日開かれた専門家会議(平田健正座長)の第4回会合に報告しました。


抜本的再検討が不可欠

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(写真)専門家会議で訴える水産仲卸業者の女性(左手前)=14日、東京都中央区

 小池百合子知事は、豊洲移転について今回のモニタリング調査結果や専門家会議、市場問題プロジェクトチームの報告などを踏まえ、今夏ごろに判断すると表明しており、移転計画の抜本的な見直しが求められています。

 調査は2014年秋から予定地内201カ所の観測井戸で行っているもので、今回は9回目。調査結果によると、ベンゼンは青果、水産仲卸、水産卸の街区にわたる38カ所で環境基準(1リットルあたり0・01ミリグラム)を超えました。最高は青果棟の観測井戸で、基準の79倍にあたる0・79ミリグラムが検出されました。

 検出されてはならないシアン化合物は三つの街区の39カ所で検出され、水産仲卸売場棟の街区の3カ所で最高1・2ミリグラムが見つかりました。

 ヒ素も三つの街区の22カ所で環境基準(1リットルあたり0・01ミリグラム)を超え、最も濃度が高かったのは青果棟にある観測井戸の0・038ミリグラム(基準の3・8倍)でした。

 専門家会議では調査結果について委員から「あまりにも今までの傾向と違っている。なぜだろう」「驚いた」と戸惑いの声が続出し、引き続き観測していくことを決めました。平田座長は「今回の濃度が上にあがってくるなら、(盛り土の)再汚染がないとは言い切れない」とのべ、調査結果の評価については「時間をいただきたい」「(複数の機関による)クロスチェックが必要」との認識を示しました。


傍聴者から批判相次ぐ

 築地市場の移転予定地である豊洲新市場(江東区)の地下水から基準を大きく超える有害物質が広範囲で検出されたことが報告された14日の専門家会議では、傍聴者から批判の声が相次ぎました。

 全労連・東京中央市場労組の中澤誠委員長は「汚染された土壌を除去するのは大変なことなのに、都は汚染の広がりを調べようともしなかった。大量の汚染が残っている。土壌汚染対策は失敗だ」と語気を強めました。

 日本環境学会の畑明郎元会長は「一度汚染された土壌を100%きれいにすることはできない。専門家会議は汚染土壌、地下水があることを前提に議論すべきだ。地下水のくみ上げにも失敗しており、土壌はおそらく再汚染されている。土壌の再調査もすべきだ」と話しました。


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