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部下の育て方

2013年12月28日 10時41分11秒 | キャリア支援
「始めたこと」をほめる、「途中経過」をほめる”
9割のリーダーが苦手! 
「部下の正しいほめ方」

【第14回】 2013年12月20日
著者・コラム:浅井浩一
紹介バックナンバー2

人を育てるには「ほめることが大事」とよく言われます。
問題は「どこを、どうほめるのか」。
ここで多くのリーダーは悩んでいるわけです。
なぜ、そんな悩みが生じるのか。
それは、「結果」をほめようとしているからです。
しかし、これだけでは不十分です。
部下のほめ方を詳しく見ていきましょう。

「がんばっても成果が出ない」。
こんなときこそ、リーダーのフォローが必要

今日のテーマは、「部下のほめ方」です。
あなたはどのように部下をほめていますか?


業績の一覧表があって、トップの成績を収めた人をほめる。
じつにシンプルで、わかりやすい構図です。
あるいは、先月は目標達成度が50%だったのに、
今月は70%になった人をほめる。
これもよくあるケースでしょう。

しかし、それだけに囚われてしまってはいけません。
なぜ結果だけに終始してはいけないかというと、
「人は常に成長し、わかりやすい変化を示すわけではない」からです。

例えば、あなたが受験勉強をしていたときのことを
思い出して下さい。日々勉強し、相応の知識を蓄えれば、
それだけ試験でいい点がとれたでしょう。
しかし、受験勉強を続ける過程には「いくらがんばっても、
なかなか成績が上がらない」という時期があったはずです。
以前と変わらず努力しているのに結果が出ない。
言うなれば、成長の「踊り場状態」です。

厳密に言えば、この苦しい時期にも人は
成長しているのですが、目に見える形では出てきません。
他人にも、自分にも、その成長を実感することができないのです。
この一番つらい状況のときこそ、
上司やリーダーのフォローが必要です。

なかなか成果を上げられない部下に、
どんな言葉をかけますか?


私が営業所長をしていたころ、
なかなか成果を上げられない一人の部下がいました。
JTの新商品を扱ってもらえるように、
必死で販売店をまわっているのですが、
思うように成果が出ない。
その部下はそんな日々をけっこう長く過ごしていました。

そこで私が彼の営業データを確認してみたところ、
彼には営業によく行く販売店と、
まったく行っていない販売店があることに気づきました。

簡単に言えば、店主が優しいところへは行くけれど、
ちょっと厳しい店主のところへは行くことができない。
彼はそんなタイプだったのです。

その際、「苦手な相手のところへも行けよ」
「それが仕事だろ」と厳しく言うのは簡単ですが、
そんな言い方をしても萎縮するだけの話。といって、
「苦手な相手のところへも行かないと、業績につながらないぞ」と
正論を述べても意味がありません。
そんなことは彼が一番承知しているからです。

部下が踏み出した小さな一歩を、
とことんほめてあげる


そこで私は「あの店主はちょっと怖い人だから、
なかなか行きにくいよな」とさりげなく彼に話しかけてみました。

すると彼は「そうなんですよ。
行かなきゃいけないとは思ってるんですが、
それがなかなかできなくて……」と言います。

「なるほどなぁ。そんな相手に
いきなり営業かけようっていうのも難しいだろうから、
まずは手始めにスモールギフト
(販売店などに渡すちょっとしたプレゼント)を持って、
軽くあいさつだけでもしてくればいいんじゃないか。
一人で行きにくいなら、オレが一緒に行ってもいいぞ」と
私は提案してみました。

その言葉を聞いた彼は
「いえ、それなら一人でも大丈夫です」と言って、
彼はその苦手な店主の店にも行くようになりました。

もちろん、ただあいさつに行くだけでは業績はまったく上がりません。
ですが、私は彼から「その店へ行った」という報告を
受けた際には本気でほめました。
スモールギフトを持っていくだけとはいえ、
苦手な店主に会いに行くのには相当な勇気が必要だったからです。

始めたことをほめる、途中経過をほめる。
部下の思いや行動に寄り添う



「あいさつだけ」という過程を経て、
何度も顔を見せに行けるようになり、
人間関係ができていき、いずれは
営業としての成果が出るかもしれません。

事実、彼はそれをきっかけにその販売店に足を運べるようになり、
店主のニーズをしっかり聴くことで信頼を得て、
大きな成果を出せるようになりました。

過程を認め、ほめることもリーダーの大事な役割なのです。

部下というのは、本当に見えにくいところで
さまざまな悩みを持ち、小さなチャレンジをしているものです。
「これまでずっとダメだったから、
今日はこんなことをしてみよう」と
小さな工夫をしている部下はたくさんいます。

そうやって「何かを始めたこと」
「結果には至っていない途中経過」に気づき、
ほめる習慣をぜひ身につけて下さい。

「結果が出ない」「成長を感じられない」というときこそ、
より集中して、部下の思いや行動に寄り添ってみて下さい。

物理的に近くで仕事をするというだけでなく、
少し離れた場所からでもいいので、
細やかに部下を観察してみて下さい。
成績表には表れない「事実」
「プロセス」が必ず隠れています。

(次回掲載は、未定です)

浅井浩一(あさい・こういち)氏

大学卒業後、JT(日本たばこ産業)に就職。
「勤務地域限定」の地方採用として入社。
「どんなにがんばっても偉くなれない立場」から、
キャリアをスタートさせる。
日本一小さな工場勤務での、きめ細かなコミュニケーションを通じた
働きぶりを買われ、本社勤務に。
その後、営業経験がまったくない中で、
全国最年少所長に抜擢され、リーダーとしての一歩を踏み出す。
「自分にできることを一生懸命やる」
「部下を信頼し頼る」をモットーに、
自ら自転車で販売店をまわり、部下と共に汗をかくひたむきさに、
「こんな素人の若造に、何ができるんだ!」と
疑念を抱いていた部下たちも信頼を寄せるようになり、
営業所の業績も急上昇していく。
職場再建のプロと呼ばれ、次々と任された組織を活性化させ、
歴代最年少の支店長に大抜擢。
31支店中25位より上位の成績をとったことがない
高崎支店を2年連続で日本一に導く。

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「思うように部下が動いてくれなくて、困っている」、
そんな悩みを持つ、若いリーダーに向けたものです。

いわば、営業経験ゼロで、はじめて
リーダーになったわけですが、営業所の業績は急上昇。
その勢いは衰えず、職場再建のプロと称され、
次々と任された組織を活性化させ、
とうとう歴代最年少の支店長に大抜擢。
31支店中、25位より上位の成績をとったことがなく、
閉塞感に陥っていた高崎支店(群馬県管轄)を2年連続で日本一に導きます。

そんな著者による、「リーダーシップの基本スタンス」と
「今、やるべきこと」をお伝えいたします!

http://diamond.jp/articles/-/46295?page=4より

著者・コラム紹介バックナンバー

第14回 ”「始めたこと」をほめる、「途中経過」をほめる”9割のリーダーが苦手! 
「部下の正しいほめ方」 (2013.12.20)
第13回 ”部下がどんどん正直に、そして素直になる!” 
「魔法の日報」で部下が変わる! (2013.12.18)
第12回 ”昨日頼んだのに、なんでやってないんだ!”
部下にイライラしたときのリーダーの心がまえとは? (2013.10.17)
第11回 “それはちょっと違うんじゃないの……?”
部下の「隠れたサイン」にこそ、大きな価値がある (2013.09.27)
第10回 ”大事なことを相談してくれない……”。
9割のリーダーが悩む『報・連・相』。部下を変えるコツ (2013.09.25)

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