上の姉が新制中学なので私は7才頃ではなかっただろうか、戦時中、母はまだ薄暗い時間から暗くなるまで農家へ
働きに出ていない、食事から姉妹の世話まで上の姉がやってくれた。姉二人と妹、学校が休みの日は一日中家で
縄を綯う作業てある。休憩時間とかおやつ等はない、当時狭い屋敷にグユミの木が一本あった。木は古かったので
実は沢山成っていた、でも余りおいしくない、酸っぱいので私は好きではなかった。一番上の姉が皆んなしんど
そうなのを見計らって、一番仕事の嫌いな私にグユミを取ってくるように言う、余り沢山取るのも又しんどいので、
適量に持ち帰ると、それを同じ数に姉が分けてくれる。それを食べる時が休憩の時間である。
其の事を思うと今此処のサクランボは美味しい。なのになんて贅沢になったものかと思うがこの年になると沢山は
食べられないし、家に来てくれる人に声を掛けて、入れ物を差し出しても、手のひらに乗るぐらいか取ってくれない
のが現状だ。時代が変わったの一言。