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菊とギロチン

2018-11-01 22:59:26 | 映画
?長い映画だが見応えある。日経新聞の記事の記憶があり観たいと思っていた作品だった。日比谷シャンテに行ったのは何年ぶりになろうか。8月初め一番暑かった頃だ。

関東大震災後の大正末期。
大正デモクラシーも、軍の権力が高まり追い詰められ、時代の空気が怪しくなっていく。
ギロチン社のアナキストたちは、大杉栄の虐殺を機に迷走、テロに走り始める。千葉の田舎に逃げ、そこで運命的にか女相撲一座「玉岩興行」と遭遇する。ドラマは各々あるいは絡み合い展開していく。



入館時チケット高いじゃんと呟いたら、館の方から3時間だからと告げられる。長いから高い?長けりゃいいってもんじゃないだろ。背中が痛い(PHN)のだから、良質な作品を2時間位で結構なのにと思って観始めた。が良かった。
構想30年らしいが力入ってる。瀬々敬久監督。

アナキストたちの方が存在感がない気がする。男の方が観念性が強く、肉体的にも存在感のある女相撲の方とどうしても対比してしまうからだろうか。ダメなアナキスト振りは妙にリアリティがある。なかなか暗殺などのテロは難しい。
女相撲の方はキラキラしており、各々オーラを放つ。生きるのに懸命だからか一座に入る前の過去があるからだろうか。D Vや貧困から逃げて女相撲に入った花菊だし、十勝川も玉椿、小桜しかり、皆んなワケありなのだ。

暴力は時代的にも避けられないが、余り見たくないが時代的に必然だからしょうがない。大西信満はいつも軍人役がハマる。軍服が似合うのかな。


唄、太鼓の上手な力士がいて、海岸での踊りのシーンはホッとする。
小気味良い太鼓の音。
本気に取る女相撲。

しかし魅力的な映画だ。長いが面白い。
木竜麻生はじめ女優陣は頑張ってる。
ナレーションは永瀬正敏だ。
女は強い逞しい。
観たのは8月の暑い日だった。
もはや寒くなってしまったが。