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ゴッホ 天才の絵筆 その後 雑感

2016-05-21 21:12:53 | 映画
自分が、努力嫌いな奴だとつくづく思う。
仕事のせいにしてはいかんのだろう。
「ゴッホ ?天才の絵筆」を観てから暫く経つが、ゴッホの生き様と真逆なことが、何故か痛みと化してチクチクとふとした調子に責めたてる。

ゴッホが天才であることに異論を挟む余地ないと思うが、人並み超える努力の積み重ねが天才ならしめた。
芸術に限らずスポーツ界にも天才と呼ばれる人は少なくなく、タイガー ウッズとてイチローとて努力あっての天才なのだ。

絵画はまずデッサンが基本。それが分かるまで描いたのか?ゴルフはボールを打たなくても素振り練習くらいやったのか?何でもそうだが基本を疎かにしては何もなしえない。

かつてカルチャースクールで油絵の真似ごとをやったが、数年すると仕事で行けなくなり、半端で終わったキャンバスが部屋の隅で埃まみれになっている。

ゴルフとて同じ。 近頃、練習もしないでラウンドに行き、見事に辱しめにあいうちひしがれてしまう。オレ何年ゴルフやってるの?老いとか劣化とか。いや違う違う、努力してないじゃん。

ゴッホを出すまでもなく市井にもお手本がいた。

過日、シングルと思しき団塊世代のオジさんと、小生と同世代の女史、75.6歳と思しき爺さんとラウンドした。ハーフが終わり、昼食のとき団塊オジさんは「私は弁当ですから」とドライバー、アイアン2本、パターを手にして練習場に消えた。わあっ昼も練習か。小生が呟く 「志が違うんだ」?女史は「ビールなんか飲んでる場合じゃない」と言う。「シングルを維持するには必要なことなんだ」
爺さんは、美味しそうに黒ビールを飲みながら笑っている。この爺さんもシングルOBなんだ。

食後インに入り、爺さんと団塊オジさんの会話が聞こえてくる。?
「ドライバーの飛距離は何歳からおちますか?」
「70歳過ぎてからだね」

凄い!オレはまだ洟たれ小僧だ。
思えば、3.4年前、ドームでミック ジャガーは若い時分と変わらずスリムな体躯でステージを走り回っていた。ミックはあの時70歳か。

ひとはなにがしかの人物になりたいと思うものだ。ソール ?べロウの小説の中にあった一文だ。30数年前に読んだ作品だが、テーマに無関係な一文が何故いまだ頭の中にあるのだろうか。
確かに、なにがしかの人間になりたい、と若いときには思うものだが、なにがしかとは何かを探しているうちに、残酷に時計が刻まれる。探すことも忘れがちになる。
?
ある日、弾けるようになった、描けるようなった、打てるようになった。階段を2.3段飛び越えるよう上手くなった。それはたゆまない努力の成果であって、掘る努力なしで温泉や石油が湧いてくることはない。あり得ない。

だから気まぐれや飽きっぽい人間はハナからダメなのだ。ましてや努力しない、少なくとも継続しない者がなにがしかの人物などと思うのは傲慢なことだ。

小生などは努力する時間が惜しいという屁理屈でやめたのが少なくない。というより、昔から努力することが嫌いなのだ、簡単に言うと怠けモノなのだ。ウスウス分かっていたんだけれど、自分で認めるまで時間がかかりすぎだ。分かってどうこうする気持ちがあるわけではないが、自覚していた方がいいだろう。

「継続は力なり」という言葉を聞いたのは確か小中学生の頃。当時実感できなかった。この年になり分かってくる。唐の詩人の如しだ。