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これは、先の大戦の戦争指導者層の恥部を暴く、と言ってもいいほどの本だ。陸軍第1回の特攻隊員(敗戦の前年1944/11/12に4機5人-うち通信士が1人-で出撃)の1人に指名された佐々木友次伍長は、このときを含めて9回出撃して何れも生還している。何故か、というのが本書の主題だ。
著者は、あることから当人の生存(当時92歳で、札幌に入院)を知り、2015/10/22から5回のインタビューに成功した。
海軍特攻戦死者は2,525名、陸軍は1,388名、海軍では予科練とか予備仕官、陸軍でも大学出の特操や少年飛行兵だという(222頁)。志願とは名ばかりの強制で命を落とした彼らが哀れだ。
多くの人が戦争を知らない今こそ、読んで貰いたいと思う。