「歩くZ旗」みね姉のひとりごと ~矜持 国を護るということ~

私たちを護ってくれている自衛隊を、私が護りたい!そんな気持ちで書いてきました。今は、自衛隊との日々の大切な記録です

航空自衛隊西部航空方面隊副司令 田中幹士空将補の講話  ~前編 日本への脅威について~

2016年04月24日 | 航空自衛隊

先日、福岡県郷友連盟の定期総会にお誘い頂き、お邪魔いたしました。


…郷友連盟といえば、以前、こちらのブログでお詫びをした経緯があるのですが、その事情もご承知の上でお招き頂き、感謝に絶えません。


郷友連盟の皆さま、ありがとうございました。






定期総会での記念講演において、航空自衛隊西部航空方面隊司令 山田真史空将補より、「航空自衛隊の現状」についてお話し…


頂く予定だったそうですが、安倍首相の熊本入りのため、代理で副指令の田中幹士空将補より


「これからの航空自衛隊」


について、お話を頂きました。




ちなみに、副司令は高射隊のご出身でいらっしゃいます。






まず【外観】として、北朝鮮、中国、ロシアの現状から。


ちなみに、この前の佐世保総監のお話でも同じように、この3国については自衛隊は危機感を持っているわけなので、


仮想敵国というより、本当に敵国ですよね…。


では、参ります。


北朝鮮 … 韓国軍や在韓米軍に比べると、戦力は質・量共に劣勢であるものの、近年、大量破壊兵器や弾道ミサイルを増強。


      昨年、5月に潜水艦発射弾道ミサイルを開発し、発射実験に成功したとされる…のだけども、

    
      資料でも登場した

      
                      (朝鮮日報)
      この写真、副司令曰く、

     
      「…合成じゃないかって言われてますけどね(笑)」


      とのこと(笑)

 
      見たことないからわかんないけど、こんな至近距離で弾道ミサイルが海から出てきて、こんなにベタ凪なんだろうか…?


      くらいは、私でも疑問に思う(笑)

      
                   (朝鮮日報)          
     
      これとか、マジで合成クサいよね(笑)

    
      こんな、海面にミサイルの噴射がきれいに乗っかってる?みたいな?感じになるかね???(笑)


      …まぁ、いいんですけど。


      だたバカにできないこともありまして、

      
                            (朝鮮日報) 

      こちらも、同じく資料で使われていたものと同じショットですが、例の、


      人工衛星と称するミサイルの発射の時の、あれです、あれ…

  
      …なんですが、発射台の高さが高くなってきていて、ということはつまり、


      ミサイルの大型化及び長距離化を狙っているということなんですよね。


      参議院議員の山下雄平先生から、国会報告会でもお話し頂いたことなのですが、


      元々、先日のように

      
      自国の上空を飛ばない方角に撃っていたのが、上空を飛ばして日本列島方面に撃っていることもあるので、


      かの国の技術は、それなりには進歩しているようです。


      ちなみにこの国は、実験を律儀に世界に向けて発表しており、ドヤ顔で「我々は成功した


      と、大々的に公表するのでありがたいんだそうですが、それはそれで、

 
      「俺たちスゴイ着実に成長しているぞ

     
      と錯覚した時がコワイんだと、副司令は仰っていました。


      つまり、米国への戦略的抑止力を確保した!と過信・誤認をした時、中国みたいになるという可能性があるわけです。


      …人も国も、勘違いで増長した存在程迷惑なものはないということでしょうか…。


お次は、


ロシア … 経済状況が厳しいながらも、国防費を増大させて、軍の近代化を維持している。

      
      具体的には、ロシアは日本列島を南回りで周回飛行しているんだそうです。

 
      あ、ちなみに飛んでくるのは、爆撃機2機らしいですね…。


      昨今、我が国へのスクランブルの頻度が多いと取りざたされて久しいですが、

      
                   (統幕発表資料:講和時と同様の資料です)

      確かに増えていますが、東西冷戦時に迫る勢いなので、今に始まった話ではないようです。


      ただし、当時はほぼロシア機だったのに対し、昨今はロシア機と中国機が半々くらいです。


      ちなみに、東日本大震災時は、中国機に対するスクランブルの回数が劇的に増えた事は、周知の事実。


      今回もおそらくそうではないかと思っていますが、質問の時間がなかったので、聞くことができませんでした。

 
      しかし、尖閣には押し寄せていますので、やはり予想を裏切らない国ですね。

      
      さて、そのスクランブルがかかった状況ですが…       

      
                        (防衛白書)

      …講和時の資料と比較的近いものを探しました…こんな感じです。

      
      なんていうかもう、やる気満々としか思えません…。


この流れで、続いては、
      
 
中国  … 軍事力を広範囲にかつ急速に強化し、東および南シナ海における海空域に急速に進出、活動の上、力による高圧的対応を継続。

     
      してますよね…。


      平成24年空母「遼寧」の就役は、航空自衛隊にとってももちろん無視できない出来事ですので、


      そこから始まって、翌年の護衛艦ゆうだちへのレーダー照射事件に触れられました。


      「ロックオンされているということで、いつでも引き金を引ける状況ですから、

       国によっては撃墜している…そんな状況です」


      と口調はやんわりと、しかし確信をつかれました。


      海上自衛隊の護衛艦への事件ですが、戦闘機でも起こり得ないことではないので、他人事ではないのだと思います。


      そして、同年には、勝手に「防空識別圏」を尖閣諸島含めた位置の上空に設定しましたね。

 
      また、中国軍機が、沖縄本島と宮古島の間を抜けて、太平洋に抜けたこともあったようです。


      さらに翌年には、中国戦闘機が、航空自衛隊機と海上自衛隊機に異常接近。


      そして、もう、書くまでもないことですが、


      フィリピンから米軍が撤退し、軍事的空白が出来たことを機に、すかさず南沙諸島へ進出し、


      片っ端から軍事拠点化しています。


      特に、フェアリークロス礁は島ですらなかったところを埋め立てて、軍事拠点化しているので、


      これを脅威と言わずしてなんというのでしょうね。


      同様に問題になってくるのが、中国の軍事費の増大化です。

      

      ここ数年は、伸び率は半分にはなっていますが、それでも右肩上がりで増大。


      26年間で41倍です。


      ロシアでも10年間で6倍ですよ?


      片や、我が国は、当然ほぼ横ばい。


      


     


ここまでが副司令のお話しで、次回に続きます。


…普通に、こういう対比だけでもまとめて見るだけで、日本ってけっこう危険な状況にあるんだなぁ、ということが分かると思います。


これに対して、比較するなとか競争するなとか言うのは、利敵行為と言ってもいいと思いますね…。


で、こういう時は必ず、


「日本が防衛費を増やすと、中国を刺激してしまう」


とか、言う人たちがいるのですが、おバカさんですよね。



…分かりにくいんですが、こちらの資料、2004年に中国と日本の国防費が入れ替わってますね。


注意深く見ないとわからないと思いますが、日本が防衛費を減らすと、中国は増やしています。


微増させると、伸び率が小さくなっています。


おもしろいですねぇ…(笑)


ということで、これが現実なんですよね。


いい加減、GDP1%枠をせめて1.5%くらいにできないものか…と思わずにいられません。


ということで、次回に続きます。





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