〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

「永訣の朝」を読んで

2022-07-19 06:57:50 | 日記
 古守やす子さんの宮沢賢治[永訣の朝」の実践報告の文章が送られてきたので拝読、高校生の反応がそれぞれ、そのどれもが一つひとつ、なるほど・なるほど・と思わせ、嬉しく思いました。
 そこで改めて、今朝も「永訣の朝」を読み直して、ああそうか、とこれにしばらく読み終わってぼっとして庭を見ました。
 「永訣の朝」もまた、私には、「背理の輝き」を感じたのです。ここでの「わたくし」は激烈の悲しみがこの詩の中で、すきとおった本当の食べ物になって、透明な光に輝いている、詩の極み、文学の極みが背理に輝くと感じました。
 「わたくし」はあくまで、自分の人生のすべてを懸けて、妹の死にいく姿に哀しみの極みに立たれています。この放り出されている極限的痛みを感じながら、それは同時にこの詩の中で、天上のアイスクリームになってとし子と一体になっている祈りのこ言葉になって、輝くのですね。不思議と言えば不思議、これが賢治文学かなと感じています。
 望月先生が全国大学の発表で、この詩に関して、童話集『注文の多い料理店』の「序」について指摘されていたことを思い起こしました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 黒瀨先生の文章を拝読して | トップ | 今月の講座のお知らせ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事