ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

冬が居座る 桧塚 3

2022年03月28日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年3月20日(日) ☁/風強し 

マナコ谷より桧塚・桧塚奥峯

 

樹林帯から抜け出て雪原となった支尾根からの続きです

 

作業小屋からの樹林帯を抜けて 

雪原となった荒地の尾根に出ると、

何も遮るものが無く 

風の思うままの世界が広がっていた

 

ホワイトアウト状態の尾根では

感覚がずれてしまう感じがする

今どこを歩いているのか・・

 

ともすれば、錯覚する事がある

目的の主尾根の位置関係が分かり難い

どれほど歩けばいいのかさえも検討がつかない・・・

 

今はただ、飛ばされないように、

踏ん張って登っていくしかない!

 

すると次第に 尾根の形が変化してくる…

狭くなった尾根が、ゴツゴツしてきた

 

 荒れた雪原尾根からぼこに!

 

樹林帯から抜けて 荒地尾根を歩き始めてから 

約10分ほど経った頃、寒々とした岩場が現れた!

 

だが、危険という危機感は生まれない

反対に、ここは灌木が味方となって、

風の猛威からけてくれた

 

 

 暫く、岩尾根を歩く

 

ここがピークか?と思う感じがした・・・が

岩尾根のピークと思えたえたのは・・・

 

 

無限の広がりを見せる世界・・・

 

愕然とした時だ・・・

主稜線も 目的の山も見えない!

 

今どこを歩いているの~!

桧塚は何処なの~!

 

ただ、まだ・・・ 

主稜線に辿り着けていない事だけは理解していた

 

地図確認をする余裕は

この時の私には無かった・・・

風に吹き飛ばされないように耐え!

チチから離れないよう

ただ、登るの事だけに、必死になっていた

 

 主稜線を目指して登る・・・

 

だけど、

チチは何事もないように登っていく!

 

何が違う…? 筋力か…? 技術か…?

いや、体重だろう・・・

み根性で勝手に思う愚かな私・・・

だから余計に、意地悪をしてくるのだろう・・・

 

風に煽られ ふ~ふら・・・

ぁ~ みじめ!

 

 六花の樹林帯

 

少し明るくなった!

稜線に出たのかと 顔を上げると

まだがある・・・

 

空は 時折明るい景色を覗かせる

それもつかの間 また・・・

白い寒々しい世界へと引き戻す

 

 再び風と戦いながら登る

 風の強さを象徴するシンボルツリー

 

主稜線に出た?

何処見ても モノトーンの世界ばかりで

目印になりそうなものさえ 捉えられない!

 

すると チチの声がした

尾根に出たよ!・・・と

 

やっと稜線に出たことを、実感することが出来た

そして 少し離れた所にある

エビの尻尾が無数に張り付いた標識を見て 

再確認をした!

 

 マナコ谷分岐の標識

 まずは桧塚へ

 急に明るくなった!

 

主尾根に出た頃から 空の展開が早く

明るくなったり暗くなったり 

あぁしい!

 

雲の動きが不気味なほど激しく 

色々な表情を見せてくれたが 

きは、支尾根の時より

しくなったように感じる

 

 桧塚がぼんやり見える

 重そうな霧氷花

 

もうすぐ桧塚に近づくころ

満開の六花に包まれ の花見を満喫する

 

 桧塚の標識

桧塚(千秋峯※センシュウミネ)1402m

 

展望のない桧塚ではあるが

この季節は 霧氷林に包まれ 

冬の花見の名所に変わる

 

今までのしんどさも忘れて、見入ってしまう

 

そして ふと、気が付いた

足元が重い!

 

よく見ると、足元には雪の塊ができ

段々、目線がくなっている

まるで雪の下駄を履いているようだ

 

 雪の下駄履き状態!

 

湿気の多い雪質の為せる業だが、

下りでこの下駄は危険だ!

細目に落としながら、下っていく事になる

 

冬の芸術品を見ながら、暫く休んだ後、

今度は、桧塚奥峯に向かうため

一旦、マナコ谷分岐まで引き返した

 

 マナコ谷分岐まで一旦戻る

 マナコ谷分岐通過

 桧塚奥峯へ向かう

 明神平への分岐

台高山脈 桧塚奥峯1420m

 

桧塚から、約15分ほどで桧塚奥峯に着いた!

 

見慣れた標識とシンボルツリーを確認することが出来たが

周囲の展望は、閉店ガラガラ!

灰白色のベールに包まれ、殆ど望めない状態であった

 

それでも、動く雲の間から、青空が広がる事もあり

チラ見の展望数秒ほど望める事があった

それだけでも、贅沢みだった

貴重な展望を瞬間に見た後、下って行く事にした

 

シンボルツリー

一瞬見せた青空

桧塚が一瞬姿を現す

 

やんちゃな風が、好き勝手に暴れているものの

往路の時ほど酷いものではない! 

吹き飛ばされる心配が無いという事は

これほど安心楽しむ余裕が生まれるという事なのか・・・

 

 マナコ谷登山口へ戻ろう

時折、見事な青空が広がる稜線!

 

霧の花が咲くときに青空が恋しいと思うのは誰も同じだろう

一瞬でも青空が広がると それだけで気分は高揚してしまう

 

ありがとう!

ありがとう!

空を見上げて叫んだ!

 

 霧氷のトンネルを潜る 腰が痛い!

空が曇ってきても 残る日差しに輝く霧氷の立木

寒々しくも垂れる、不気味な雲に浮く霧氷の立木

冬の厳しさをまざまざと見せつける

マナコ谷分岐から下る支尾根

 

再び暗雲の空に包まれ

モノトーンの世界になるが、

下る頃には風の存在は、さらにくなっていた

 

 下りは楽だった・・・

 風は何処に行った?

桧塚が顔を出してお見送り!

 

下りは、登りの時の悲愴感は全くない

それ所か ルンルン気分で 

移り変わりの激しい空を見ながら下る

山も そんな私を見て笑うのか

揺れる六花の乱舞もまた一興♪

 

 岩場の尾根も楽勝で過ぎて

 目の前にヒノキ林が近づく

 

もうすぐ 荒地の雪原とお別れだ

 

ただ、この支尾根の斜面

雪解けや雨降り後はジュクジュクで歩き難かろう・・・

今日は地面まっていたので、

楽に下る事ができた♪

 

 樹林帯の急斜面

 作業小屋の外でコーヒーブレイク

 急な下りは続くが、もうひと辛抱

 樹林帯の中を九十九折に下る

 マナコ谷が見えてきた♪

 沢が見えてきた!

マナコ谷

 

マナコ谷沿いの斜面もまた、

登りの時とは違い、 歩き易くさえ感じた

 

谷が近づくにつれて、足取りも早くなる

 

 もう、そこだ!

 マナコ谷登山口到着!

 千秋林道てくてくと・・・

 

誉橋が見えてきた

もうすぐ もうすぐ ~い千秋林道の終点!

 

林道歩きは ちょっと飽きてきたよ・・・

早く着かないかな・・・

 

 木屋谷雨量観測所駐車場に着いた

 フサザクラさん ただいま♪

振り返って・・・通行止めのクサリ

 

漸く 千秋林道が終った

約30分弱の距離だが 長~く感じたのは私だけ?

 

だけど、ほど良い疲れと満足感だけが残った♪

 

登りの時は、

嫌になるほど悲愴感に包まれていたけれど

喉元過ぎれば・・・なのかもしれない

今は・・・

頂上付近の霧氷林が恋しい~♪

 

ただ・・・そんな余韻に浸ってはいられない

ここからの道もまた 私には緊張いられるものだった

 

 狭い!

 ガードレールが無くなった?

 切れたスレッスレの谷間

 

狭い林道には・・・

新たな落石がいくつも散らばっていた!

 

来るときは無かったよな・・・

うん・・・なかった!

 

そんな会話をしながら車を走らせた…

ものだった

 

・・・

・・・

 

やっぱり、家に帰り着いてから

今日の余韻に浸る事にしよう・・・

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 


冬が居座る 桧塚 2

2022年03月26日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年3月20日(日) ☁/風強し 

マナコ谷より桧塚・桧塚奥峯

 

 マナコ谷登山口からの続きです

 

マナコ谷出合登山口から、

本格的な山道の始まりだった

 

 マナコ谷からの取付き

マナコ谷登山口

 

千秋林道の大きくカーブした所に

苔生したケンチブロックが見えて

その脇からの取付きとなる。

 

正面にマナコ谷が見え 少しの間だが、 

その谷沿いの急斜面を登っていく

 

マナコ谷

 

苔生した谷間を眼下に

やや荒れ気味の登山道を登っていこうとした時だった・・・

 

何しに来たんだ?・・・と

怪訝そうにこちらを見るカモシカに出会った

 

 

まっ!気~付けて登ってや!と言った感じで

無関心にも、さっさと急斜面を登って姿を消した

 

羨ましい・・・

 

似たような足場の斜面を、

用心して登る私とは雲泥の差である

軽々登っていったカモシカを見て

あぁ…カモシカになりたい・・・

安易に思う愚かな私だったが

気を取り直してマイペースに登っていく

 

 足元に気を付けながら

 無数の間伐材の間を抜ける様に

 谷へと落ちていく斜面を登る

 漸く 歩き易い道になる

 

マナコ谷登山口から15分ほど急登を

ジグザグに頑張ると、やかな道に変わる

そして・・・この頃

ようやく、杉林に落ちる木漏れ日に

目を向ける余裕が出てきた

 

 九十九折に緩やかに登っていく

 ここは直進はしない!

 

 

テープ標布に従って 左上へと方向転換して登っていくと

再び、樹林帯の急登になるも、木漏れ日が差しだした

 

午後から天気なるという予報が

少しくなったのかも

小さな期待が生まれる

 

 木漏れ日の中の急登

 C906m?の標識を見て…

 幾度か作業道と交差して登ると…

 薄っすら地上に白いものが…

 霜柱が見つかると…

 チェーンアイゼンの落し物も見つけた

 残雪がチラホラ見られだした頃

 

樹林帯の中にポツンと小屋を見る!

避難小屋?と思って覗いてみた・・・

チチが言う

これは作業小屋だよ・・・と

 

でも・・・

何かあった時、避難小屋として使わせてもらえる?

そんな勝手な事を考える

 

 作業小屋

 

そう言えば、あれほど風の存在を感じていたのに

小屋の辺りになると がどこかにえた

 

風の居ぬ間に・・・ではないが、 

この小屋の近くで休憩を取る事にした

 

 樹林帯の向こうに白い影!

 

小屋の付近から、感じる不安・・・

 

それは、雪こそないが、凍った地面残雪

不安材料となっていた

この辺りから、アイゼンを付けようかどうしようか迷うが

チチが・・・

まだ様子を見よう・・・という

 

仕方なく、そのままっていく

 

 急登は続く!ここはまだ大丈夫

 残雪の急斜面!

 

少しの距離だが、残雪の付き方がらしい

 

今日はまだ、誰も歩いていない残雪面

チチがステップを作って登ってくれた・・・

 

わたしは、そのステップを頼りに登ればいい・・・

助かった…ありがとうチチ

 

そして更に急登を登るにつれ

地面は白みを帯びてきて それが濃くなるにつれ

冬の世界への回廊のように感じた

 

 支尾根の端の樹林帯・・・?

 植生が変わってきた?

 

雪が目立ちだすころ、植林の様子が変わった

スギからヒノキが目立つようになる

そしてび声をあげて、頭上を通っていく・・・

 

あの木漏れ日は何処に行った・・・

風がお日様を吹き消したのか・・・

 

稜線上でのことを予想すると、背筋が冷たくなりそう・・・

ここでアイゼンを付け、雨具を着る事にしたのだった

 

 冬の景色に変わりつつある

 桧の樹林帯を抜けると・・・

 

世界!

ホワイトアウトだ~!

冬に逆戻りした世界が待っていた

 

風は待っていたとばかりに体当たりしてくる

期待していた青空は無残にも掻き消され

白い魔物の棲む世界に迷い込んだ感じだった

 

ここはまだ 稜線ではなく支尾根だ・・・

稜線まで辿り着けるだろうか?

気の強い風に阻まれ、それに抵抗するかの様に登っていくが

意欲すら剥ぎ取られる感じがした・・・

 

 

周りは何も見えない

隠された景色の代わりに 

凍てついた世界と睨めっこしつつ

暴れ風に翻弄されながら、稜線を目指して進む

 

 

時折吹き付ける突風に煽られ、飛ばされそうになる

咄嗟に耐風姿勢を取らざるを得ない・・・

 

突風と戦いながら登るため

かなりのロスタイムを作ってしまう

 

最悪だ!

 

内心、大丈夫か不安になるが

チチはどんどん稜線目指して登っていく

 

行くしかない・・・と思いつつも 

不安は拭い切れない

 

 チチはどんどん登っていく・・・

 

モノトーンの世界には 神秘なるものが潜む

 

しかし、今日のお山には、魔物が棲み 

飛ばしてしまう勢いで吹く風を引き連れて

何やら、手薬煉引いて待っているようだ

 

 チチの背だけを追って進む

 

冬景色で迎える尾根は厳しい掟で守られている

通りゃんせ 通りゃんせ・・

 

心の中で、風に

少し力を弱めてくれないかとお願いする

 

何も言わぬ山は、まだ目覚めぬまま

風の猛攻を許しているようだった・・・

 

つづく


冬が居座る 桧塚 プロローグ

2022年03月24日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年3月20日(日) ☁/風強し 

マナコ谷より桧塚・桧塚奥峯 

 

人の少ない所・・・

それが基本にある・・・

そして、

冬の時期が面白い桧塚に行こう!

と、チチが言う

 

桧塚は、桧塚奥峯からただけ・・・

丁度、季節はだった

鬱蒼と茂る尾根を見た時、展望は望めないと感じ

この時は、行くのをめた・・・

 

それから 幾年月が流れた・・・?

すっかりその時の事を忘れていたが

チチに誘われて、冬ならばいいかも♪と思った

 

桧塚を検索してみた

奈良県と三重県の県境を分ける台高山脈の

北方稜線が複雑に屈曲して三重県側に派生した峰にある山

(ヤマケイより抜粋)・・・とある

 

乘った!行こう♪行こう♪

単純な私は、チチの計画に、

またまた乗ってしまった!

 

今回は、違うところから登ろう!

???

 

チチは、奈良県を通り過ぎ 三重県へと入った

そして、いつしか道は・・・

細く、デンジャラスな林道へと変わっていた

うつらうつらしていた眼もバッチリ!

お尻がキュンと締まる様なスリリングさを味わいながら

くねくねした木屋谷川に沿った道を走って突き当たった

 

そこが今日の終点!

木屋谷雨量観測所の駐車場に着いた

 

今回は三重県側から 

桧塚と桧塚奥峯を狙うようだ!

 

 木屋谷雨量観測所

 駐車スペース

 

思えば、登るより怖いアプローチだった・・・

道には無数の落石が転がっている

避けて走るにも 道幅に余裕は無く 

片方は深い谷が切れ落ちていた・・・

 

お陰で、すっかり眼も冷めた

何事もないように、準備をしてる事にした

 

 登山ポスト

 

木屋谷道終点の駐車場から

チェーンが張られた先の千秋林道へと進む

 

千秋林道へ向かうときに フサザクラが目に留まった

派手さはないものの、暗赤色の雄しべが房状に垂れて

本当に名の通りで房を沢山付けている感じがした 

フサザクラには、花弁は無く 古代植物の一つと言われるように

地味な感じではあるが、どことなく目を惹くものがある

 

 フサザクラ

 

人の気配を失った谷沿いの林道は 舗装こそされているが

落葉や落石などが散らばって 

木屋谷林道同様に、車で走りたくない様な道だった

まぁ~ 一般の車は通行止めにはなっているが・・・

 

 切れた谷に木屋谷川を見る

 見えるはずの桧塚は隠れたまま

 

青空が一瞬だけ覗くが

すぐにカーテンを閉められるように閉じられ

さだけを感じる

 

ただ・・・桧塚がちらりと覗いた時

頭はくなっていた・・・

 

林道には冬の面影すらないが、

山頂には、居座る姿を見る事ができそうだ

 

 荒れた千秋(センシュウ)林道

 不動橋

 大小の滝は幾つある?

 誉橋

 

誉橋から見る木屋谷川の 清流の美しさに魅かれる

 

さて、この誉橋を渡ると、もうすぐマナコ谷の出合だ

そこが登山口の様だ

 

 

長い林道歩きも、然程、苦にならずに 

切れ落ちた谷間に見える滝を見ながら歩き

漸く、取付きとなるマナコ谷登山口が見えてきた

 

 いくつもある一つの滝

マナコ谷出合・登山口

 

さて、ここから本格的に山歩きだ!

人の姿は無く、自然の懐の中で楽しんで登ろう♪

 

コースタイム

 

7:07 木屋谷雨量観測所駐車場 7:30 ~ 千秋林道(センシュウリンドウ) ~ 7:44 不動橋 → 7:56 誉橋 → 8:10 マナコ谷登山口 → 8:43 960?の標識 → 9:15 作業小屋 9:25 → 10:52 マナコ谷分岐 → 10:36 桧塚(千秋峯)1402m 10:45 → 10:52 マナコ谷分岐 → 11:00 桧塚奥峯 1420m → 11:41 作業小屋 12:15 → マナコ谷登山口 → 13:04 誉橋 → 13:24 木屋谷雨量観測所駐車場

 

 

 

つづく

また、お付き合いして頂けると嬉しく思います

宜しくお願い致しま

 

 


リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 3 石ヶ平谷東尾根編

2022年02月27日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 

薊岳※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

 

あとは、下るだけ…と思った石ヶ平谷東尾根の分岐

まだ余力を残していると思った

しかし・・・

下り始めて、

楽に下ることは出来ないかも…

そんな感じがした・・・

 

 

リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 2 薊岳山頂編からの続きです

 

 

分岐についたときは

この下りが悲愴感漂う事になろうとは・・・

知る由もなく、

ただ、達成感に満ち溢れ、

余力の残る自分にとしていた時でもあった

 

 分岐から石ヶ平谷東尾根へと下る

 チチのトレースのみが残る

 ルートを模索しながら急斜面を下る

 

スノーシューで下れるところまで下ろう

 

尾根幅は狭くなり

左右切れ落ちる急斜面を下っていく

スノーシューが時々邪魔になるほど

足場の不安定さでヒヤヒヤする事も・・・

それでも、踏み抜きのない安心は捨てがたい・・・

スノーシューでの激下りの瘦せ尾根は、疲れる・・・

 

 細尾根の岩場?の先は…

 激下りをスノーシューでるの~!

チチが引き返してくれた跡

 

写真では表現しきれない急斜面

細尾根の切れた斜面に転がっていく雪塊をみて

私の足は止まってしまった・・・

 

チチ~ アイゼンの方がいい~!

切れた斜面の激下りの細尾根で 足がすくむ感じがした

 

樹林帯の狭間で 

スノーシューで下る自信がなくなった

 

チチが アイゼンに履き替えようと言ってくれた

としたよ

 

 安全第一にアイゼンに履き替えた

 急斜面の尾根は続く!

 

植林帯の中でも 風は容赦しない

雪煙を上げて襲ってくる

 

細尾根から広がる尾根になると

樹林帯の中は迷い道!

ルートを確認しながら下らねば コースしてしまいそう

それを邪魔するように吹く攻撃

うようにしてっていく

 

 

 尾根筋と標布を確認しつつ下る

 吹き溜まりと化した道の落とし穴!

 

雪を巻き上げながら吹き付けてくる風の猛威

ラッセル地獄を味わいながら 先頭を行くチチ

 

ごめんなさい・・・

心の中で謝りながらも、ただただ・・・

私は必死でついて行くだけだった

 

 雪が浅くなってきた

 この標布を見て確信・・・ 

 トウフ岩の辺りまで下って来た

トウフ岩

 

豆腐のように四角いからトウフ岩?

決して食べることはできない

 

食べてみたらわかる!

絶対、歯がなくなる!

 

 ~い!豆腐岩

 豆腐岩のすぐを下っていく

 

トウフ岩の側面はベルグラが張り付いていて

ホールドが無いに等しい状態だった

 

どうしてこんなルートを選択したのだろう・・・?

 

 豆腐岩が、氷豆腐になっていた!

 右側の方が歩き易そうだが…

 敢えて左側の岩沿いに…

下って来たトウフ岩の側面 

以前歩いた、歩き易そうに思えた反対側のルートは?

 

トウフ岩を振り返って見て チチの真意が分かった!

 

チチは・・・

風の向き地形や条件を考えて

吹き溜まり急斜面を避けるため

敢えて真ん中のルートを選択したのだった

 

 再び樹林の尾根を下っていく

 風の猛威は納まらない

 最期のり!

方向転換箇所

 

ルートの方向が90℃ほど変わる尾根に着いた

ちょうどよい切り株があった

腰を下ろして一休み!

 

チチの膝の具合が心配だ・・・

コロナ禍でジムを休会してから

筋力が落ちた事もあるのだろう

膝の具合はかなりそうだ! 

だが・・・ 

チチがそれをにすることはない

 

それどころか、

あまり休みを取ろうとしない私に

チチは必ずいう・・・

 

足を休めておけよ!

 

その意図がわかっているから 一緒に休むが

やはり寒さの方が勝ると、

休憩することを避けようとする傾向がある

これが、ダウンする一つの原因となる・・・

 

雪山は・・・汗が出た感じがしない

呼吸が乱れ、どんなにしんどくても、

汗が噴き出る感じはあまりない

疲れた感じも 麻痺してわからない時がある・・・

必死に登っているためだろうか・・・

 

自分の意識とは異なり、体がどれだけ疲れているか

それを自覚しなければ、危険な事になるのだが

わかっていても、気づかない時がある・・・

休んでみて かなり疲れている事に気が付いた・・・

 

 

 もう一息だ

 雪の樹林帯の中はルーファン必須!

 植林帯の縁を下る

 

この辺りから 間伐材打枝材が多くみられ 

本来は杣道を歩くが、雪も被さって分かり難くなっていた

なるべく左側の樹林の寄り

標布を探しつつ下っていく

 

山頂とは違い 雪質ががらりと変わる

ふわふわしたような 腐った雪と腐葉土が

アイゼンに蔓延り付く

ピッケルで叩き落しながら下っていく

 

 少ない貴重な標布

 激下りの不安定足場!

 杣道に出てヤレヤレと歩く…が

 み・・・道が~!

 足元はちている!

崩壊部分

 

杣道が崩れて細くなり、

倒木がその上から覆い被さっていて危険な状態だった

 

チチが声をかけた

上のコースの方が安全だ

だが危険だから気をつけろよ!

 

確かに上も 

倒木や折枝の重なった不安定な足場だが

崩壊箇所を捲くには良いかもしれないと

プチ危険帯を超えて 杣道に戻って下る

 

急斜面を九十九折りに下っていくと

道路が見えてきた だが今回は

見えているはずの道路が近づかず 

まだかまだかと追う形で下る!

なぜか出口遠くに感じた

 

 道路が見えてきたが・・・

 そこにある道路が遠い・・・

石ヶ平谷東尾根取付き

 

橋の傍に降り立った

 

もう クタクタだった・・・

精魂尽き果てた感じだった・・・

 

 

 駐車場まで林道を引き返す

 

長く感じた・・・

駐車場までの距離は、約500mほどだ

今日ほど、この500mを恨めしく感じた事は無かった

 

もっと手前で、なぜ停めなかったのか・・・

ちょっと悔やんだ・・・

やっぱり 疲れているんだよね・・・私

 

重ねられたタイヤの跡が黒くなっていたが

林道終点に近づくと やはり白いままだった

 

林道終点がみえてきた

我が家の車がぽつんと一台 寂し気に停まっている

ただいま、待たせたね・・・

 

漸く車の所に戻ったころには

辺りは薄暗くなり、

再び雪雲に包まれ、雪をちらつかせ始めていた

 

 大又林道終点駐車場 車止めゲート

 

駐車場について間もなく が本格的に降り出した・・・

この時期を惜しむのか、別れなのか・・・

一層強く振り出す雪に分かれを告げて

早々に帰路についた頃は吹雪になった

 

今日はもう 雪はいいよ・・・

さようなら

 

 

 

本当に疲れた・・・

久々に、8時間山行体に応えた・・・

コロナ禍に巻き込まれたまま 体力を失ったのだろう・・・

歳の所為もあるだろうが

身体を動かさなくなった途端に失う体力の急降下く・・・

動き出すと 少しは戻るのだろうか?

若い頃の何十倍もの努力が必要になるのだろうか?

どちらにしても、もとに戻すための努力をして行く他ない・・・

それは・・・

止められない山の為にも・・・

自分自身のためにも・・・

 

そう思いながら車窓から覗く景色を~っと見ていた

 

雪雲は、不気味な動きをしながら、はびこる様に広がっていた

そんな黒っぽい雲と金剛・葛城山の間から、

燃えるように見える夕焼けを見ながら 

いつしか眠りの闇に落ちていった・・・

 

チチも疲れているのに

独り運転をして連れて帰ってくれた・・・

 

 

最後までお付き合い下さって ありがとうございます

 

 


リベンジの薊岳に一瞬の軌跡が♪ 2 薊岳山頂編

2022年02月25日 | 山 近畿 台高山脈・高見山

2022年2月20日(日)☁/雪 強風 

薊岳※P1334尾根~薊岳~トウフ岩経由

 

漸く P1334m尾根から

薊岳への主稜線になる尾根にでた

白い闇に包まれた尾根道は、時間の感覚さえも失わせた

もう・・・薊岳までは辿り着けないかも・・・

そんな不安がよぎるとき チチが声をかけてきた

薊岳はもうそこだ!

その言葉に背を押されて進んだ

 

そして 

冬のは、私をまし

は、私を嘲笑った・・・

 

 

P1334mからの続きです

 

  凍てついた標識

 薊岳の頂を目指すだけ・・・

 

無理かと思いつつも

薊岳の主稜線に出ると 頂に立つが生まれた!

 

スノーシューに履き替えてからは少しはく歩けている

心配していた肉刺も処置がうまくいっている 

痛みはない!

さぁ~ 絶対!頂上まで行くぞ!

 

だけど・・・

 

 霧氷が覆い被さってくる!

 霧氷に阻まれる

 チチとの距離が縮まらない

 木々が悲鳴を上げている

 

風は休むことを知らないようだ

樹々を揺さぶり 

冬の花が乱れ散る

その氷の花びらとなって肌に突き刺さる

 

まるで風と一体化して攻撃してくる!

 

 

白い暖簾のように垂れた霧氷が

風に揺られ 視界を遮り

白い闇が濃くなり 冬の厳しい掟に翻弄される

 

 チチとの距離が開いていく・・・

 

青い空はもう望めそうもない・・・

せめて、風の勢いを少し緩めて・・・

その思いは虚しく吹き飛ばされ 

凍てついていく・・・

 

まだ白い樹林帯は抜けない…?と思った時

視界がが開けた!

 

な白い斜面が目の前に現れる!

その斜面をもう、チチが登っている

その左側には 成長して突きだす

見事な雪庇ができている

 

先行者のトレースが残っているので助かるが

あまり端によると危険な状態だ

新雪の下はクラストしており

崩れやすい雪との戦いが強いられる

 

だが 山頂は近い! ガンバだ!

 

 崩れやすい雪と戦いながら登る!

 山頂付近でみた樹々の様子だ!

 もう 山頂についた?

 いや…違った?再び樹林帯に?

 今度こそ、ここを過ぎれば…

 

おおぉ~~~

この雰囲気! まさに薊岳山頂!

モノトーンの世界の頂点に辿り着いたようだ!

 

 

無雪期にみられた岩稜帯のみられは 雪に覆われ

雰囲気が違っていたが まさに薊岳の頂上入口だ!

 

ちなみに 

2020年2月10日の時の同じ場所の写真はこんな感じだった・・・

2020年2月10日

 

雰囲気がまた違う・・・

この時はスノーシューでは難しかった・・・

 

 やっと山頂に着いた

 凍てついた薊岳の標識

薊岳 1406m

 

無雪期と違って、狭い頂は更に狭くなっていたが 

雪のおかげで歩き易くなっていた

 

途中 急登の新雪に藻掻くところはあったが

スノーシューのおかげでラッセル

身体に余裕がまだっている様な感じがした

 

相変わらず風は暴れ吹くが ちょっと足を休める事にした

チチの入れてくれた ホットミルクティーを飲んで

景色を眺め・・・と思ったが 全く望めない

蠢く白い世界を楽しんだ

 

 水墨画を思わせる樹々

 凍てついた、色のない世界

 

・・・とその時 諦めていた景色が動いた

 

わぁ~♪

一瞬だけ 開けたのだ!

 

 

ガスの動きは速い 

その一瞬に

周囲の稜線が浮かび上がった

 

本来なら、赤ゾレ山、伊勢辻山、高見山が見え、

遠くは 金剛山 葛城山まで見えたはず

北側の景色も、大峰山系の山々が望めたはず

でも、今日のこの天候で、

一瞬でもその面影を見る事ができたのは

ラッキーであった

 

ご褒美は頂いた!

さて、長居は無用だ!

風の猛威は休まる事はなさそうだ!

 

 早々に下って行く事にした

 頂上付近の急下りは気を付けて!

 

新雪の急斜面のりは 要注意だった!

 

来た時のトレースを外さないように下るが

雪庇に寄り過ぎているルートに、亀裂が出来ていた!

 

だが・・・ルートを外れると

深雪の土壺にはまりそうだ しかしここは

少し離れた所にルートを作り直して下った

この時も、スノーシューが大活躍で助けられた・・・

 

轟々と唸りを上げる風神と戦いながら

急下りを慎重っていくと・・・

何という事でしょう!

 

 

一瞬 った・・・

 

 

森が・・・きだした!

 

 

何度も何度も 足を止めて上げた!

 

 

あの白い闇は何処にえたの!

 

 

予期せぬ 褒美だった・・・

 

 明るい尾根歩きとなった

 見飽きない明るい景色が続いた

お日様が顔を出し

森が芸術的なを披露し・・・

艶やかに咲いた冬花の林冠がしいほどに・・・

頑張って登ってきてよかったと思った時だった・・・

台高山脈の稜線も望めた

 鳥獣保護区の看板

 石ヶ平谷東尾根の分岐

 

石ヶ平谷東尾根分岐辺りに来た頃

び周りは白い闇に包まれ始めた

 

鳥獣保護区看板から 来た道とは違う方向の

石ヶ平谷東尾根へと下っていく・・・

 

そのルートは、歩く人は少ないと聞いていたが

この日はまだ・・・

誰の踏み跡もない 真っ白な雪面が落ちていた・・・

 

その雪面を見ながら あとは下るだけと思った

この時は、

本当に…ただ…

そう思っていた…

 

つづく