明日の事

明日二十日は、午後三時から、志賀直哉の『城の崎にて』とはどんな小説だったか、これが何故近代小説を代表する「一極北」の名作なのかについて、お話をし、村上春樹の最新作『猫を棄てる』『一人称単数』の話になるかと思います。実は、当日になって見ないと、よくわかりません。
近代小説を読む際、肝心なことは、自分自身が捉えたことは常に自身によって超えられる、更新され続けることです。それは近代小説がリアリズムで語られているのなら、そう言わずに済みますが、リアリズムを超えた近代小説の神髄に向かう作品なら、あくまで自身の読みを超え続けていくしかありません。そのプロセスは自身が宿命を創造することです。