2021年2月20日(土)☀ 天女の舞
2月11日・・・
今年になって 色々考え迷ったうえで
本格的に山活動を開始しようと 一か月ぶりに
天ヶ森(ナッチョ)に体慣らしに出かけた
7時間半ほどの周回コースを 意外に楽しんで歩けた…
まだ本調子ではなく 疲労感が長く残ったものの
余り体は鈍っていなかったのかも・・・そう感じ
1000m前後の山は楽勝に登れるかも♪
高を括っていたわけではないが
内心 甘く考えていたのかもしれない
そして 冬将軍が行ったり来たりする中
寒波到来に 梅の花の開花と共に雪も降るニュースが聞かれ
チチが言った
天女の舞に行ってみよう!
大峰の天女の舞は以前から話題に上がっていたが
行く機会を逃していた
雪がいい感じで積っているらしい
何年ぶりかな いい所だよ
積雪期に行きたかった所だけに
いいタイミングで行けそうだとチチが誘う
行く行く♪
私は舞い上がった!
天川村役場
天川村役場の駐車場にその日は車を停めさせて頂いた
車から降りると お巡りさんが近づいてくる
何かあったのか…
これは不吉な前触れか…
車から降りて身支度するチチに声を掛けた
何を聴取されるのか…
チチとお巡りさんが 何か会話をして
チチがバインダーを渡された
なんだ? 何のサインか?
チチとお巡りさんが笑っている
親しげに話しをして お巡りさんは離れて行った
何だったの…チチ?
あぁ~ 何処に行くのか聞かれて
天女の舞といったら
いい所だと言ってたよ それと
登山届を書いて欲しいって渡されたよ
登山届を出す所が見当たらないと思っていたチチは
助かったと言いながら 登山届を書いていた
優しそうな駐在所のお巡りさんに見送られながら
駐車場を後にした
振り返って役場を見ると その後ろに
今から歩く尾根が見える
今日は天女の舞と頂仙岳迄行くつもりだった
意気揚々と出発する私を 朝の日差しが温かく包み
冷たい風が 冷やかに頬を撫でて行った
雪があると信じて用意した冬道具は
背中に担がれ その重さが食い込んでいく…
だが 歩けると思っていた
歩いて目的の所まで行けると思っていた
この時は・・・
役場前の天ノ川沿いの道 右折
標識確認後右折 登山口へ
正面の突き当り 登山口
ちょっと滑る 注意!
建物の横から入山!
登山口からは 暫く植林の中を歩く
途中から階段が現れる
歩き始めて感じた事…
背中の荷が重い!
アイゼン スノーシュセット ピッケル
すべて背中に担いでいる…
スノーシュー…要る?
ピッケル 要る?
そんな疑惑が登るにつれて湧いてくる だが・・・
暫く 歩けば慣れてくるだろう…
そう言い聞かせながら 階段を上っていく…が
ザックの重さに翻弄される
重い…重い…階段は嫌いだ!
尾根に出ても階段は続く💦
段差が大きい階段は辛い…!
急な斜面に造られた鉄網の階段は
段差が大きく所々ずれて、斜めになっている
中途半端に残っている雪が余計
辛いものにさせてくれていた
そして、漸く階段から解放される
しかし…
その勾配は変わりなく 表面が凍った所もある
アイゼン無しで歩くには 負担が大きくなる
あっ!明るくなった
第一鉄塔だ!
東面が開けた!
観音峰
大日岳 稲村岳 バリコヤノ頭
大峰山々が姿を見せてくれる
懐かしや~♪
バリコヤノ頭は展望も何もない!
ただ道中 アップダウンが激しく
季節によっては虫の攻撃も甚だしく
安易に行ける所ではないが
やはり もう一度行きたいと思うほど
奥が深く 強い印象が残っている
思い出に浸りながらも 不安が過る
今日の予定…私は歩けるだろうか…
進むにつれて その不安は強くなって行く事に…
再び 急な登りへ
緩やかな所で足が止まり
強めの風が抜けて行く
雪の付いた急登を登ると 背中の重さが手伝って
自分の歩き方の欠点が容赦なく見えてくる
まるで嫌いな歩荷訓練をしている気持ちになる
今日は楽しんで歩ける気がしない!
急登になると アイゼンをつけたくなり
緩くなると アイゼンを迷う…
更に急登となる・・・!
雪があっても滑る
雪が無くても滑る
残雪も水分を多く含んだ土も
脚力の無い足には容赦ない!
歩き方がなってないぞ~と戒められる
アイゼンに頼るのではなく
基本の歩き方からやり直し・・・?とほほ
訓練の様な山歩きが楽しいはずがない!
だけど 体力と伴に元に戻さねば
面白味も感じられない
思いあがっていたつもりは無いが
反省すべきことを教えられる気持ちだ
勾配がきつくなればなるほど 知らされる未熟さ!
今の私は ツボ足では登れない
体力の消耗が激しい…
これでは 天女の舞も行けない…
平らな所で軽アイゼンを着ける
軽アイゼンでも つけると楽になる
だが もう慣れてきてもいいはずのザックの重さが
未だに慣れず応えている
登りは重い足かせをされたように前に進まず
ツボ足のままで登るチチに置いて行かれる有様だった…
明るい先で待つチチ
雪の無い観音峰
待ちながらチチは観音峰を見ていたようだ
漸くチチの姿を捉えた私…大きく深呼吸をする
そして、そんな私を確認すると歩きだすチチ
チチの立っていた場に立った私もまた
観音峰に目を奪われた
それは…静かに見守るように
穏やかな表情を見せて鎮座していた
再び薄暗い樹林帯の中へ
再び距離は開く チチの姿無し
尾根から外れる下山ルート標識
軽アイゼンをつけてから 体力の消耗は軽くなったとはいえ
既に 疲れてきている体には 登り坂は応えた
前回のナッチョの時とは大違い!
チチとの距離は開くばかり それでも
私の様子を見ながら距離を考えて待つチチ
樹林帯の中とは言え 冷たい風が吹きつけてくる
早く追いつかねば 待つのも寒かろう…
そう思いつつも 私は
汗を吹き出し 呼吸を乱して登る
中々スピードアップは狙えない・・・
ただただ 一歩!一歩!
確実に進んで行く他なかった・・・
せめて 天女の舞までは行きたい…
そう言い聞かせながら 登っていった…
しかし…
無情にも急登は続く
絶対 天女の舞には行く!
どんどん後続者に追い抜かれながらも
がんばって登っていった
しかし・・・
背中の15Kgほどの重さに
この先も喘ぐことになってしまった
つづく