ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 3 石ヶ平谷東尾根編

2022年02月27日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 

薊岳※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

 

あとは、下るだけ…と思った石ヶ平谷東尾根の分岐

まだ余力を残していると思った

しかし・・・

下り始めて、

楽に下ることは出来ないかも…

そんな感じがした・・・

 

 

リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 2 薊岳山頂編からの続きです

 

 

分岐についたときは

この下りが悲愴感漂う事になろうとは・・・

知る由もなく、

ただ、達成感に満ち溢れ、

余力の残る自分にとしていた時でもあった

 

 分岐から石ヶ平谷東尾根へと下る

 チチのトレースのみが残る

 ルートを模索しながら急斜面を下る

 

スノーシューで下れるところまで下ろう

 

尾根幅は狭くなり

左右切れ落ちる急斜面を下っていく

スノーシューが時々邪魔になるほど

足場の不安定さでヒヤヒヤする事も・・・

それでも、踏み抜きのない安心は捨てがたい・・・

スノーシューでの激下りの瘦せ尾根は、疲れる・・・

 

 細尾根の岩場?の先は…

 激下りをスノーシューでるの~!

チチが引き返してくれた跡

 

写真では表現しきれない急斜面

細尾根の切れた斜面に転がっていく雪塊をみて

私の足は止まってしまった・・・

 

チチ~ アイゼンの方がいい~!

切れた斜面の激下りの細尾根で 足がすくむ感じがした

 

樹林帯の狭間で 

スノーシューで下る自信がなくなった

 

チチが アイゼンに履き替えようと言ってくれた

としたよ

 

 安全第一にアイゼンに履き替えた

 急斜面の尾根は続く!

 

植林帯の中でも 風は容赦しない

雪煙を上げて襲ってくる

 

細尾根から広がる尾根になると

樹林帯の中は迷い道!

ルートを確認しながら下らねば コースしてしまいそう

それを邪魔するように吹く攻撃

うようにしてっていく

 

 

 尾根筋と標布を確認しつつ下る

 吹き溜まりと化した道の落とし穴!

 

雪を巻き上げながら吹き付けてくる風の猛威

ラッセル地獄を味わいながら 先頭を行くチチ

 

ごめんなさい・・・

心の中で謝りながらも、ただただ・・・

私は必死でついて行くだけだった

 

 雪が浅くなってきた

 この標布を見て確信・・・ 

 トウフ岩の辺りまで下って来た

トウフ岩

 

豆腐のように四角いからトウフ岩?

決して食べることはできない

 

食べてみたらわかる!

絶対、歯がなくなる!

 

 ~い!豆腐岩

 豆腐岩のすぐを下っていく

 

トウフ岩の側面はベルグラが張り付いていて

ホールドが無いに等しい状態だった

 

どうしてこんなルートを選択したのだろう・・・?

 

 豆腐岩が、氷豆腐になっていた!

 右側の方が歩き易そうだが…

 敢えて左側の岩沿いに…

下って来たトウフ岩の側面 

以前歩いた、歩き易そうに思えた反対側のルートは?

 

トウフ岩を振り返って見て チチの真意が分かった!

 

チチは・・・

風の向き地形や条件を考えて

吹き溜まり急斜面を避けるため

敢えて真ん中のルートを選択したのだった

 

 再び樹林の尾根を下っていく

 風の猛威は納まらない

 最期のり!

方向転換箇所

 

ルートの方向が90℃ほど変わる尾根に着いた

ちょうどよい切り株があった

腰を下ろして一休み!

 

チチの膝の具合が心配だ・・・

コロナ禍でジムを休会してから

筋力が落ちた事もあるのだろう

膝の具合はかなりそうだ! 

だが・・・ 

チチがそれをにすることはない

 

それどころか、

あまり休みを取ろうとしない私に

チチは必ずいう・・・

 

足を休めておけよ!

 

その意図がわかっているから 一緒に休むが

やはり寒さの方が勝ると、

休憩することを避けようとする傾向がある

これが、ダウンする一つの原因となる・・・

 

雪山は・・・汗が出た感じがしない

呼吸が乱れ、どんなにしんどくても、

汗が噴き出る感じはあまりない

疲れた感じも 麻痺してわからない時がある・・・

必死に登っているためだろうか・・・

 

自分の意識とは異なり、体がどれだけ疲れているか

それを自覚しなければ、危険な事になるのだが

わかっていても、気づかない時がある・・・

休んでみて かなり疲れている事に気が付いた・・・

 

 

 もう一息だ

 雪の樹林帯の中はルーファン必須!

 植林帯の縁を下る

 

この辺りから 間伐材打枝材が多くみられ 

本来は杣道を歩くが、雪も被さって分かり難くなっていた

なるべく左側の樹林の寄り

標布を探しつつ下っていく

 

山頂とは違い 雪質ががらりと変わる

ふわふわしたような 腐った雪と腐葉土が

アイゼンに蔓延り付く

ピッケルで叩き落しながら下っていく

 

 少ない貴重な標布

 激下りの不安定足場!

 杣道に出てヤレヤレと歩く…が

 み・・・道が~!

 足元はちている!

崩壊部分

 

杣道が崩れて細くなり、

倒木がその上から覆い被さっていて危険な状態だった

 

チチが声をかけた

上のコースの方が安全だ

だが危険だから気をつけろよ!

 

確かに上も 

倒木や折枝の重なった不安定な足場だが

崩壊箇所を捲くには良いかもしれないと

プチ危険帯を超えて 杣道に戻って下る

 

急斜面を九十九折りに下っていくと

道路が見えてきた だが今回は

見えているはずの道路が近づかず 

まだかまだかと追う形で下る!

なぜか出口遠くに感じた

 

 道路が見えてきたが・・・

 そこにある道路が遠い・・・

石ヶ平谷東尾根取付き

 

橋の傍に降り立った

 

もう クタクタだった・・・

精魂尽き果てた感じだった・・・

 

 

 駐車場まで林道を引き返す

 

長く感じた・・・

駐車場までの距離は、約500mほどだ

今日ほど、この500mを恨めしく感じた事は無かった

 

もっと手前で、なぜ停めなかったのか・・・

ちょっと悔やんだ・・・

やっぱり 疲れているんだよね・・・私

 

重ねられたタイヤの跡が黒くなっていたが

林道終点に近づくと やはり白いままだった

 

林道終点がみえてきた

我が家の車がぽつんと一台 寂し気に停まっている

ただいま、待たせたね・・・

 

漸く車の所に戻ったころには

辺りは薄暗くなり、

再び雪雲に包まれ、雪をちらつかせ始めていた

 

 大又林道終点駐車場 車止めゲート

 

駐車場について間もなく が本格的に降り出した・・・

この時期を惜しむのか、別れなのか・・・

一層強く振り出す雪に分かれを告げて

早々に帰路についた頃は吹雪になった

 

今日はもう 雪はいいよ・・・

さようなら

 

 

 

本当に疲れた・・・

久々に、8時間山行体に応えた・・・

コロナ禍に巻き込まれたまま 体力を失ったのだろう・・・

歳の所為もあるだろうが

身体を動かさなくなった途端に失う体力の急降下く・・・

動き出すと 少しは戻るのだろうか?

若い頃の何十倍もの努力が必要になるのだろうか?

どちらにしても、もとに戻すための努力をして行く他ない・・・

それは・・・

止められない山の為にも・・・

自分自身のためにも・・・

 

そう思いながら車窓から覗く景色を~っと見ていた

 

雪雲は、不気味な動きをしながら、はびこる様に広がっていた

そんな黒っぽい雲と金剛・葛城山の間から、

燃えるように見える夕焼けを見ながら 

いつしか眠りの闇に落ちていった・・・

 

チチも疲れているのに

独り運転をして連れて帰ってくれた・・・

 

 

最後までお付き合い下さって ありがとうございます

 

 


リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 2 薊岳山頂編

2022年02月25日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 

薊岳※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

漸く P1334m尾根から

薊岳への主稜線になる尾根にでた

白い闇に包まれた尾根道は、時間の感覚さえも失わせた

もう・・・薊岳までは辿り着けないかも・・・

そんな不安がよぎるとき チチが声をかけてきた

薊岳はもうそこだ!

その言葉に背を押されて進んだ

 

そして 

冬のは、私をまし

は、私を嘲笑った・・・

 

 

P1334mからの続きです

 

  凍てついた標識

 薊岳の頂を目指すだけ・・・

 

無理かと思いつつも

薊岳の主稜線に出ると 頂に立つが生まれた!

 

スノーシューに履き替えてからは少しはく歩けている

心配していた肉刺も処置がうまくいっている 

痛みはない!

さぁ~ 絶対!頂上まで行くぞ!

 

だけど・・・

 

 霧氷が覆い被さってくる!

 霧氷に阻まれる

 チチとの距離が縮まらない

 木々が悲鳴を上げている

 

風は休むことを知らないようだ

樹々を揺さぶり 

冬の花が乱れ散る

その氷の花びらとなって肌に突き刺さる

 

まるで風と一体化して攻撃してくる!

 

 

白い暖簾のように垂れた霧氷が

風に揺られ 視界を遮り

白い闇が濃くなり 冬の厳しい掟に翻弄される

 

 チチとの距離が開いていく・・・

 

青い空はもう望めそうもない・・・

せめて、風の勢いを少し緩めて・・・

その思いは虚しく吹き飛ばされ 

凍てついていく・・・

 

まだ白い樹林帯は抜けない…?と思った時

視界がが開けた!

 

な白い斜面が目の前に現れる!

その斜面をもう、チチが登っている

その左側には 成長して突きだす

見事な雪庇ができている

 

先行者のトレースが残っているので助かるが

あまり端によると危険な状態だ

新雪の下はクラストしており

崩れやすい雪との戦いが強いられる

 

だが 山頂は近い! ガンバだ!

 

 崩れやすい雪と戦いながら登る!

 山頂付近でみた樹々の様子だ!

 もう 山頂についた?

 いや…違った?再び樹林帯に?

 今度こそ、ここを過ぎれば…

 

おおぉ~~~

この雰囲気! まさに薊岳山頂!

モノトーンの世界の頂点に辿り着いたようだ!

 

 

無雪期にみられた岩稜帯のみられは 雪に覆われ

雰囲気が違っていたが まさに薊岳の頂上入口だ!

 

ちなみに 

2020年2月10日の時の同じ場所の写真はこんな感じだった・・・

2020年2月10日

 

雰囲気がまた違う・・・

この時はスノーシューでは難しかった・・・

 

 やっと山頂に着いた

 凍てついた薊岳の標識

薊岳 1406m

 

無雪期と違って、狭い頂は更に狭くなっていたが 

雪のおかげで歩き易くなっていた

 

途中 急登の新雪に藻掻くところはあったが

スノーシューのおかげでラッセル

身体に余裕がまだっている様な感じがした

 

相変わらず風は暴れ吹くが ちょっと足を休める事にした

チチの入れてくれた ホットミルクティーを飲んで

景色を眺め・・・と思ったが 全く望めない

蠢く白い世界を楽しんだ

 

 水墨画を思わせる樹々

 凍てついた、色のない世界

 

・・・とその時 諦めていた景色が動いた

 

わぁ~♪

一瞬だけ 開けたのだ!

 

 

ガスの動きは速い 

その一瞬に

周囲の稜線が浮かび上がった

 

本来なら、赤ゾレ山、伊勢辻山、高見山が見え、

遠くは 金剛山 葛城山まで見えたはず

北側の景色も、大峰山系の山々が望めたはず

でも、今日のこの天候で、

一瞬でもその面影を見る事ができたのは

ラッキーであった

 

ご褒美は頂いた!

さて、長居は無用だ!

風の猛威は休まる事はなさそうだ!

 

 早々に下って行く事にした

 頂上付近の急下りは気を付けて!

 

新雪の急斜面のりは 要注意だった!

 

来た時のトレースを外さないように下るが

雪庇に寄り過ぎているルートに、亀裂が出来ていた!

 

だが・・・ルートを外れると

深雪の土壺にはまりそうだ しかしここは

少し離れた所にルートを作り直して下った

この時も、スノーシューが大活躍で助けられた・・・

 

轟々と唸りを上げる風神と戦いながら

急下りを慎重っていくと・・・

何という事でしょう!

 

 

一瞬 った・・・

 

 

森が・・・きだした!

 

 

何度も何度も 足を止めて上げた!

 

 

あの白い闇は何処にえたの!

 

 

予期せぬ 褒美だった・・・

 

 明るい尾根歩きとなった

 見飽きない明るい景色が続いた

お日様が顔を出し

森が芸術的なを披露し・・・

艶やかに咲いた冬花の林冠がしいほどに・・・

頑張って登ってきてよかったと思った時だった・・・

台高山脈の稜線も望めた

 鳥獣保護区の看板

 石ヶ平谷東尾根の分岐

 

石ヶ平谷東尾根分岐辺りに来た頃

び周りは白い闇に包まれ始めた

 

鳥獣保護区看板から 来た道とは違う方向の

石ヶ平谷東尾根へと下っていく・・・

 

そのルートは、歩く人は少ないと聞いていたが

この日はまだ・・・

誰の踏み跡もない 真っ白な雪面が落ちていた・・・

 

その雪面を見ながら あとは下るだけと思った

この時は、

本当に…ただ…

そう思っていた…

 

つづく


リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 1 P1334尾根編

2022年02月23日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 薊岳 

 ※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

今年・・・雪が降る機会が週末に見られた

だけど、中々本格的な雪山を味わう事が難しい状態だった

少し体調も落ち着いたと思って、薊岳に向かった時も、結局!

喘息発作を起こして、中止せざるを得なくなった

 

喘息の薬が変わり、ようやくコントロールできるようになった

今の体調で登れる所として 再度、薊岳に向かった・・・

 

これが吉と出るか凶とでるか・・・

行ってみなければわからない!

 

チチの運転する車に揺られて

うつらうつらしていた頃 景色が変わった!

大又林道は冬景色に変わり 

その途中で、スタックしている車と

それに対応する数名の登山者たちに出会う

この林道をこの時期に入ると 必ずみられる助け合い!

チチも助っ人に回り そして、先の大又林道終点へと向かった

 

 大又林道終点駐車場

 

雪は以前の時に比べると少ないように思われるが

今の体調を考えると充分だ!

冷たい空気を吸っても 発作は起きない 

不安を抱えながらも、支度をして 薊岳に向かった

 

 

コースタイム

7:45 大又林道終点駐車場 ~ 7:51 P1334尾根取付き 8:05 ~ 8:54 C900m地点 ~ 11:19 1334m ~ 12:07 薊岳1406m 12:25 ~ 12:50 石ヶ平東尾根分岐 ~ 13:55 トウフ岩 ~ 14:14 方向転換地点 14:20 ~ 15:25 石ヶ平谷東尾根取付き ~ 15:42 大又林道終点駐車場

 

 

 

車止めゲートを過ぎると、更に世界が変わっていった

林道は、無数の登山者の形跡を残して 

モノトーンの世界へと導く・・・

 

展望は望めないにしても 冬の花見は出来そうだ♪

冬山への期待が膨らんだ

 

ただ、この時… 

久々に履く冬靴を忘れていて

後々く事になるなど 気にもせず

今季冬靴の重さを感じながら歩いていた

 

 

林道を進んで行くと 小さな橋の右側に

雪を被った鉄階段が見えてくる

ここが P1332への尾根の取付きである

 

ここからはアイゼンを装着してから登っていく

 

 P1334尾根の取付き

 手すりに標布テープ!

 

雪を被った鉄の階段が冷たく誘う

ステップに積った雪は新雪のままだった

 

今日はまだ、誰も歩いていないようだ!

 

最初から人の少ないコースを選択しての事だが

キュッと身が締まる思いがした・・・

 

 さて、行こうか!

 初っ端から急登が待っている!

 覚悟はしていたが背中の荷が、重い!

 

鉄の階段からは な登りが続く

久々の冬靴12本アイゼン そして・・・

背に背負ったスノーシューの重さが応える

 

雪の表面は柔らかいが その下からは凍った固さが伝わる

雪質は悪くなさそうだが下はクラストしているようだ 

注意しながら確実に歩いていく

 

 急登を只管、登っていく

 C800m辺りか?緩くなって…

 最初の急登がった・・・が!

 

わぁ~!

風の洗礼?悪戯?

最初の急登を登り切ったあたりのC800m

そこには  手薬煉を引いて待つがいた!

 

突風が 草木の雪を払いのけ

雪煙を捲き上げる勢いで吹きつけてくる

その力は強く 木々を揺さぶっていく

 

そんな、容赦なく襲う風に立ち向かう

急登を上ってきた足に、異変を感じ始めた

 

右足に痛みを感じ始めたのだ

それは だんだんくなっていく・・・

そして 思い出した!

冬靴との相性が悪かったことを・・・

足の肉刺予防対策をする事を・・・

 

しまった!

そう思ったが、すでに遅かった・・・

 

 支尾根の植林帯

 急斜面をトラバース

 時に埋もれた倒木を越えて!

 再び急登を一気に登ると

 C900m 急登が終った?

 登って来た所を振り返って見た

 

C900m辺りから緩やかになるが 

先の見えない白い闇の狭間を歩く感じがした

そして この辺りから雪の量と雪質わり出した

 

緩く感じた道も そう長く続くものではなかった

段々勾配はきつくなり 優しさは微塵も感じない

 

だが この時 後ろから人気配が

二人の若者が登って来られた!

躊躇することなく 道をった

 

若さというものは素晴らしい~!

馬力が違う!

ドンドン登っていく

私にとって助っ人が現れた様な感じだった

 

若いっていいなぁ~

チチがボソっという・・・

 

年齢と共に 体力がわれていくのを感じ始め

そして更に追い打ちをかけるように起こったコロナ禍!

 

老いという避けられぬ試練に直面して実感する

正気な気持ちだ…

 

 

若い頃のチチも凄かったよ

そうだったかな

 

今もその頃と同じだったら 

私、ついて行けないよ!

そうか・・・

 

ここからは、

入れ替わった若い先行者の恩恵を受けながら

マイペースに登っていった

 

登っていったが・・・足のみは増していった

ついに 肉刺が敗れた感触が伝わった・・・

 

微妙に靴の中で足をずらしながら調整するが

目先の対応で効き目は無いに近かった・・・

 

いたい~!

 

 

 足が痛いよ 

 斜面の角度も!容赦ない

 

異次元の世界がひろがり

まるで未知との遭遇を彷彿させられた

 

止まると足の痛みはやわらぎ この幻想的な景色に

少しの間、忘れていたが・・・

歩きはじめると・・・~い

 

 プチラッセルしながら登っていく

 

幻想的な世界に目を奪われると

また 足が止まり 痛みも忘れる!

だけど やっぱり 歩き出すと痛みは襲う!

 

 レース編みの暖簾?

 

光は煙幕に包まれ柔らかく、白い魔物たちが佇む

まさに幻想的な世界と化していた

 

視界は閉ざされ、白い闇が広がる森の中を

何かを訴えるように吹き抜ける強い風!

この風は終始 付きまとい、

こんなタイミングで吹く~?と言いたいほど

突風に煽られ、バランスを崩しかける事が多々ある

 

 

 容赦ない突風!

 立ちはだかるエビの尻尾軍団!

 戦い続く…

 

山の様相わり出した

吹き溜まりとなった所や、風に掃かれて浅い所

様々に変化しつつも、確実に雪の量は増えており

樹の背丈も低くなり始めていた

 

足の痛みも増してきた!

 

チチに足の事を このタイミングで伝えた!

愚かな私!

 

急登が続いて、風も吹きつける中 

足の処置をするところがないように思えた

我慢すればいいと考えた

しかし、それが間違いだった…

 

 稜線はもうすぐだ!

 稜線手前の緩い所で履き替えよう!

 

急斜面のトラバースでは もろい雪が足場を不安定にし

油断するとそのまま谷底まで滑り落とされそうだ

小さな雪玉が落ちていく姿を見ながら 緊張が増す!

 

稜線に出る所での尾根が緩やかになるはずだ

そこでスノーシューに履き替える事にしよう!

 

ここからは必死だった

記憶には、

白い世界で藻掻く自分の姿しか残っていない!

 

 もうすぐ尾根に出る・・・

 

まだか?

もう少しか?

足が痛い・・・!

 

そして緩い尾根に出た時はホッとした

 

風は強いが、風を避けるところは見つからない

ここでしかない!

 

アイゼンを外して 

靴下を脱いで足をみた・・・

 

お見事!

肉刺はつぶれて皮が捲れていた!

 

吹き付ける強い風との戦いの中

手袋を付けたままの操作は苦手な事もあり

足の処置や履き替えには時間がかかった

 

かなり時間をロスしたと思う・・・

もういつ履き替え始めたのか いつ終わったのか

時間の記録も この辺りから疎らになっていた

 

ただ 履き替えて動き出した頃にはもう

時刻は11時を回っていた・・・

 

身体も冷え切って 手足が冷たく

凍傷を考える程、指先が痛かった・・・

 

 

スノーシューに履き替えてからは早かった

足の肉刺の処置もうまくできたのか 

痛みは気にならない

 

ここから挽回するように歩いた・・・

次第に体が温かくなりだし

冷たかった手先にも血が通い始めた感じがした

 

だが 薄暗い世界の中で 時間の感覚がずれ

薊岳に登れる自信が 

いつの間にかえつつあった・・・

 

 

チチ・・・薊岳に着くかな?

 

ここからは 薊岳はもうそこだ 着くよ!

 

うそ・・・

 

内心そう思った・・・

なぜそう思ったのか・・・

 

山家は 嘘をつく!

励ますために嘘をつく!

優しい嘘をつく!

頑張ろうとする気持ちが生まれる!

 

 P1334mに着いた

 チチが振り返ってもうすぐだという

 

風がせせら笑う

樹々が揺れて悲鳴を上げる

氷の花びらが乱舞して肌に刺さる

それでも

それでも

チチの言葉に押されて

 

薊岳へと向かった・・・

 

何もかも包み込んで

先の見えない白い闇の世界が広がる中

冬の花を咲かせた木々が寄り添って

励ましてくれる

 

 

つづく

 

長編になりますが、思いを綴っていきたいと思います

山行記にお付き合い下さると嬉しいです

宜しくお願い致します

 


金剛山 釜道からセトコース

2022年02月13日 | 山 近畿 金剛・葛城

今年もまた、厳しい年明けになった

コロナ禍が続く中 私の体調も今一つ・・・

年明けから喘息発作が続き 不整脈も出てきて

雪山へのチャンスを見送ってきた

 

体力どんどんちていった

だけど諦める事はない・・・

もうだめか・・・と思っても 

山への気持ちは消えない

 

また少しずつ、行動を起こし始める

今年2回目の金剛山・・・

金剛山だった

雪は無かったが、天然スケートリング状になって

アイゼン無しでは歩けなかった・・・

 

1月29日の金剛山での事… 

 

今回は白い衣を羽織った

金剛山に会えるのだろうか・・・・

少しワクワクしながら、

いつもの如く 人の少ないコースと

早朝の時間帯をねらって金剛山に向かった

 

2022年2月11日(金)晴れ

金剛山 釜道コースからセと周り

 

 (旧)まつまさ通

 

まだ暗い金剛登山口豊田駐車場を出たのは

6時を回った頃 

人の姿は疎らだった・・・

舗装道路の道は冷たく続くが雪は無い・・・

山は眠っているかのように静かだ

うっすらと蒼く白けだす空が

暗い森の影の向こうで夜明けの準備をしていた

 

 

雪は無いのかな?

林冠の向こうにみる空を見上げながら 溜息一つ

冷たい空気がマスク越しに凍み込んできた

喘息は大丈夫そうだ・・・

軽い喘鳴は残るが 今日は登れそう・・・

 

 車止めのゲートを越えて雪はなし?

 あれ?何やら白いものが・・・!

 

先の橋を渡って黒栂谷道方面へ向かう道は

一変していた・・・

 

 オイオイ…凍っているよ!

 

アイゼンは少し様子を見てからということになり

路肩の土の部分を歩いて 釜道取付きへと向かう

 

今回も雪ではなく の世界になるのかな?

しかし・・・

 

 取付きには はなし!

 

釜道ルートは 激登りから始まる

ここが凍っていない事が救われた!

 

 急登の取付きガンバだ!

 目覚めていく山道にいものが!

 明るくなって、景色は変わり出す

 

ここからも、な登りには変わりない 

 

アイゼンを着けよう・・・

見兼ねたチチが声を掛けてくれた

 

助かった・・・

キックステップで歩くのは疲れる

凍った雪面は、容赦なく

体力の消耗を増加させ、今の私には堪えた

 

高木の並ぶ樹林帯 ふと見上げると

林冠から覗く空の冷たさ・・・

今日は天気に恵まれているはずなのに 

青空が見えてこない・・・

地面の凍った雪を踏みしめて ひたすら急登を登っていく

 

 陽を遮断したような樹林帯

 寒そうに垂れるミヤコザサ

 雪を被った階段は登り易い!

 樹間に見えるは大日岳?

 

景色が変わってきた尾根道

ワクワクしてくる♪

 

人に出会う事なく

眠る森の微かな息を聞いている様な

静かな 静かな山を愉しむ♪

 

 樹林の中は薄暗く、蒼い雪道が誘う

 雪の量が増えてきた♪

 

おお~! 雪景色だ!

 

山頂付近になると 一気に景色は変わった

真っ白とはいかないまでも 素晴らしい~♪

冬の花は 6~7分咲といったところだろうか?

でも見事なものだった 

足が止まり暫し見とれた・・・っと

 

この寒々しい森の中で 小鳥が鳴いていた

 

冬景色と化した山の山間に響く鳥の声

何の鳥かはわからない

だけど聞いていると面白い

 

 

チョキ チョキ チョキ・・・と聞こえた

私は グ~ グ~ グ~・・・と返した

 

今度は

(ぴや~) ぱ~(ぴや~)・・・と聞こえた

私は チョキ チョキ・・・と返した

 

 

じゃんけん感覚で楽しんだ・・・

しかし、さすがに

グ~グ~となく小鳥はいない様だ

グ~グ~は私のお腹だけか・・・

 

何か口に入れよう・・・

飴を舐めた・・・

 

ポツンとヤドリギ

 

今日は天気がいいはずだが、まだ空は笑わない

白いベールを広げて わずかな霧氷同化する

 

 六地蔵尾根の冬道を楽しんで

 六地蔵様も寒そう・・・

 

白髪頭になった樹

無数に延びる枝の先に芸術性が見えてくる♪

 

 小さなエビの尻尾 可愛い~♪

 倒木も白いオブジェと化す

 

雪山ハイクが楽しめる♪

いい~♪ いい~♪ 来て良かった~♪

 

 カトラ谷道分岐

 

カトラ谷方面への足跡は無かった・・・

ここを右に曲がれば 頂上広場に着く

頂上はもう目の前だ!

 

金剛山山頂

 

8時のライブカメラ前の人は少なかったのだろう・・・

1分ずらして着いてみたが

ライブカメラの前に人はいなかった!

広場には 数名の登山者がいたが

各々の休憩を取っていただけだ

 

今日は、景色は望めない

ここは早々に退散!

写真だけを撮って 広場へと移動した

 

 誰もいない山頂広場

 初の東屋利用

 

こんな静かな金剛山頂は珍しいが

時期的なものか、時間的なものか、条件が良かったのか 

人の姿はなく、広がる広場に時間すら留まる・・・

 

ゆっくりできそうだ・・・った

 

だが 寒すぎて 寒すぎて・・・

ゆっくりと過ごすことが出来なかった

行動食を摂って 早々に立ち去った・・・

 

 恒例のカマクラが成長している

 茶屋の裏屋根の痩せての鋭い氷柱

 茶屋の裏通り…時が遡った感じがする…

 セトに向かう

 青崩道・水分道へ向かう

 

早朝のためか 天気に恵まれるはずの今日は

期待外れの空模様・・・

夜が明けても 青空は見られず

霧氷もッとしない・・・

 

それでも冬山を楽しめた事は幸運だ…

半ば諦めるように慰めていた・・・すると

 

お~っ!

 

 

開かれた林冠の先に広がる青

吸い込まれるような青に 一気に気持ちは昇天した!

 

 大阪側の開けた尾根

 

静かに山々が目覚め、活気を取り戻す様子を

目の当たりにした感じだ!

 

 

輝く樹冠 命の目覚めの様な

何とも言えない美しさに目を奪われた

 

 

樹木の間から差し伸べる日差しが

優し気に笑っているようだ

 

 朝陽に送られセトへ下る

 セトから黒栂谷道へ下る

 もう少しがあると楽な

 急登の下りをもうひと踏ん張り

 ヤレヤレいた・・・けど

 

黒栂谷道のコンクリート道に出たけれど

ツルッツル! ここはの下り道

気を許してアイゼンを外せば 凍った道餌食に!

 

まだ アイゼンは外せません!

 

 カトラ谷出合

 アイゼンを外そうか迷うが・・・

 

まだまだ外すと面倒だ・・・

あの取付き点付近は 凍ったままだろう・・・

 

まだまだ アイゼンは外せません

 

ほらっ!  

 

 

バッリバリ!

 

 

アイゼンさまさまと

ザクザクを立てて下っていく

 

 落ち葉や落ち木の氷漬け

 9:36 ゲートに着いた

 

9時を過ぎた頃だったか

登って来られる人の数が尋常ではなかった

 

その証拠に 駐車場に着いた時は、

旧まつまさの駐車場も豊田駐車場も満車

離れた駐車場から歩いて来られる登山者も見られた

今日の登山者は出だしはやや遅かったけど 多そうだ!

 

金剛山は賑やかになるっているのだろう・・・

早朝に出掛けて正解だったのかもしれない・・・

 

高城茶屋の横の水場で 靴を洗っていると

またまた多くの団体さんを見かけた

かなりの人数だ 

急いで駐車場に戻ったのは言うまでもない!

 

 

コースタイム

6:10 金剛登山口豊田駐車場 → 6:35 釜道取付き → 8:02 金剛山1125m 8:10 → 8:45 セト 黒栂谷道 → 9:36 車止めゲート 9:50 金剛登山口豊田駐車場

 

 

最後までお付き合いありがとうございます