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宅配弁当の新境地を切り開く

2013年12月29日 11時04分46秒 | 学習支援・研究
【ニュービジネス】
埋もれていたニーズを発掘し宅配弁当の新境地を切り開く―
スターフェスティバル
gooニュース×戦略経営者
2013年12月21日(土)13:00



会議、来客、イベントなどの社内行事に、
仕出し弁当を活用する企業は少なくない。
その際、弁当の手配を担当する部署が頭を悩ますのは業者の選定だ。

まず、参加者の〝層〟にあわせて適切なメニューが求められる。
「社内会議用はコスト重視で」「接待用には失礼のない相応のお弁当を」といった具合だ。
さらにいつも同じものでは飽きられるから、
常に複数の業者をリストアップしておく必要もある。
弁当の手配は、細かな気遣いと周到な準備を要する、
意外と手間のかかる作業といえるだろう。

この「社内用弁当の手配に関する悩み」という
隠れたニーズを掘り起こしたことで急成長中のニュービジネスが、
スターフェスティバルが2012年5月に立ちあげた「ごちクル」だ。
ネットを通じて有名店の弁当・ケータリング料理を
法人・団体向けに提供するデリバリー総合モールで、現在、
5,000種以上の弁当を提供中。
月間の受注件数は20万食を超え、月商は
対前年比200-300%と驚異的な伸び率で推移している。

「ごちクル」がこれだけ多くの企業から支持を集めるのは、
ワンストップで多彩な飲食店・弁当業者のメニューを選べるからだ。
弁当のブランドは、赤坂璃宮や叙々苑游玄亭など
高級外食店をはじめ関東エリアだけで約120店。赤坂璃宮なら
おおぶりのエビをぜいたくに使った
チリソース煮が堪能できる「牡丹」(3,000円)、叙々苑游玄亭なら
牛カルビを特性たれで焼き上げた「和牛カルビ弁当」(3000円)などが注文できる。

もちろんこれら高級弁当だけでなく、500円未満からの「低価格弁当」、
1,000円前後の「一般弁当」、1500円以上の「高級弁当」と
複数のプライスラインが用意されている。それぞれ
「低価格弁当はイベントなどのスタッフ用」
「一般弁当は会議用」「高級弁当は接待用」といった使い分けが可能だ。

三方良しのビジネスモデル

スターフェスティバルがこれだけ多くの有名店の弁当をそろえられたのは、
卓越した独自のビジネスモデルを確立したからだ。
岸田祐介社長はそれを「三方良しのモデル」と表現する。
「ユーザーの企業や団体さま、弁当を提供する飲食店さま、
そして当社の三者がウインウインになるモデル」(岸田社長)という意味だ。

ユーザー企業のメリットは、前記の通り幅広い選択肢から
用途にあわせた最適な弁当を選べる点。では、
弁当を提供する飲食店側のメリットとは何か。

「デリバリーを行っていない飲食店さんはたくさんあります。
そこで当社は、飲食店さんがデリバリーという中食分野へ新規参入するための、
製造以外の機能をすべて提供しているのです」

飲食店に共通する課題は、営業時間外の非生産的なアイドルタイムと、
店舗キャパシティーによる売り上げ限界があること。
仮に10時から22時までの営業時間とすれば、それ以外の時間は
当然のことながら厨房設備が休止している。
また、飲食店の売り上げは席数×稼働率×回転数で算出されるから、
席数によって理論上、売り上げの上限が決定されてしまう。
この二つを同時に解消する手だてがデリバリー事業への参入なのだ。

「飲食店さまは店が閉まっている時間を活用して売り上げを拡大できますし、
事前に提供する食数が確定するので
食材ロスが発生せず利益率も向上する。
さらにはこれによって新たな雇用も生まれます」

デリバリー事業に必要な製造以外の機能とは、
「商品開発」「販売促進」「受注業務」「配達業務」の四つだ。
同社は、これらを一括して提供している。

まず商品開発では、弁当のメニューや価格などを飲食店と一緒に決めていく。
「冷めると味が変わったりするので、お店で出す料理をそのまま
お弁当にできるとは限りません。お弁当に適したメニューや
調理法などのノウハウをご提案します」と岸田社長はいう。

販売促進では、商品写真の撮影などから、
「ごちクル」内でのネット営業、さらには同社の営業マンによる
リアル営業までを提供。特に
接待用の弁当は品質が重視されるため、試食を希望する企業もある。 

受注業務は同社のスタッフが対応する。
迅速で丁寧な対応がその後のリピートを左右するためだ。
注文の締め切りは、配達日の2日前となっている。

配達は専門のパートナー企業が担当。
標準的な流れは、飲食店が朝から弁当を作り、
それをパートナー企業が9時から10時前後に引き取って
昼前に顧客企業へと配達する。

飲食店が負担する手数料は売り上げの一定割合を同社に支払う成功報酬型となっている。
初期費用をなくすことで、デリバリー事業への参入障壁を低くするためだ。

このように飲食店が製造だけに専念できる、
万全のバックアップ体制が敷かれている。

おいしいお弁当を世界に

さて気になるのは、スターフェスティバルの今後である。
岸田社長は、この独自のビジネスモデルの横展開を進めていくという。

「世の中にあるおいしいものを、より多くの方に
食べていただく機会を増やしたいと考えています。
国内であれば、北海道のレストランの料理を九州の方に食べていただく。
さらには日本中のレストランの料理を海外に、
逆に世界中のレストランの味を日本で食べられるようにもできます。
製造から販売、物流にいたるノウハウを当社は
持っているのですから、これは可能であると考えています」

すでに今期は約10億円を資金調達し、
全国47都道府県の顧客への配達体制を構築中だ。
2014年6月期の売上高は、前期実績の4倍弱の80億円を見込む。
世界への飛躍を念頭に、国内市場での足場固めを着々と進めている。

http://news.goo.ne.jp/article/senkei/bizskills/senkei-20131219-03.html?pageIndex=3

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