叔父の日本画家、坂元 紅 の作品。80号と大きい。
青金が多く使われている。芸術公論賞受賞作品。
叔父は多くの作品を描き、多くの弟子を育てた。
京都、真道黎明(日本美術院、院展同人)に師事し、波の絵を描くために何日も
浜辺に寝泊りしたり、各地を転々と歩いて構想を練ったりした。
「絵には人柄が出る。品の良い絵を描きなさい。お茶や生け花を勉強して、
自分を磨きなさい。」と、常々言っていた。
個々の人の悩みを良く聞き、助言していくタイプの指導者だった。
小柄なからだ、フラノのマントにベレー帽。
懐には常にしつけの行き届いたチワワ犬が抱かれていた。
普段も古伊万里の名品でお茶を飲む風流人。
親しみにあふれた眼差し。誰からも愛される老教師であった。
平成12年に亡くなったが、今もその温かさが思い出され、心が癒されてくる。